世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法
ピョートル・フェリクス・グジバチ(著者)
/朝日新聞出版
作品情報
チームの成果を左右する最大の要因は? グーグルが明らかにしたのは「心理的安全性」という結論だった。心理的安全性とは「自分らしさを発揮しながらチームに参画できる」という実感のこと。チーム内の心理的安全性を高め、成果に結びつける方法を解説。
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この作品のレビュー
平均 4.2 (42件のレビュー)
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久しぶりにいわゆる「ビジネス本」を読みました。
グーグルでのチーム作りということで興味を持って本書を手に取ったのですが、グーグルで行われているチーム作りも日本の企業が伝統的に行ってきた組織作りも根本は…変わっていないのだということが分かりました。
特に職場での「心理的安全」を醸成することが重要であるということは昔から言われていたことですし、改めて大事なのだなあと感じましたね。
「心理的安全」を作るには、上司と部下との面談『1on1ミーティング』が重要であると本書では強調していますが、まさにそのとおりだと思います。
最近ではこの『1on1ミーティング』を業務に定期的に組み込む企業も増えてきているようですが、組織によってはこの『1on1ミーティング』の話す内容は業務上のことに限るべきで、私生活やプライバシーに関わるようなことは話題にしてはならないというルールを課しているところもあるようです。
しかし、著者は「プライバシーに関するようなことこそ話題にすべきだ」と強調します。なぜなら、そういったことを話すことによって「心理的安全」が作られるからです。僕も全くこの意見に賛成です。
ここからはあくまでも僕の個人的な意見を述べさせていただきます。
僕も『1on1ミーティング』を導入している職場で働いていますが、部下としての立場、そして上司としての立場の両方を経験してみて、この『1on1ミーティング』は非常に有効だと感じていますし、また、プライバシーに関することこそ話題にすべきだと感じています。
部下として立場から話すと「自分の弱みや家庭の事情」などの話を上司に「聞いてもらう」「理解してもらう」ということで、かなり自分の心理的な負担が減るということを経験したことがあるからです。
例えば「親の介護などで毎日定時に帰らなければならない」だとか「子供が病気がちでしょっちゅう早帰りをして病院に連れて行かなければならない」という事情を持っているとします。僕がまだ若い時には、こういったことをいわゆる働き盛りの社員が上司に言うのは憚られる風潮がありました。もしそんなことを言えば他のライバル社員との競争でマイナスになるだとか、窓際部署に飛ばされるだとか普通にありました。
当時、僕もちょっとした事情をもっていて、その悩みを誰にも相談できない状況が続き、もう鬱状態寸前までになっていました。まだ『1on1ミーティング』なんていうしゃれた制度もなく、本当にどうしようもないところまで追い込まれていたのです。ある時「もう、どうにでもなれっ」という気持ちで、意を決して上司に自分の状況を話したのです。
当時の上司には、本当に感謝しています。僕の話を親身になって聞いてくれ、いろいろと便宜を図ってくれました。もちろん、自分の家庭のことなので、表だって何かをしてくれたということはないのですが「上司が自分の状況を知ってくれている」というそれだけで僕は「心理的安心」を得ることができたのです。もちろん、自分の評価が下がるということも、閑職に追いやられるということもありませんでしたし、逆に、心理的な負担が減った分、自分の仕事のパフォーマンスも上がったのです。
逆に、上司の立場からこの『1on1ミーティング』をやってみると、自分の知らなかった部下の一面がそれこそ「でてくる、でてくる」でした(笑)。
そういった情報を元に、部下の配置や仕事への配分、仕事の向き不向きなどを考慮したチームとしての仕事の進め方を考えることができ、上司である自分にとっても非常に有意義なものでしたし、逆に、自分の本音を部下に伝える良い機会でもありました。
そしてこれは僕の持論ですが『1on1ミーティング』は直属の上司だけがやるべきではなく、1階層、2階層上の上司がやるのも非常に効果があると思います。自分の2つも上の役職の方が直接話しを聞いてくれるという機会を作ることで、直属の上司との考え方の違いなどや直属の上司はやってくれなかったが、その上の人に相談したら簡単にできた、なんていうこともあるからです。後で「俺に言わないで、俺の上司にチクるなんてとんでもねえ!」なんて雰囲気を作ってはいけないということは大前提ですが(笑)。
例えば、300人も社員さんがいる社長さんが社員全員と『1on1ミーティング』やるのはかなり大変だと思いますが、もし出来たとしたら、かなり有意義なものになると思いますよ。月1回とは言わなくとも、年1回くらいやればかなり面白いのではないでしょうか。
結局、職場って仲間同士が集まって仕事をするところなのですよね。
どんなに優秀な人材を集めて、お互いに競い合わせるようなことをしても、パフォーマンスはあまり上がらないのです。それこそ1+1=2という答えしか出ません。
しかし、お互いが信頼し合い、仲間として、チームとして仕事をすると1+1=は3にも4にも、時には10にも20にもなるのです。
『1on1ミーティング』の利点ばかり話しましたが、聞き手である上司が『1on1ミーティング』の意味を理解せずに部下のプライベートを根掘り葉掘り聞き出そうとしたり、全く問題のない部下に『お前も何か悩みがあるはずだ!言ってみろ!』などということをやっては本末転倒です。それこそなんとかハラスメントですよね。ですので、この『1on1ミーティング』はやる側にもスキルが必要なのは間違いないことだと思います。
この本を読んで、グーグルだろうが、どこだろうが、人間が集まって仕事をする職場では人間の本質は変わらないのだなあということを改めて理解することができ、そういった意味では非常に勉強になりました。
参考までに、この本の目次的なものを書いておきますので、興味のある方はぜひ一読の価値はある本だと思います。
第1章 世界共通のチームづくりのルールとは
第2章 「愚痴」も「もめごと」もチームにとってよいこと
第3章 チームのパフォーマンスを向上させる「良質な会話」
第4章 〝一瞬〟で差をつける「チーム時間」の使い方
第5章 「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法
第6章 劇的に生産性を上げる仕組みのつくり方続きを読む投稿日:2019.11.18
2012年のアリストテレスプロジェクトで、どういう組織が1番パフォーマンスが上がるかというリサーチをした結果(心理的安全性が高いチーム)と言う結論になった。心理的安全性が高いチームにおけるマネージャー…の役割が明確に語られてる。
◾️よいマネージャーとは
①良いコーチである。
②チームを続けてマイクロマネージメントをしない(過度な監督、干渉をしない)
③チームメンバーが健康で成果を上げることに関心がある。
⓸生産的で成果主義である。
⑤チーム内の良き聞き手であり、メンバーと活発にコミニケーションしている
⑥チームメンバーのキャリア形成を手助けしている。
⑦チームのためのはっきりとしたビジョンや戦略を持っている。
⑧チームメンバーにアドバイスできる専門技術や指指を持っている。
目の前のメンバーを1人として承認することなし。チームの心理的安全性を高めることはできない。
メンバーとマネージャーが感情的なつながりを持つ状態は相手との共感を高める必要がある。声を合わせる。話題を合わせるなど…
ニューエリートと言われる。ビジネスモデルは学習主義でオープンのコミュニティーでルールを守るよりは、新しい原則を作る。
マネージャーはメンバーの能力と意欲に応じて接し方を変えることで生産性を上げることができる。委任する→励ます→手を取る→指揮するP172
ただし、どんなタイプに対しても大切なのは3つの原則。優しさ→チャーミングさ→厳しさ
チームメンバーをアシスタントのように使ってはいけない。
自分の部下と同じレベルで業務をこなしている限り、チームの生産性は上がらないし、優秀な部下、次のマネージャーも育たない
◾️チームの仕組み作りで必要なこと
安全な場づくり
チームのゴール設定
パフォーマンスの評価
人材の育成
チームの代表として働くこと。
はっきりしたチームのゴールがあるから、仕組みが生まれる。どういうアウトプットをするのか、みんながどういう風に働いたら結果が出るのかということを判断しならないマネージャーはチームメンバーのアウトプットで評価されるもの続きを読む投稿日:2024.04.11
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