深海――極限の世界 生命と地球の謎に迫る
藤倉克則(著・編)
,木村純一(著・編)
,海洋研究開発機構(協力)
/ブルーバックス
作品情報
極限ともいえる過酷な環境で、深海の研究を続けてきた海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者たちが、深海を研究しなければわからない、生物や地球のしくみ、地震との関連や人類との関わりについて解説。深海生物だけでなく、海底下生物、生命の起源、地球外生物にまで及ぶ生命のことから、巨大地震後の海底変動から見えてきた地震のメカニズム、海底の鉱物資源や、地球温暖化との関係など、あらゆる「深海」がわかる1冊!地球の表面積の7割を占める、人類にとって欠くことのできない海。その中でも「深海」は海洋のほとんどを占め、地球には深海を研究しなければわからない、生物や地球のしくみ、地震との関連や人類との関わりが多くあります。人類は水深約1万900mまで到達し、さらに深海の知識が深まり、重要性が明らかになってきました。海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、極限ともいえる過酷な環境で、困難も多い深海の調査を続けてきました。実際に調査船に乗り、現場でサンプルやデータを研究者や技術者が執筆した、臨場感あふれた深海研究がわかるのが本書です。第1章では、光も届かず、エネルギー源も少ないと思われる深海の生物について、「しんかい6500」がたどった水深6300mでの調査の様子をまじえて紹介します。深海の生物だけではなく、さらに厳しい環境の海底下2.5キロの生物研究までにも迫り、深海研究でわかってきた、生命起源と地球外生命についても解説します。第2章では、巨大地震の発生メカニズムに迫る深海研究に迫ります。調査船で、水深7000mの海底から海底下1000mを掘削して、地震を起こした断層からサンプルを得た様子を交えて、巨大地震で何が起きたのかなどについて解説します。第3章では、水産資源、鉱物資源と温暖化などを軸に人類が深海からどのような影響を受け、また今後受けつつあるのか、を解説します。2013年と2017年、国立科学博物館において開催された深海をテーマとした特別展には、60万人超の来場者があり、深海への関心が深いことがわかりました。その内容を科学的にさらに深く掘り下げ、深海からわかる地球、生命、人類の存続に関わることが理解できる1冊!
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商品情報
- シリーズ
- 深海――極限の世界 生命と地球の謎に迫る
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 環境・エネルギー
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- ブルーバックス
- 書籍発売日
- 2019.05.16
- Reader Store発売日
- 2019.05.15
- ファイルサイズ
- 46.1MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (10件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
深海を見てみると、地球が生き物である、繋がっているということが実感できる。
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この楽しそうな表紙と、最初に出てくる写真を見て楽しそうと思った。
内容は楽しい。だが、書いているのは大学の先生なので難解だ。
だから、理系のある程度の知識が必要かもしれない。
私も8割理解できたかどうかである。
モチーフは、タイトルそのまま
深海である。
三部構成になっていて、深海の生物、地震、その他(資源、ゴミ)となっている。
深海の生物については、自分が探査機にのっているような演出で解説も前半はわかりやすく
深海の生物について、とてもわかりやすく興味深い
わくわくするような内容なのですが、後半は難しくなる。
興味をひいた事柄だけ、さわりだけ紹介すると
生物というのは光合成で発生しているのだが
光の届かない深海にも生物は発生するという話しだ。
これを化学合成生態系と言う。
海底から熱が噴出している所に生物が産まれる
その噴出してくる水に、地中に含まれている色んな物質が混ざってという話しで
これなら、表面が凍土でもうちに海があり内部にマントルがある構造なら
地球外生物もと考えてしまうのです。
深海の生物は、菌と共生している
食べ物を食べない代わりに、それらの共生している菌から栄養素を得る
生物学で言う寄生と何となく似ているが、ちょっと違うようだ。
水族館で見る発酵する海月の意味もわかった
背中に浴びる光と同じくらいの光を腹から発し、その姿を見えにくくするためだそうだ
他にもたくさんの深海の興味深い話しが書いてあった。
2部の地震の話しは、知っている知識を専門用語で解説されたような印象しか感じなかった。
読みにくい。少し困惑した。
東北の地震の後に、深海を調査した話しが後半あり
これは、おもしろく楽しめた。
日本海海溝の近くは堆積物が柔らかいのでズレが生じにくいと思われていた。
しかし、探査の結果、そうでないことがわかったのだという。
一度ズレると大きくズレることになり、それがあの津波になったとのことだった。
地震は、プレートの移動(ズレ)が原因だが、普段は意識していないが、地面の底にマントルがあり
それがプレートを少しずつ移動させているというのを再認識させられる
地球も生きているのだとわかる
3部のその他のところでは、地下資源の話しが興味深かった。
二酸化炭素は、1/2がそのままで、残りが森林と海に吸収される。
海に、吸収されると二酸化炭素は、PHを下げてしまうため、石灰化生物の貝とか蟹の甲羅のある生き物の石灰でで来ている部分が形成されなくなる
昔、火山が爆発していて時期には、これらの生物が激減したこともあり
このままじゃ、そういうことになりかねないという懸念を表明していた
深海に、鉱床があるのは沸点の違いかららしい
水は100度で沸騰するが、深海だと気圧が違い300度くらいになる
そのため、そのような物質が残っているのだ。例えば、メタンハイドレートとか。
二酸化炭素を深海の中で液体として安定させることが可能で、そういうことも始まっているという話しは面白かった。じゃ、どんどん二酸化炭素は深海に移そうとか思うのである。
それにしても深海には、たくさんの資源がある。
プラスチックごみが、たくさん海にあるという話しには驚いた。
2050年には、海のプラスチックの総量は、海に住む魚の総重量を超えるという予測がされているらしい。
深刻なのは、マイクロプラスチックで、これは魚なのが体内に取り込んでしまい
その魚を人が食べると悪影響があるかもという懸念だった。
深海は、別世界という認識が、この本を読むと自分たちの世界と繋がっていると認識に変わる。
不思議な深海のメカニズムに触れ、地球というものの見方が少しだけ変化した。
内容は少し専門的で難解だが、書かれている話しはとても面白い
理系の人は楽しめると思います。
おすすめです。
☆☆☆☆☆ の とても楽しく内容のある作品でした。投稿日:2019.06.08
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000086337
投稿日:2022.09.05
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