日清・日露戦争をどう見るか 近代日本と朝鮮半島・中国
原朗(著)
/NHK出版
作品情報
なんのために、戦ったのか。
近代日本の戦争を大胆に読み直す。
明治日本がおこなった日清・日露戦争の本質はどこにあるのか。ともに、朝鮮半島が戦場となり、戦争の目的も朝鮮の支配だったこの二つの戦争は「第一次・第二次朝鮮戦争」とも呼ぶべきものではなかったか――。日清・日露から第一次世界大戦まで、近代日本の戦争を朝鮮半島・中国との関係を中心に大胆に読み直す。現在まで引き続く日中韓の歴史問題の原点が理解できる一冊!
[目次]
序章 近代日本の戦争について
第1章 日清戦争―「第一次朝鮮戦争」
第2章 日露戦争―「第二次朝鮮戦争」
第3章 韓国併合と対華二十一カ条要求
第4章 「世界大戦」―その影響
終章 次の「世界大戦」―その予兆
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
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坂の上の雲では語られなかったこともある
始まりは岩倉使節団と征韓論だろうか、久米邦武の記録を読むと使節団はアメリカとヨーロッパで国力の差、技術力の差を見せつけられながらも、小国ながら武力に優れたベルギーや、スイスに感銘を受けていた。一方留守…政府では朝鮮を武力を背景に開国させようとする征韓論が帰国した使節団により止められ内戦の原因になった。日本は清と対等な条約を結んだことによって清を宗主国とする朝鮮には有利な立場になった。欧米の大国の後を追いかける日本は朝鮮半島と台湾を影響下に入れようとしていった。日清戦争は朝鮮半島を日本の支配下にすることが目的であり、日露戦争も同様でこれは第一次朝鮮戦争と呼ぶべきものであったと言うのがこの本の骨子となる。
大久保利道は士族の反乱を抑えるため、宮古島島民遭難事件をきっかけに台湾に出兵した。今の中国と同じようなことをしているのだ。ついで日朝修好条規で朝鮮を開国し清と朝鮮の冊封体制を崩していった。朝鮮国内にも冊封を維持しようとする守旧派と日本に習って開国しようとする開化派が対立していた。いわゆる東学党の乱をきっかけに日本は朝鮮に派兵し、朝鮮政府に清との宗属関係を破棄する様に要求した。ついには1894/7/23日本軍は朝鮮王宮を占拠し朝鮮軍を武力解除した。事実上の日朝戦争があり、朝鮮に日本の傀儡政権が置かれたのが日清戦争直前の状況だ。
明治政府の対外政策の基本的な姿勢は欧米には徹底的に丁寧に、清と朝鮮には徹底的に弾圧的にだったと言う見方ができてしまう。中国の反日教育のイメージと重なってしまうところなのだが。欧米との不平等条約を改正した陸奥宗光は日本から見れば優秀な外交官だ。しかし、その陸奥が日英通商公開条約の締結直後に朝鮮への最後通牒をしたことに触れ、要は日清戦争は自分と伊藤博文の二人で決めたと書き残している。計画通り戦争を仕掛け、勝ち、講和条約を結んだとの印象を受けるそうだ。三国干渉による遼東半島撤退も二人で決めたと。
講和条約交渉中も日本は休戦に同意しなかった。その講和条約の第1条は朝鮮国の独立、そして賠償金は4年分の財政収入に匹敵した。これが後に日露戦争での講和で賠償金を取れず日比谷焼き討ち事件などの遠因にもなったのだろう。また第6条で清国内で工場を作り輸出する権利を得たのが清にとっては大きく最恵国待遇の欧米各国にも同条件が自動的に付与された。当時すでに日本からの経済上の賄賂だったとの批判があった。そして清国は欧米に切り取られていく。元々あった親中感情はこの戦争でむしろ軽蔑や憎悪に置き換わり、欧米への畏敬の念は強まった。そして当時は反戦感情もなかった。
日露戦争のきっかけはロシアが南下し満州から約束した撤兵をしなかったことだ。日本はロシアの満州鉄道権益を認める代わりに韓国の保護国化を認めさせようとしたが、ロシアは満州権益だけでなく、韓国の自主独立と領土の軍事的利用の禁止を求めた。まあどっちもどっちと言っていいだろう。
日露戦争中に日本は実質的に韓国を支配し1910年に韓国を併合した。今の中国が南シナ海でやってることと変わらない。ついで2015年に対華21箇条要求を突きつけた。第一次世界大戦で欧米のアジアへの関与が薄れたところを狙って露骨に中国への権益を要求し、のませた。5/9は中華民国では国恥記念日とされたが100年後の今年も大きく取り上げられることはなかった。日本外交の侵略性の象徴とも言える出来事は中国の弱腰外交の象徴とも言えるので排日運動の五四運動の方が表に出しやすいのかもしれない。
続きを読む投稿日:2015.11.02
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日清・日露戦争、一次大戦、大東亜戦争など、
日本にとっては「朝鮮」の取り合いだったのか。
ある意味では面白かった。投稿日:2019.03.27
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