なぜヒトだけが老いるのか
小林武彦(著)
/講談社現代新書
作品情報
人間以外の生物は、老いずに死ぬ。
ヒトだけが獲得した「長い老後」には重要な意味があったーー。
生物学で捉えると、「老い」の常識が覆る!
【ベストセラー『生物はなぜ死ぬのか』著者による待望の最新作!】
・産卵直後に死ぬサケ、老いずに死ぬゾウ、死ぬまで子が産めるチンパンジー
・ヒトは人生の40%が「老後」
・長寿遺伝子の進化
・寿命延長に影響した「おばあちゃん仮説」と「おじいちゃん仮説」
・老化するヒトが選択されて生き延びた理由
・ミツバチとシロアリに学ぶ「シニアの役割」
・昆虫化するヒト
・不老長寿の最新科学
・85歳を超えたら到達できる「老年的超越」というご褒美
・老化はどうやって引き起こされるのか
・生物学者が提言する「最高の老後の迎え方」とは ……ほか
「老いの意味」を知ることは「生きる意味」を知ることだった。
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商品情報
- シリーズ
- なぜヒトだけが老いるのか
- 著者
- 小林武彦
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2023.06.22
- Reader Store発売日
- 2023.06.21
- ファイルサイズ
- 14.6MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (31件のレビュー)
-
著者は細胞の老化研究をしている細胞学者。
タイトルの答えは単純に他の生物は老いる
前に搾取される弱肉強食の世界にいるから。
後半は学者の範囲を超え、シニア世代を
どう生きるかを言及しており、正直、
…大衆向けになっており、期待はずれの
内容だった。
続きを読む投稿日:2024.04.07
部活の同級生からの課題図書。読んでみて感想、聞かせて欲しいと。執筆当時59歳の細胞の老化の研究をしている生物学者のシニア論です。なるほど…ヒト以外の生物は老いずに死ぬ…のか。まさに「ピンピンコロリ」が…ほとんどの動物のスタンダードであることを初めて知りました。ヒトだけが死の前に老年期という時間を過ごすようになったことをこの前半で生物学者として、DNAの老化の専門家としてグイグイ語ります。(でも、暮らしの中で目にするおじいちゃん、おばあちゃんの犬はどう考えればいいのか?質問したくなりました。)その老いという時代を、どう生きるべきか?というテーマが後半に繰り広げられます。前半が学問の啓蒙的であるのに対して後半は研究というより著者の試論の様相を呈して来ます。人間ならではの「シニア」という存在に対する「おばあちゃん仮説」「おじいちゃん仮説」ぐらいからちょっとアレレ…って感じに思えます。そこには研究者のライフステージの移行に対する著者自らの問題意識の反映も感じます。本書ではシニアを『生物学的な「年齢」とは切り離して、知識や技術、経験が豊富で私欲が少なく、次世代を育て集団をまとめる調整役になれろ人」と定義づけします。いわく「徳のある人」…ホント?これって定年延長で給料が下がる説明会に集まったおじさんたちの心のモヤモヤを顕在化したみたい…。こうならばいいな、という願望としては理解できます。当事者の願望と社会のニーズがうまくマッチングするためには本書に書かれている以外の新しい仕組みが生まれないと難しいような気がします。死の前の「老い」という季節は個人の意識の問題なのか社会の仕組みの問題なのか?自分の別の友人は「高齢者に出来る社会貢献は消費だけだ!」と嘯いて高額のオーディオ商品買いまくる人もいます。ちなみにこの新書を読んでいる間に買ったばかりのスマホを紛失してしまい1時間ぐらい死んだ気分になりました。幸い直前にいた場所に落ちていて助かりましたが、確実に「老い」に直面してボロくなっている自分に落ち込みました。それがこの本に対する辛口気分の源泉かも。勧めてくれた友人と「老いの過ごし方」談義してみます。続きを読む
投稿日:2024.05.11
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