この作品のレビュー
平均 4.1 (55件のレビュー)
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「采配」のあとに読んでみては
この本は落合氏の「采配」の前著にあたるのですが、あちらが多数レビューがあるにもかかわらずレビューがまだないので書いてみます。なるほど読んでいると「采配」は監督という立場で書かれているのに対し、本著はコ…ーチという立場で選手を育て指導することについて書かれているためテーマが地味になるし、それゆえに「采配」よりはビジネス書としての性格が強くなっているのがレビュ-数の差なのだろうな、と思いました。やはり私も含めて野球ファンというのはゲームとして、この選手をこう動かすといった具合に監督目線で野球を楽しもうとしますから。
この本が「采配」の前著にあたり、「采配」の中でも「コーチング」で書かれたことを前置きした上で話をすすめているので「コーチング」→「采配」の順に読むべきと思われる方が多いかもしれませんが、私の場合はその逆に読みましたが結果的にそのほうがよかったと思います。というのも「采配」の中で長嶋茂雄監督のことをネガティブ思考の塊だと書かれていましたが、私はあれだけの采配をする自信のある人がネガティブなわけがないだろう、と思っていました。ところが「コーチング」中にさらにこのことを発展させて書いてあって、実はネガティブ思考というのはまず最悪のケースを想定して(試合でいえば負けること)、それを回避する手を打っておけば、後は勝ちだした時にその勢いに乗っていけばいいということでした。どうやら私はネガティブ思考の意味を間違えていたと気づかされた瞬間であり、目からウロコのような体験でした。この理由の他に「采配」の方が野球ファンを楽しませる内容が多く入りやすいので私は「采配」のあとに本書を読むことをおすすめします。
それにしても落合氏、誤解されすぎでは。私の周囲にも落合嫌いだという人もいますが、これほどシャープに考えられ、氏の野球で培ってきた考え方はビジネスや一般社会にも広い範囲で応用がきくし、私自身には嫌う理由がないのですが...。
続きを読む投稿日:2014.01.19
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【概略】
選手として、また監督として申し分のない実績を持つ筆者の他選手に対するアプローチの仕方、それは「コーチング」という言葉に適合するものだった。本書では、筆者がプロ野球選手となり三冠王といった実…績を積んでいく当時の様子・考え、そして臨時コーチといった指導する立場に至るまで(中日監督就任以前)の指導・指導者・選手としての心構えや練習への取り組みをまとめた一冊。落合「監督」のオリジンと言える一冊。
2016年05月25日 読了
2023年05月10日 読了
【書評】
落合博満さんは、実は喜餅が最も好きなスポーツ選手の一人だったりする。(大変失礼な言い方でごめんなさい)凄いイケメンではないけれど、ロッテ時代の練習の様子や、バッターボックスに立っている姿を見て、なぜか「かっこいい・・・」と思ってしまうのだよね。そして考え方や物事への取り組み方を知って、もっともっと好きになってしまった(元)選手。今も落合さんの YouTube チャンネルを定期的に観てしまう。
そんな落合さんの書いた「コーチング」というタイトルの本。久しぶりに手に取ってみた。やはり今週末の講演関連で。
少し大袈裟な言い方かもだけど、時代が落合さんに追いついてきたよね、やっと。「契約」という考え方をしっかり守るスタンスであったり、必要以上に所属するチームにこだわらないという考え方から商品として(チーム等のブランドではなく)「自分の名前」を大事にする感覚であったりとか。その口数の少なさであったり端的な物言いから一部のマスコミの印象操作が甚だしかったけれど、ちゃんと話を聞くとしっかりスジが通ってるのだよね。論理的。当時 YouTube があったら、(選手時代は絶対にやらなかっただろうけど)個人チャンネルを運営していたら、違った世界線ができてたと思う。いや、むしろ、世間の当時の価値観が変わらない限りダメだったかな?
さて本書では、他者への指導という側面と、自身との向き合い方という側面から成り立っている。中日の監督時代、感情を表に出さずベンチでじっと座るその姿勢に至るマインドが本書では書かれている。
他社への指導という側面、この箇所こそザッツコーチング!だと思うのだけれど、教えるのではなく見守るという感覚が凄く強いのだよね、落合さん。「その選手の練習をずっと見続けろ。コーチが先に帰るな」なんて、中日の監督時代にコーチに対して出した命令の一つだものね。そして答えではなくヒントを出す感じ。魚を与えるのではなく釣り方を教える・・・じゃなく、釣り方を編み出せるようヒントを出すそうな。これ、本当に自分にとっては難しい。つい、言っちゃうのよね。
また指導をするにあたり注意すべき言葉を送球に見立てて、やってはいけない悪送球という形にして列挙している。たとえば「そんなことは常識だ」「なんだそんなこともわからないのか」など。面白いのは指導される側(若手)にもこの悪送球がある点。「言われなくてもわかってる」というものは、部下の立場からすると控えたほうがいいそうな。本書では「打撃がセンター返しが基本」の「センター返し」をトピックに語られている。なぜセンター返しが基本になったのか?という点を、ほぼ無視されることが多く、(若手からすると「センター返しが基本」という文言のみ)「言われなくてもわかってる」と語られるそうな。一番大事なのは「なぜ」センター返しが基本なのか?なのに、その重要な点がこの「言われなくても・・・」で語られることがなくなってしまうという。
自身との向き合い方、ここではプロ野球選手として、日々をどう向き合っていくとよいか?どういったマインドセットで考えていくとよいか?という落合さんの考えが語られている。自分にとっては「結果」というものに対する考え方、参考になったね。三振という結果だけを見るのではなく、そこに至るプロセスで納得するしないを考える、ホームランだったとしても喜ぶべきものか悔しがるべきものかは、その過程にあるということ、それがそれ以降の打者としての自身の肥やしに還元されていくという点、深いよ。
自身が選手として大成しているにも関わらず、自身の練習法であったり考え方を絶対的なものとしていないバランスの良さもすごく感じる。その、良い意味で冷めた感じが、スポーツ選手=熱いヒーロー像の価値観が強かった当時からすると、受け入れられにくかったのかもね。落合さんご自身もそれは面白おかしく「星野さんは(ナベツネさんから)政治家に向いてると言われてた。俺は無理だ」なんて言ってる。
これからの時代、今までに自分の中で「普通」「常識」とされてきたものが大きく壊れていく可能性が高い。そんな中で何を軸にしていくのか、どこを変えていくのか、また他者に対して助言・アドバイスをしなくてはいけない立場にあった場合、どのようなアプローチをしていくのか、そういった着眼点に立って読むと、読み応えある本だったよ。野球のことを知らない人でも楽しく読めると思う。ビジネス書としても水準の高い一冊だと思った。続きを読む投稿日:2023.05.11
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