Reader Store
小説

月光・暮坂 小島信夫後期作品集

あらすじ

かつての作品の引用から、実在する家族や郷里の友人らとの関係のなかから、ひとつの物語が別の物語を生み出し、常に物語が増殖しつづける<開かれた>小説の世界。<思考の生理>によって形造られる作品は、自由闊達に動きながらも、完結することを拒み、いつしか混沌へと反転していく。メタ・フィクションともいえる実験的試み9篇を、『別れる理由』以降の作品を中心に自選した作品集。物語のあらゆるコードから逸脱し続ける作品世界!〇小島信夫 私は、彼女がいなくなると、何か安心したように、いっきょに、たいへんな速さで娘時代から幼い頃へとさかのぼり、そのあたりのところに、自分が停滞するというか、そんな状態に見舞われた。その時代から、ゆっくりと先へ進みはじめ、不意に彼女がカチンと音を立てる。我に返ると、それがほかならぬこの私であった。――<「月光」より>

新刊通知

この作品のレビュー

3件)
1
0
1
0
0

作品情報

ジャンル
:
掲載誌・レーベル
:
出版社
:
Reader Store発売日
:
2019.07.26
書誌発売日
:
2006.10.12
ページ数
:
392ページ
ファイルサイズ
:
0.3MB