深海――極限の世界 生命と地球の謎に迫る

藤倉克則, 木村純一, 海洋研究開発機構 / ブルーバックス
(9件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • Penguing

    Penguing

    世界最新の水深約19000 M まで到達した人類は,これまでに 3人しかいないそうです。しかし,近年の研究開発の進展に伴って,深海は最後のフロンティアから「最前線の知見を得るフロンティア」に変化しているそうです。

    このところ,動物行動学に関する本をあれこれと手を出しているのですが,深海に関する生物の本は読んだことがなかったなと思い,本書を手にとってみました。どんなグロテスクな魚たちの話が出てくるのだろうと思っていたのですが,私の予測は良い意味で裏切られ続けました。

    本書は大きく3部から構成されています。第一部では,地球の多くの生物が恩恵にあずかっている光合成生態系とは全く異なる,深海の熱水域の周りに存在する私たちの知らない化学合成生態系の世界が詳しく解説されていました。

    第二部では地震の発生の解明に至るための,深海のプレートの研究に関する研究者たちの熱い思いがつづられていました。 深海の6000 M までパイプを伸ばし,そこからさらに2000 M ほどドリルで掘削しデータを収集するという技術力の高さと,調査中に発生する数々のトラブルに対する研究者たちの努力や根性を垣間見ることができました。

    第3部では,大気中の二酸化炭素濃度の増加によって,海洋がいかに酸性化してしまうのかということが学術的にかつ分かりやすく説明されていました。びっくりしたのは,二酸化炭素濃度が高くなることは,温室効果によって地球を温めるだけではなく,海水の pH を下げてしまうため,海の中にいる硬い殻を持つ生物たちが生きていくことができなくなるかもしれないという危険性があることでした。

    初めは,これまでに見たことがない,また理解もしたこともない深海の不思議な生物の特徴を知ることができるものだと思っていたのですが,化学合成生態系や深海のさらに下に存在する生物の生態系など,これまで考えもしていなかった生物の世界が地球にはあるのだという観点に目を開かされた思いでした。未知の世界を知るという意味においては,まさに本書は私にその体験を与えてくれたのだと考えます
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    投稿日:2020.10.15

  • 有井 努 Tsutomu Arii

    有井 努 Tsutomu Arii

    宇宙よりも謎が残る世界と言われている
    深海。

    光が届かない深海には、光合成もできない
    ので生物は存在しないだろうと、長らく
    考えられていました。

    しかし現在では「科学合成」という日光
    を必要としない「科学合成」という生態
    系で生物が多数存在していることが発見
    されています。

    これには驚きです。

    この「科学合成」は、遠い宇宙の暗黒の
    世界にも生命体が存在する可能性にも
    つながり、まさしく生命の謎の不思議に
    迫る一冊です。
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    投稿日:2020.10.05

  • osawat

    osawat

    新書ながらも深海ならこれ1冊。地球科学のロマンだな。
    ・湧水域での硫黄酸化細菌との生物との共生(水平伝達等)

    投稿日:2019.12.15

  • Στέφανος

    Στέφανος

    序章 深海の入り口
    第1章 深海と生命(潜水調査船で深海生態系を観る;化学合成生態系とは;共生がもたらす進化いろいろ!;生命の起源と地球外生命;海底下生命圏)
    第2章 深海と地震(プレートテクトニクスは深海から;巨大地震は深海で起こる;東北地方太平洋沖地震はこうして起きた;地震・津波発生のメカニズムに地震断層を掘り抜いてせまる;南海トラフはどうなる)
    第3章 人類と深海(海洋酸性化と深層循環;鉱物・エネルギー資源;地球の危機と生物多様性とのかかわり;地震・津波が深海に運んだもの;海のプラスチック問題)

    著者:藤倉克則(足利市、水産学)、木村純一(長野県箕輪町、地球科学)
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    投稿日:2019.11.16

  • 08thse

    08thse

    深海について、生物だけではなく地質、地震、ごみ問題などなど様々な内容について解説されています。
    文体含め、あまりライトではない気もしましたが、ブルーバックスならこれが普通ですかね。色々と知れる本です。

    投稿日:2019.07.09

  • なー

    なー

    このレビューはネタバレを含みます

    生命起源と地球外生命に迫る深海の化学合成生態系研究。
    いわゆる理論一辺倒の本じゃなくて、JAMSTEC(海洋研究開発機構)協力だけあって、現場感覚が満載。
    海底作業で、7000mのケーブルの「より」を戻すのにケーブル全てを降ろせる海が限られているとか、予想外の困難も多いよう。
    横須賀本部の海洋科学技術館は個人ツアーで観れるらしい。横浜研究所も10名以上集めると団体見学ツアーを予約できるらしい。

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    投稿日:2019.06.26

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