真実と修復――暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策
ジュディス・L・ハーマン(著)
,阿部大樹(訳)
/みすず書房
作品情報
〈社会のあり方から心的外傷が生じている以上、そこからの回復も、個人の問題プライベートではありえない。個々のコミュニティにある不正義によって外傷が生じているなら、傷を治すためには、より大きなコミュニティから対策を引きだして、不正義を修復しなくてはならない。
回復していく途上、難しい問いがさまざまに浮かび上がってくる。皆の前でこのことを話せるか? 真実を、周りのひとは受け止めてくれるだろうか? この傷は治るだろうか? そのために何を差し出さなくてはならないのか? どうして加害者と同じコミュニティに所属しつづけないといけないのか? 和解は可能か? どうやって? コミュニティはどうすれば現在の、そして将来の被害を防げるのか? この問いに答えるため、私はもう一度、話を聞くことにした。生き延びたものたちの声である。皆のための、より良い正義を求めることのために本書はある〉暴力被害者は何を求めているのか。加害者の謝罪やアカウンタビリティはどうあるべきか。補償や再発防止の具体策は、司法のあり方は。トラウマ問題のバイブル『心的外傷と回復』を継ぐ総決算の書。
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商品情報
- 著者
- ジュディス・L・ハーマン, 阿部大樹
- 出版社
- みすず書房
- 書籍発売日
- 2024.03.19
- Reader Store発売日
- 2024.03.22
- ファイルサイズ
- 1.8MB
- ページ数
- 264ページ
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この作品のレビュー
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このレビューはネタバレを含みます
些細なことかもしれないが、ハーマンは本書の原書で性的暴行の虚偽告発はまれであると、2010年の研究を引いて次のように書いている。
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"... false accusation, but in the matter of sexual assault, such complaints are rare, and concern about them in vastly overblown in the public imagination."
(仮訳)「しかし、性的暴行の問題では、そのような訴えはまれであり、そのような訴えに対する懸念は、世間一般に大きく誇張されている。」
根拠にしている2010年の研究は次のもの。
Lisak, D., Gardinier, L., Nicksa, S. C., & Cote, A. M. (2010). False allegations of sexual assault: An analysis of ten years of reported cases. Violence Against Women, 16, 1318–1334.
ところが性的暴行の虚偽告発についての研究は上の2010年の研究以降も積み上がって、2019年の本
"Handbook of Sexual Assault and Sexual Assault Prevention"の次の章にまとめられている。
Understanding False Allegations of Sexual Assault
William T. O’Donohue
この本では上の2010年の研究について次のようにコメントされている。
"Nonetheless, the methodology used in this study has the fewest limitations of the literature reviewed in this chapter and yet yielded similar false allegations rates to previous studies. However, a significant percentage—nearly 14% were not coded in this study and 45% did not proceed forensically. If any substantial subsample of these were actually false then the rate of false allegations would be significantly higher. Taking these unknown cases out of the equation results in a false allegation rate of 14.3% (8/56)."
「それにもかかわらず、本研究で使用された方法は、本章で検討した文献の中で最も制約が少なく、しかも先行研究と同程度の誤判定率をもたらした。しかし、かなりの割合(14%近く)が本研究でコード化されず、45%が法医学的手続きに進まなかった。もし、このうちのかなりのサンプルが実際に虚偽であったとすれば、虚偽の申し立て率は著しく高くなるであろう。これらの不明事例を方程式から除外すると、虚偽の申し立て率は14.3%(8/56)となる。」
ハーマンの"Truth and Repair: How Trauma Survivors Envision Justice"が2023年刊行なので、性的暴行の虚偽告発については2019年刊行の"Handbook of Sexual Assault and Sexual Assault Prevention"も参照できたはずだが、それをやらずに新しい知見を見なくなったのであれば、研究者の振る舞いとしては残念な気がする。投稿日:2024.02.24
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