サッカー選手の正しい売り方 移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、儲けられない日本のクラブ
小澤一郎(著)
/KANZEN
作品情報
サッカー選手の正しい売り方
―移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、儲けられない日本のクラブ―
長友佑都(インテル)、香川真司(ドルトムント)、長谷部誠(ヴォルフスブルク)、内田篤人(シャルケ)、宇佐美貴史(バイエルン)、岡崎慎司(シュツットガルト)、家永昭博(マジョルカ)、宮市亮(アーセナル)、松井大輔(ディジョン)・・・・・・etc
総勢20名以上の日本人選手が欧州のトップリーグに在籍するようになった現在、かつてないほど日本の選手獲得に欧州クラブの目が向けられている。スポーツ紙が嬉々として報じる海外移籍ラッシュは日本代表の強化、選手の成長という面で歓迎すべき面がある反面、諸手を挙げて喜んでばかりはいられない面もある。
それが「0円移籍」という問題だ。
実に半数以上の日本人選手が移籍金(違約金)0円で欧州のクラブに獲られている。
ただでさえ厳しいJリーグのクラブ経営という観点から見れば、大切な商品である選手がタダ同然(育成費は発生する場合がある)で移籍してしまうことはまさに死活問題となる。
なぜJクラブは相次ぐこの事態を阻止できないのか? クラブを救う手立てはないのか?
移籍市場は、したたかな者が勝つビジネスの「戦場」である。海千山千の欧州クラブと対等に移籍ビジネスを行い、Jクラブの利益を守るためには、まずは欧州のスタンダードを熟知し、「戦略」を立てなければならない。
否応なしにグローバル化する移籍市場のなかで、海外・国内問わずサッカー選手の「正しい売り方」を模索していかなければ日本サッカーの未来は危うい。
日本サッカー、Jリーグがさらに発展していくために、我々は何をするべきなのか?
移籍ビジネスの内情を解き明かすとともに、海外・国内移籍の最新事例を検証しながらJクラブ、選手がよりよい未来を築くために必要な移籍戦略について考察していく。
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この作品のレビュー
平均 4.3 (15件のレビュー)
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Jリーグが20年を迎え、これからどう進んでいくのか。
切り離せない問題なのが、選手の移籍やGM制度の不備…。
筆者は、
●日本人選手以外も「育てて売る」
●アジアのトップリーグを目指す
●欧州に合わせ…たシーズン、契約期間の導入検討
●代理人文化の醸成…などを提言。
変わっていくものを追いたいよな。続きを読む投稿日:2012.02.27
このレビューはネタバレを含みます
サッカー代理人は転職エージェントに似てる側面があるな。
レビューの続きを読む
転職が成功した場合、転職した職場の給料のx%を得る。
ただ、サッカー代理人は次の移籍先のみならず、基本的に選手のキャリア全体を見る点が異なるから…より長期的に、戦略的に考える必要がありそう。
以下、気になった文を本文から抜粋。
エスパルスは、株主、ファン・サポーター、スポンサー、選手、スタッフなど多くの人々に支えられており、FIFA規則に則らない今回の移籍手続きを認めることは、こういった皆さまに対する責任放棄であり、できないことであると考えております。
→クラブも株主が最初に来る。
当初からチェゼーナとFC東京の間では次のステップとしての「売り手」がイメージされており、その売却先が見つかった場合にチェゼーナが買取りオプションを行使して売却。そこで得た移籍金の何割かがFC東京へ買取りオプション代として支払われる取り決めがあったというのがこの長友の移籍例に見るFC東京の移籍戦略の概要だ。
→チェゼーナをトランポリンクラブとして、インテルからお金を得る移籍スキーム
代理人というのは日常的に 「いかにして選手の価値を創り 、そして上げるか 」を考えている 。
クラブにもエ ージェントにも 「選手を飼い殺しすることが最大の利益損失 」という考えがあることは見逃せない事実だろう 。選手の価値を高める 、移籍金を上げるためには選手がピッチ上でいいパフォ ーマンスを出していなればいけないのは誰の目にも明らかである
監督が簡単に変わると選手にとってリスク
→ 中田浩二の例
→チェルシーなど、監督が頻繁に変わるチームに移籍することは選手にとってリスクなのでは?続きを読む投稿日:2020.11.04
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