避難弱者―あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?
相川祐里奈(著)
/東洋経済新報社
作品情報
東日本大震災時、福島第一原発から30km圏内の老人ホームは、住民の避難から取り残されてしまった。ライフラインもなく、通信手段が遮断された中、職員と入居者は、続けざまに原発が爆発する音を聞く。多くの職員が放射能の影響に関する情報を得ることができず、不安を抱えて一斉に施設を後にすることを余儀なくされる。
取り残された入所者は避難が遅れるに伴い、寒さの中で目に見えて衰弱していく。老人ホームに留まり、なんとか手探りで避難の糸口を見いだそうとする職員の努力もむなしく、高齢者は避難途中や避難直後に立て続けに亡くなってしまう。避難したくてもホームだけの力では移動手段も受け入れ先も確保できない状況。そこには、放射能の恐怖と戦いながら不眠不休で入所者の命を守ろうとした職員たちの奮闘と葛藤、苦渋の決断があった。
レベル6の原発事故に直面し、手探りの中で入所者の命を守るために奮闘した介護士の決断と葛藤を赤裸々につづったノンフィクション?ドキュメンタリー。世界でもっとも高齢化の進む日本に突きつけられた重い命題へのヒントにあふれた一冊。
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この作品のレビュー
平均 3.8 (5件のレビュー)
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福島第一原発が水素爆発したとき、周辺の高齢者福祉施設ではどのような事態が起こっていたのか。「原発事故で亡くなった人はいない」という失言をした政治家がいたが、実際にはこの事故がきっかけとなって避難や慣れ…ない土地での暮らしを余儀なくされ、結果的に命が短くなった方々が大勢いた。
デイケア、養護老人ホーム、特養、、普段の自分の生活から聞き慣れない施設名が並び、これら高齢者福祉施設での活動が暮らしから乖離している事実に気づく。そして原発があったからこそ、その地域に多くの高齢者福祉施設が建てられた現実がある。そこにいる高齢者たちは、生活するにも介助や支援が必要である生活弱者であり、さらに緊急時に避難をする際には“避難弱者”となる。
高齢者福祉施設に勤務する人たちは、あの日、大地震と津波、そして原子力発電所の事故という過酷な状況に遭遇し、自らも家族が行方不明になる等の被災者であったが、“避難弱者”である入居者たちに寄り添い、二転三転する避難先で衛生状態悪化や物資不足に苦慮し、最終的に受入先を見つけるところまで奔走した。
一方で高い放射線量を計測しながらも、高齢者を無理に移送する方がリスクが高いと国や自治体の命令を無視して残った施設もあった。果たしてどちらが正しい選択だったのか、我々がその場に居合わせたとしてもそれを判断できる自信も根拠もまったくないだろう。
高齢者福祉施設に入居している方々にとって、国や自治体の勧告にしたがって安全なところまで避難し続けることは、別の見方をすれば見知らぬ土地で赤の他人に迷惑をかけ続けるということである。人間にとって、住み慣れた故郷で人生を全うしたいと想うことも、尊厳を満たす考え方である。
人道か尊厳か、命の軽さか重さか、避難か故郷か。非情なる現実のルポを通じて、人間の生き様と業が垣間見える。続きを読む投稿日:2013.11.12
読売新聞の元記者で、国会事故調の調査員となった方の本。原発事故が起きたのち、双葉郡にあった老人ホームでどんなことが起きたのかが記されています。介護やケアをしている人の視点から書かれた一冊です。
投稿日:2020.07.25
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