東日本大震災 石巻災害医療の全記録 「最大被災地」を医療崩壊から救った医師の7ヵ月
石井正(著)
/ブルーバックス
作品情報
東日本大震災で最大の犠牲者を出した石巻市は行政や医療機関も機能がマヒし、「石巻医療圏」22万人の命は宮城県災害医療コーディネーターである著者に託された。状況不明の避難所300ヵ所、いつまでも減らない大量の急患数……かつてない巨大災害に、空前の大組織「石巻圏合同救護チーム」を指揮して立ち向かい、地域の医療崩壊を救った一外科医の思考と決断のすべて! (ブルーバックス・2012年2月刊)
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商品情報
- 著者
- 石井正
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- ブルーバックス
- 書籍発売日
- 2012.02.20
- Reader Store発売日
- 2015.06.26
- ファイルサイズ
- 40.4MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (42件のレビュー)
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今できることは?
「実は災害救護活動で最も重要なのが、救護活動を支えるロジスティック(後方支援)なのである。」必要な業務は救護チームの登録と抹消、毎日更新されるアセスメントデータの管理と維持、各避難所の症状日報と受信者…数などのデータ整理、支援物資の管理と配布などなど。
阪神・淡路の教訓から災害発生から48時間以内に活動できる専門的な訓練を受けた災害医療派遣チーム「日本DMAT」が誕生している。その基本対応はCSCATTT、C(災害医療の指揮統制)S(救助者を含めた安全)C(効果的な情報伝達)A(医療ニーズや活動の評価)と言う指示命令系統が確立してようやくTTT(トリアージ=患者の優先順位付け、治療、搬送)ができる。ボランティアにしても自分の面倒(食事や宿の確保)を見られない者は邪魔になるだけで、石巻のケースでは被災後2週間しか経ってないのに到着したばかりで酒盛りをしたボランティア集団もいた。
「災害現場の第一線に立つ実務者どうしが、お互いに顔がわかり、密接に連携できる関係でなければ、災害発生時に何の意味も成さない」石巻では災害発生時の担当者をあらかじめ名指しして責任を持たせることで実際に使えるマニュアルを作っていた。さらには一民間病院ながら消防、警察、自衛隊、海保の実務担当者と会合を重ねた。この結果を地域防災計画に反映する前に震災に見舞われたのだが、このネットワークが情報共有に力を発揮した。
「HELPの声が聞こえない、見えないのはそのこと自体が『HELP』のサインと捉えるべき」情報は向こうからやってこない。力ずくでもアセスメントを優先し全体の状況を把握することが優先だった。
Googleの取り組み、必要な情報が何かを決めてから集めるのではなくとにかくあらゆる情報を集める。集まった情報をどう処理するかにかけてはGoogleはプロで、アセスメントデータを整理し時系列で並べ替えるソフトを無償で構築し提供した。現場にいなくてもできる支援はいろいろあるということだ。
山積みの支援物資は仕分けのプロに任せた。石巻市は佐川急便の職員を動員し、支援物資の配給システムを構築した。行政がやるべきなのは物資の中継地点を決め、誰に頼むかを決め、官僚機構が行動を邪魔するのを防ぐことのようだ。だから平時の事前準備が重要になる。
災害救護の現場に必要なのは、次々に現れる問題に際し、「こうあるべき」とか、「誰がやるべき」などという「べき」論を唱えることではなく、「どうするか」「どうしたらできるのか」と救護者ひとりひとりが知恵を絞り、みなで協力して実現可能な解決策を生み出すことである。
http://news.yahoo.co.jp/story/151
さて、では今熊本支援でできることはと言うと募金かな。続きを読む投稿日:2016.04.17
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ようやく・・・
6年過ぎてようやく読めた本です。
あの日、医療の現場で起きたこと、出来たこと、出来なかったこと、データとともに書かれています。
混乱の中、自分たちができることをやる。ただ、それだけのことが、どれだけ…難しいことなのか。
東日本大震災以降も地震はおきています。
「その時」が来た時に、自分自身に何ができるのか、自問自答しています。
続きを読む投稿日:2017.03.05
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