インフレどころか世界はこれからデフレで蘇る
中原圭介(著)
/PHP新書
作品情報
異次元の金融緩和によって株価は上昇し、日本経済は回復軌道に乗ったようにもみえる。リフレ派の経済学者は「世界標準のインフレ目標政策を導入せよ」と合言葉のように叫んできたが、恐ろしい副作用がすでに起こっていることをご存じだろうか。そうした「世界標準」を採用しているアメリカが直面しているのは、インフレ政策のもたらした凄まじい格差拡大だ。株式をもつ富裕層がさらに豊かになる一方で、庶民は物価高に苦しみ貧困層寸前にまで追い込まれている。しかしその現実が日本では報道されない。しかも東日本大震災以降、貿易赤字が恒常化するなかで、これ以上の円安進行はほんとうに国益になるのか。アメリカの惨状、日本の現状を細かく分析しながら著者は結論づける。「現実が変わっても、経済学者の理論はまったく変わらない」。そもそもデフレはどこまで「悪」なのか。100年スパンの経済分析が教えてくれるのは、デフレ下でも9割の国が成長していたという歴史的事実だ。それでも政府・日銀がインフレに舵を切るなかで、驚くなかれ、世界経済は「デフレによる繁栄」へと向かっている。 「シェール革命」という大変化を切り口に、そうした世界経済の行方を読み解く著者の視点は圧巻かつ斬新である。そこでわが国はいかなる成長戦略を考えるべきなのか。リーマン・ショック、欧州経済危機を的中させたカリスマエコノミストが見通す10年後の未来。
もっとみる
商品情報
- 著者
- 中原圭介
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2014.01.15
- Reader Store発売日
- 2014.02.28
- ファイルサイズ
- 3MB
- ページ数
- 224ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (3件のレビュー)
-
やはりデフレになるのか?
アベノミクスノおかげで株価が上昇したせいか
最近リフレ派と呼ばれるインフレ論者の反対論者がTVから見られなくなったように思います。
最近じわじわと株価が下がってきた感もあり今後どうなるかと思い本書を…読みました。
非常にわかりやすく読みやすい著作だと思います。
ドルと円の構造的違いを考慮せずアメリカに倣ってのインフレ政策が日本経済に効果がないこと
円安より円高のほうが国益にかなうこと
今後は、アメリカ発のデフレ経済になること
これらのことがわかりやすく述べられています。
これからの経済の流れの参考にはなると思います。
続きを読む投稿日:2014.05.03
-
デフレは悪い、と世間で言われることがありますが、インフレなら良いのでしょうか。デフレが良いと明確に宣言して本を書いているのは私の知る限りでは、増田悦佐氏とこの本の著者である中原氏です。
特に中原氏は…、シェールガス革命を重要視していて、それを手掛かりにアメリカは回復するという見方をしています。
一方日本では、アベノミクスという「インフレ政策」が進行中で、永らく続いたデフレを脱却することを目標としているようです。
今の戦略が一部の人だけではなく、多くの日本人を幸せにできるよう信じたいものですが、現時点では、いろいろな見方・考え方を学んでおきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・現在のアメリカは、物価上昇率が賃金上昇率を上回る「悪いインフレ」の典型である(p5)
・輸出で稼ぐ国(新興国、途上国、中東諸国など)がドルに連動する通貨政策を採っていることも、基軸通貨をもっている国の強み、アメリカは借金とすればするほど得をすることになる(p17)
・欧州ではインフレを忌避する政策を採用しているドイツのみが独り勝ちとなっている(p21)
・インフレ経済のアメリカでは、預金の目減りを防ぐために株式が買われて、その結果、株価が上がっていく構造になっている(p25)
・日本のGDPは主要先進国と比べて、帰属家賃・政府支出など、民間の経済活動とはかけ離れた部門の比率が高い(p40)
・日本が世界でいちばん物価が高かったのは、20年前の話、アメリカのほうが家を借りるにしても食事にするにしても日本より高い(p43)
・アメリカが定めている貧困層は、4人家族で持ち家ローンが残っていて、世帯収入が2.6万ドル以下(p43)
・経営者は需要が見込めるときに設備投資する、低金利だから設備投資するわけではない(p64)
・製造業が海外拠点を決めるときに、重要視するのは、人件費とエネルギーコスト(p77)
・流動性の低いウォンは、ドルや円と異なり、通貨当局の為替介入によって価格操作がやりやすい(p80)
・日本において給与所得者の平均年収が下落し始めたのが98年、消費者物価指数が下がったのが99年、デフレは原因ではなく結果である(p89)
・過去10年間のユーロ圏の国々の労働者の賃金が20-40%上昇したのに対して、ドイツはほぼ横ばいだったので、ユーロ圏でのドイツのコスト競争力は強くなった(p110)
・世界経済の歴史をさかのぼれば、デフレ時代のほうがインフレ時代よりもずっと長い、平和な時代はデフレが通常の経済状態(p116)
・アメリカのエチレン生産能力は2020年までに800万トン増える、日本での1年間の生産量は700万トン、シェールガスを使って生産するエチレンは、従来の石油の10分の1以下のコスト(p162)
・アメリカの貿易赤字の50%程度は、エネルギー(原油、天然ガスなど)の輸入によるもの(p166)
・エネルギー供給過剰による物価下落について歴史的にみると、物価の下落が先で、それを受けて労働者の賃金が下がる(p178)
・日本の成長産業になりえる分野は、農業・観光・医療、の三分野である(p184)
・インテルが賢かったのは、収益源となるMPUの独自技術を公開しないために、関連機器などとの接続はオープンにして自社製品の普及を促す戦略へと切り替えた(p200)
2014年5月5日作成続きを読む投稿日:2014.05.05
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。