リフレはヤバい
小幡績(著)
/ディスカヴァー・トゥエンティワン
作品情報
リフレとは、インフレをわざと起こすことである。リフレ政策は、2012年12月の衆議院解散総選挙で、デフレ脱却のためにリフレ政策をとることを公約に掲げて、安倍自民党が総選挙を圧勝したことから、一躍、一般にも有名になった。しかし、これは最悪だ。善意で主張した政策が、誤った政策だからだ。しかも、それが国民に受けている。彼は、さらに正義感を強め、日本のために、自分を犠牲にしても、リフレ、インフレを起こすことを主張するだろう。誤った政策を実現するために。しかし、リフレは、最悪である。日本経済が崩壊する可能性があるからだ。なぜなら、リフレが国債を暴落させるからである。国債が暴落すれば、国債を大量に保有している銀行は、経営破綻に追い込まれる。その結果、金融危機から実体経済の危機へ・・・・・・。たしかに、リフレ政策を取るとハイパーインフレが起きるというのは極論であり、間違っている。インフレを起こせないのに起こそうとするリフレ政策をとることが問題なのだ。インフレが起きないのに、インフレを起こそうとすれば、歪だけが蓄積する。その歪が、副作用という言葉を超えて日本経済を危機に追い込むことになる。本書では、『すべての経済はバブルに通じる』がベストセラーとなった気鋭の行動派経済学者、小幡績慶應ビジネススクール准教授が、リフレ政策においては、どのようなことを行い、それがどういう帰結をもたらすのかについて解説し、その誤りを論破する。まさに、今読むべき、警鐘の書である。
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商品情報
- シリーズ
- リフレはヤバい
- 著者
- 小幡績
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 書籍発売日
- 2013.01.31
- Reader Store発売日
- 2013.02.15
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- ページ数
- 260ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (53件のレビュー)
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リフレ政策がもたらす国債の下落と円安への警鐘
本書は、リフレ政策がもたらす円安と国債の下落への警鐘の書です。
2012年に発足した安倍内閣が掲げる経済政策「アベノミクス」。
これで広く知れ渡ったのが「リフレ」です。
小幡氏のリフレの定義は明…快です。
『リフレとは、意図的にインフレーションを起こすことです』
日銀総裁が金融政策の目標として2%のインフレを掲げているように、リフレはまさしくこの定義の通りです。
そのリフレがなぜヤバいのか?
それは、円安が国債の暴落をもたらし、銀行危機、そして実体経済危機につながる可能性があるからです。
円安から国債の暴落への考えられるシナリオは以下の通りです。
円安がもたらすドルベースでの国債価格の下落が国債の売りにつながり、売って得た円でドルを買うためさらに円安になり、そのためさらに国債が下落する、というように
『円と日本国債の暴落スパイラルが始まります』
そして、国債が暴落すると、国債を保有する金融機関の含み損が増え、それが金融危機につながり、更に実体経済の危機につながる可能性があります。
危機の具体的事例として、1997年の円安と日本の金融危機を例に説明されています。
さて、アベノミクスが始まって1年。
事実として、円安は進みましたが、幸いなことに国債の下落にはつながっていないです。
『円安で注意しなければならないのは、国債価格の下落、すなわち、名目金利の上昇なのです。逆に言えば、これさえ起きなければ、リフレ政策でも何でもやってかまわないと言ってもいいくらいです』
と小幡氏が語るように、今は結果オーライなのでしょう。
しかし、今後、さらに円安が進んだ時には、国債価格の下落には要注意なのかもしれません。
最後に、一言。
「ヤバい」、「暴落」、「危機」という言葉のイメージとは裏腹に、本書の内容はいたずらに不安をあおるようなトーンではなく、経済学と歴史的事実をもとに冷静に論を進めており、また、円安に頼らない日本のとるべき戦略なども語られており、参考になります。
続きを読む投稿日:2013.11.01
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安倍内閣が発足して1年。アベノミクスのリフレ政策を批判している小幡氏の主張はこうだ。
リフレは国債を暴落させる。
まず金融緩和で円安が進み、ドル建てで見た場合に日本国債の価値が低下する。次に今後も円安が進むと言うコンセンサスができると合理的な判断としては日本国債を売って米国債を買う。円…売りドル買いなのでさらに円安が進むと言うのが解説だ。ちなみに財政破綻が原因での国債暴落は短期的には起こらないと見ていて、ヘッジファンドの売り浴びせは割安になって買い向かう国内投資家がいるために失敗してきたらしい。
現時点では円は100円近辺で安定しており、長期金利も底辺に張り付いておりすぐに暴落という状態では無さそうだ。
インフレは望ましくない。
デフレスパイラルがあるのならインフレ期待がじつげんするのもあり得るよな、しかしスタグフレーションがあると言うことは景気の循環とインフレデフレの関係はどうなってるんだろうとか考えながら読んでた所でデフレスパイラルは存在しないと来た。デフレの原因は需要不足であり景気が悪いから物価が下がると。通常のデフレスパイラルの説明は企業の業績が下がり、給与が下がるため可処分所得が減り需要がさらに下がる。小幡氏はデフレスパイラルはないと言うが別の所で円安は雇用維持の効果は有ると書いているように企業の業績と雇用の関係は当然あるだろう。デフレスパイラルがないと言うにはちょっと説明が足りてない気がする。
そもそもインフレは起こせない。
金融緩和で起こるのは資産インフレと円安だというのは間違ってなさそうだ。資産効果でじわじわと需要が増えると言う人もいるが、2%のインフレは需要が増えないと無理なのでは。一方円安のためにエネルギー価格などのコストプッシュのインフレは起こるがこれは誰も喜ばない。
現状どうなってるかと言うと、10月の速報でコアCPI,コアコアCPIともにようやく前年同月比プラスになったとニュースになってたが2010年比ではコアCPI100.7に対しコアコアは98.8。ようやく下げ止まったというところだ。しかもエネルギー価格はちゃんと上昇している。まだ1年なので評価には早いかもしれないが景気が回復したと言うにはほど遠い。白物家電が売れだしたと言うデーターもあったが駆け込み需要ならあまり景気回復には関係がない。
と言うことで今のところアベノミクスの成果は株価が昨年末の1万円近辺から5割アップ。為替が80円から100円に上がったが国債は安定。輸出企業の業績は回復し一方でエネルギー価格は上昇。10月の完全失業率は4.0%で有効求人倍率は0.98倍と雇用はやや回復。所得が増えるかどうかはまだまだこれからで評価には早いと。
小幡氏の主張で面白いなと思ったのはこれから人口が減るとフローが小さくなるのは避けられないがストックは減らない。貿易黒字でフローが大きい時代には円安メリットがあったが、ストックが大きい時代にはドル建てで見れば円高の方が得と言う見方。国内需要が増えなければ金は余っても設備投資は海外に向かう。ドル建てで見れば金持ちになってるんだから。まあそう言う見方もあるでしょう。続きを読む投稿日:2014.01.01
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