この作品のレビュー
平均 4.4 (70件のレビュー)
-
町ネズミのガンバは、友達のマンプクに誘われ港で行われるネズミのパーティにー行く。
船乗りネズミ、港ネズミたちとの盛り上がったパーティーの終わりの頃、瀕死のネズミ、忠太が助けを求めに来る。
忠太は夢見が…島のネズミ。数年前まで平和だった島にイタチたちが住みつき、仲間のネズミたちは次々狩られ、残ったネズミたちは隠れ暮らしを余儀なくされているという。
忠太が口にしたイタチのリーダーの名前を聞いたネズミたちは色めきたつ。
「白イタチのノロイ」
それはふだんは個別に暮らすイタチをまとめる統率力と、魔術のような技と話術で小動物たちをを骨抜きにして次々に狩っては食い殺す恐ろしい相手だった。
ノロイとは闘いたくないとその場を去るネズミたち。
だがガンバは忠太と共に船に乗る。
そして数匹のネズミたちも密航していた。
こうしてリーダーに選ばれたガンバは15匹の仲間たち、マンプク、ヨイショ、ガクシャ、イカサマ、シジン、イダテン、アナホリ、カリック、バス、テノール、ジャンプ、バレット、ボーボ、オイボレ、そして忠太と共に島へ向かう。
それはノロイと闘うというよりも、島ネズミたちと運命を共にするための旅だった。
島に着き、隠れ住むネズミたちと合流したガンバたちは、島に残っている唯一のネズミの隠れ場所、海辺の崖の洞穴に籠る。
環境の違う島ネズミたちとの交流や確執を経て、ガンバたちは島ネズミが無事に暮らせる方法を考えてゆく。
ある晩ノロイに引き連れられたイタチたちがネズミの洞穴に向かい並び立つ。
腹を空かせ閉じ込められているネズミたちの耳に、魔の誘惑のように奏でられるノロイの声。
それはネズミたちとイタチたちとの四夜に渡る闘いの始まりだった。
===
昔アニメ番組をやっていたときは見ていなかったのですが、話もキャラクターも面白く、今からでも見るべき作品ではないかと思った。
アニメでは「ガンバと7匹の仲間たち」でしたね。さすがに15匹は多かったか。
最近3Dアニメ映画化されたようで、6歳の次男が予告で「みたい」と興味を持ったので、「それより読もう!」と本を借りてきた…んだが、結構長くて私が音読してったので、かなり時間がかかってしまいました。
しかし文章はかなり読みやすく、描写も素晴らしく、展開もドキドキわくわくと、大人が読んでも完成度の高い児童文学です。
名前だけで特技が分かるようなネズミたちの個性と作戦、町ネズミのガンバが初めて海を見たときの感動、島に着いた時ののどかな風景から島ネズミを探すための過酷な旅、ノロイの怖ろしくも妖しい存在、そしてネズミたちとイタチたちの最後の死闘。
挿絵が動物絵でおなじみの藪内正幸なので、登場人物(動物)たちの特徴をよく捉えています。
シリーズで前後の話もあるようで、読んでみたいと思いつつ、もっと長い文章を私が音読するのはちょっと大変だな~~と考え中。
P85~
ヨイショの声にガンバはそろそろ目を開けてみました。ペンキを塗ったばかりの甲板が、太陽の光を浴びて真っ白に光り、まだ雨がすっかり乾ききっていない部分はキラキラ光を反射していました。 (…中略…) その向こうに鉄の手すりが船を取り囲んでおり、さらにその向こうに…、ガンバは手すりの向こうにあるものを見たとき、突然バネ仕掛けの人形のようにぴょんと飛び上がると、今度は酔っ払いみたいにふらふらしながら舷側に近づいていきました。そしてベンチの下に入ると、右手を軽く上げ、遠くを指すような格好をしながら、
「海だ!」
と、ため息交じりにつぶやきました。
(…中略…) ヨイショがまた言いましたが、ガンバはやはり口を半分明けたまま海を見つめています。やがて、心地よい潮風が潮の香りを運んでガンバをやさしく包むと、ガンバはまたしてもぴょんと飛び上がり、ヨイショの止めるのも聞かず、人間の足の間を走り抜け揚錨機の近くまで走って行きました。そして追いついてきたヨイショを見ると、目の前に広がっている海を見て
「これも海か!」
と怒ったような震え声で言いました。
「ああ、これも海だ。」
ヨイショが答えました。ガンバはまた走りだし、舳までいくとまたまた目の前に広がっている海をじっと見つめ
「これも海か!」
と、泣き叫ぶようにいいました。
「ああ、これも海だ。」
するとまたガンバは走りだし、今度は舷側に沿って横目で海をにらむようにしながら、一気に艫まで走って行くと、ハアハア息を切らしながら
「これも全部海か!」
と言いました。
「ああ、これも海だ!」
ヨイショもできる限りでかい声を出して応えました。ガンバは肩を震わせながら座り込んでしまいました。船の通った跡が一筋の黒い青色になり、その上をカモメが数十羽すいすい飛び回り、時々さあーっと海に飛び込んでは魚をくわえ、また飛び上がっていました。あとはどこもかしこも海と空だけでした。続きを読む投稿日:2016.03.01
情景描写がとても凄くて自分もガンバたちと一緒に冒険しているような感覚になれるのが大好きです。
私はこの本を読んで読書の楽しさに惹き込まれて行ったので色んな人に読んで欲しいです!
投稿日:2024.06.02
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。