リーダーになって伸びる人、伸び悩む人
延原 典和(著)
/ディスカヴァー・トゥエンティワン
作品情報
誇れる実績がなくても、メンバーの心は動かせる!サッカー ジョゼ・モウリーニョ、NBA フィル・ジャクソン、プロ野球 仰木彬・・・・・・、名プレーヤーでなかった彼らが、最強のチームを作れた秘密とは?CHAPTER1 リーダーになって伸ばす人、伸び悩む人CHAPTER2 人は、危機感を煽ってもそのときしか動いてくれない ~チームの成果は「関係性」によって最大化される~CHAPTER3 人は、相手が何を考えているかを無意識に感じ取るもの ~関係性はリーダーの「スタンス」で築かれるCHAPTER4 人は、ノドが渇いていないと水を欲しない~「スキル」は、土台ができて初めて活きる~CHAPTER5 人は、成長のサインをいつも送っている~こんなときどうする?~(※本書は2012/3/17に発売し、2020/11/1に電子化をいたしました)延原 典和(のぶはら のりかず)富士通フロンティアーズ・コーチ。株式会社Office KOCS代表取締役。1974年生まれ、神奈川県横浜市出身。法政大学第二高等学校でアメリカンフットボールと出合う。法政大学進学後、母校のアメリカンフットボール部のコーチに就任する。1997年大学卒業後、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社に入社。アメリカンフットボールの世界からいったん身を引くも、2000年に法政大学アメリカンフットボール部のコーチに就任。大学での選手経験がないコーチとして異色の存在でありながら、28年振りの甲子園ボウル優勝に貢献する。2002年にCCC退社後、IBMビッグブルーのコーチに就任、2006年に当時リーグ中位に低迷していた富士通フロンティアーズのコーチに就任しチームの再建に貢献。特に直近7年間では、7年連続で社会人アメリカンフットボール選手権の決勝に進出し、5度の優勝を果たす。現在4連覇中。ビジネス/スポーツ双方の領域でチームマネジメントを経験。その多彩な経験から培ったリーダーシップスタイルと人材育成スキルを活かし、ビジネス/スポーツ双方の領域で活躍中。2007年に株式会社Office KOCSを設立し、研修講師としての活動を本格化。アメリカンフットボールのコーチとして、日々現場に立ちながら、大手上場企業からベンチャー企業まで幅広いフィールドで、実践型の研修を中心に年間約80回実施している。机上の空論や理想論では無く、スポーツの現場での数々の成功/失敗経験から得た、独自のリーダーシップ論や人材育成理論を基にした内容に定評がある。2009年から2015年までアメリカンフットボール日本代表チームのコーチを務める。
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商品情報
- シリーズ
- リーダーになって伸びる人、伸び悩む人
- 著者
- 延原 典和
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 書籍発売日
- 2012.03.17
- Reader Store発売日
- 2020.11.01
- ファイルサイズ
- 1.7MB
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この作品のレビュー
平均 3.3 (5件のレビュー)
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アメフトコーチとしてやってきた人の経験として大事だったことを書く本
理論的にまとめるというより、こういうものが必要だった。役立ったという経験の振り返りからの帰納。
リーダーの育成のための要素①専門的…な技術知識②人材育成の技術知識③メンバーとの関係性
人が動く要素①快感②危機感③価値観
受容:ありのままを受け入れる、支援:可能性を信じる、自己責任:問題の原因を自分の中に見出す
自己憲章:自分が大切にしたいことを明文化
やってこなかったけど、やればできることをやらせる
①教える②理解度を確認する③教えてもらう
結果承認、事実承認、存在承認続きを読む投稿日:2021.09.26
*フィル•ジャクソン氏は、マイナーリーグ時代に試行錯誤を繰り返した結果、禅の考え方をベースとした「無私」のチームワークという考え方にたどり着きます。彼は、著書「シカゴ•ブルズ 勝利への意識革命」のなか…で、「私心をなくして競技する態度」が重要であるとし、次のように述べています。「優勝したシカゴ•ブルズほど、無私がチームワークの真髄だということをよく理解したチームはなかった。従来、このチームは、マイケル•ジョーダンとジョーダンの取り巻きからなるワンマンショーだと思われていた。しかし、ブルズが1991年から93年まで3年続けてNBAのチャンピオンに輝いた本当の理由は、チームのメンバーが、1人の人間の力ではなく、1つにまとまることの力のほうを信じて努力を重ね、チームを分裂させる自己中心的な気持を克服したことにある(事実、この自己中心的な気持ちのせいで、ブルズ以上に恵まれていながら力を削がれてしまったチームもある。)心を広くして、チームとしてすべきことが個人の栄光に優先し、成功は、目覚め、意識し、他者と協力して始めて達成されるものだという考えを持たなくてはならない。
リーダーになって伸び悩む人
•プレーヤーとしての実績にとらわれている。
•メンバーの能力引き出すために「何をすれば?」「どうすれば?」にこだわっている。
•指導する際、自分の持っている技術や知識に固執する。
•周囲のリーダーと自分を比較して、理想像ばかり追い求める。
リーダーになって伸びる人
•リーダーとして失敗を経験している。
•メンバーの能力を引き出すために「誰がするか?」「誰が言うか?」にこだわっている。
•指導する際、手法論に対するこだわりがない。
•自分の特性を把握し、自分に合ったリーダーシップのスタイルを知っている。
*組織としても個人としても結果を出すためには、現場の人間自らが本気になって取り組むこと。つまり、「やらされる」のではなく、自ら「やる」意識が大切です。そのような意味でも、「立場」ではメンバーを本気にさせることができず、「立場」を利用したマネジメントでは、組織として成果を出すのがむずかしくなるということは明らかです。
*利害関係が、直属の上司と部下の関係性を難しくしていることも事実だと考えています。行動心理学によると、人はメリットを感じる方向に進むとされています。つまり、「自分を高く評価してくれる=給料が上がる」などというメリットを提供してくれる人には好意を抱く傾向がありますが、自分にデメリットをもたらす存在の人を遠ざける傾向にあります。しかし、だからといって、リーダーがメンバーにメリットばかりは提供できない環境が現実問題として立ちはだかります。そのような逆風が吹くなかでも、リーダーはメンバーと関係性を築くことが求められ、かつその成功率は「1%以下」という、非常に難易度が高く、タフな役割です。しかし、それがリーダーの仕事なのです。
*監督•コーチと選手の距離はあったほうがいい。指導者が目の前にいる時と、いない時で、選手の態度が変わるのは当然だと思う。そうでないとしたら、その指導者が仕事をしていないことになる。兄貴分のような若いコーチにしても同じです。なぜ距離間が必要か。立場が違うからです。責任のありかも異なります。ナアナアになると、選手が指導に疑問を抱いた時の言動が、表向きと裏側で変わったりする。
*人は他人からコントロールされることを極端に嫌い、相手が自分のことをコントロールしようとしているか否かは無意識に感じることができます。短期的にはうまく部下のやる気を引き出すことができることもありますが、それも時間の問題です。中期的には、リーダーが自分をコントロールしようとしていることを無意識に感じ取り、そのコントロールから逃れるために、リーダーから距離をとろうとするケースがよくあります。このように、人と人の問題に対してテクニックで対応をしようとすると、人間関係を悪化させてしまう危険性すらあります。スキルや知識はどうしてもわかりやすいので、研修のテーマとして重要視されますが、これらのスキルや知識だけでは人を育てたり、人のやる気を引き出したりすることはできない、と私は考えています。
リーダーになって伸び悩む人
*スキルや言葉でメンバーをコントロールしようとしがちである。
*リーダーはメンバーとの距離が近くなるのがよいことだと思っている。
*経験の浅い人をサポートするときも、コーチング的な関わり方をしている。
*立場を利用したり、危機感を煽ってメンバーを動かそうとする。
*「ミスをカバーし合うこと」がチームワークだと考えている。
リーダーになって伸びる人
*メンバーとの「関係性」を重視している。
*リーダーはメンバーからの尊敬を獲得することが難しいことを知っている。
*経験の浅い人の成長をサポートするときは、ティーチング的な関わり方をしている。
*組織の一員として認めていることを伝え、安心感を与えている。
*メンバー1人ひとりに対して組織の結果に責任を持たせている。
*「コーチとして大切にしていること」
コーチだから指示できる立場になるわけではないということ。
コーチだから教えてよいわけではないこと。
コーチという立場だけでは人を動かせないこと。
それ相応に勉強して経験してそれなりにならないと、他人の人生に影響するようなことを簡単に教えてはいけない。だから立場だけではコーチになれない。チームの責任、担当するものの将来に影響を及ぼすのだという認識と責任を持つ。自分が担当した者の結果を全面的に自分自身のこととしてとらえること。これら諸々がそろってきてようやくコーチと言えると思いますし、選手に関わって行 いってもよい段階になるのだと思います。それまでは言葉は悪いですが、「見習い」で、「コーチ然とするな」と自身に思ってきました。
リーダーになって伸び悩む人
*決めつけたり、無理矢理メンバーの言動を正そうとする。
*メンバーの欠点ばかりに目がいく。
*メンバーが結果を出せないことを、メンバーの能力不足や努力不足の責任にする。
*「メンバーのため」よりも「自分のため」に仕事をしている。
*自分がリーダーとして大切にしたいことを理解していない。
*メンバーとの関係性が「できた!」と思って油断をする。
リーダーになって伸びる人
*メンバーのありのまま受け容れ、「正当な理由」を理解しようとする。
*よくない部分も含めてメンバーの可能性を信じて支援している。
*メンバーの結果を自分のこととして受け止める。
*「メンバーのために!」という思いを常に持っている。
*確固たるブレない「自分憲章」を持っている。
*メンバーとの関係性が「できた!」と感じても構築し続ける。
リーダーになって伸び悩む人
*長所を伸ばす、あるいは短所を克服するかのどちらかしか意識していない。
*組織の「やらなくてはいけないこと」とメンバーの「やりたいこと」は別のことだと考えている。
*自分が教えたいタイミングで教えている。
*客観的な評価を心掛けている。
*「優しさ」と「甘さ」を混同している。
*最終的には、自分が指示したことを完ぺきにこなすことだと思っている。
リーダーになって伸びる人
*メンバーの「やってこなかったけれども、やればできること」をのばしている。
*組織の「やらなくてはいけないこと」とメンバーの「やりたいこと」をリンクさせている。
*メンバーの成長度合いに応じて、関わり方を変化させていっている。
*きな評価など存在しないことを理解している。
*時に厳しさを持ってメンバーと接している。
*最終的には、メンバーを「自分自身で成長できる人」にすることだと思っている。
リーダーになって伸び悩む人
*人を育てるための絶対的な正解を持っている。
*不平や不満が出たら、正そうとしている。
*指示を受け容れてくれない場合、まず理由を問い詰める。
*メンバーの可能性を評価している。
*メンバーとの関係性が悪化してしまうかもしれないために、リスクをとって勝負しない。
リーダーになって伸びる人
*同じように接しても、人によって物事の受け止め方が異なることを理解している。
*不平不満が出たら、チャンスだととらえている。
*指示を受け容れてくれない場合、まず正当な理由を探す。
*メンバーの可能性を引き出している。
*チームとしての成果を最大化するために、時にリスクをとって勝負する。続きを読む投稿日:2013.12.13
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