人間の経済
宇沢弘文(著)
/新潮新書
作品情報
富を求めるのは、道を聞くため――それが、経済学者として終生変わらない姿勢だった。「自由」と「利益」を求めて暴走する市場原理主義の歴史的背景をひもとき、人間社会の営みに不可欠な医療や教育から、都市と農村、自然環境にいたるまで、「社会的共通資本」をめぐって縦横に語る。人間と経済のあるべき関係を追求し続けた経済思想の巨人が、自らの軌跡とともに語った、未来へのラスト・メッセージ。
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.4 (21件のレビュー)
-
自分と社会と人類に、責任をもつということ。
それを良心というのであれば、まさに、日本の良心と言えると思います。その上、分かりやすい! 分かり易すぎて、あっという間に読み終わってしまって、勿体ない。
自分と社会に責任を持っていると自分では思って…らっしゃる方が多くって、その社会が、自分の周囲の人の、今日明日の、なのよねえ。。。せめて三代先の人類まで考えてほしい、三人の子持ちとしては。
レビューになってない? なってないです。一言、読むに値する本です。続きを読む投稿日:2018.11.11
-
著者宇沢弘文が遺した、これまでの講演やインタビューを1冊にまとめた本。宇沢は「社会的共通資本」という概念を生み出したことで有名であるが、これは著者がシカゴ大学で教鞭を取った時代に関連する。当時のアメ…リカは、第2次世界大戦で勝利して以後、覇権国家として君臨した。経済活動においては、ハイエクやフリードマンといった新自由主義(ネオリベラリズム)が主流であった。これは、ケインズ経済学と異なり、政府の介入をできる限り最小限に抑えて、個人が自由に活動できる経済体制である。しかし、本書を読むと、ハイエクとフリードマンの思想は、厳密には違うことがわかる。ハイエクはたしかに自由を重視したが、人間の理性について懐疑的な立場であった。それに対してフリードマンは、なんでも市場に任せればうまくいく、全てはお金に代えられる、という市場原理主義を信奉した。ちなみに、フリードマンは、共産主義から自由を守るために、ベトナム戦争における水爆の使用に賛同したり、麻薬の取り締まりに反対するなど、筋金入りの市場原理主義者であった。このように、個人の自由を重視するがゆえに、フリードマンはミクロ的な思想を注視する一方で、マクロ的な視点は、論文や発言から確認できない。これらの思想をふまえて、宇沢は以下のように主張する。「リベラリズムとは、本来、人間が人間らしく生きて、魂の自立を守り、市民的な権利を十分に享受できるような世界を求めて学問的営為なり、社会的、政治的運動に携わるということを意味する」と。
また、本書の後半で、「社会的共通資本」の意義についても語るが、なかでも自然に対する畏敬がうかがえる。森ひいては自然環境を守ることは、人間の生存にとって不可欠であり、人間の経済、文化、社会活動において重要な役割を果たす、ということを強調する。それ以外にも、戦後日本社会の矛盾、とりわけ日本の都市化と地方の過疎化について指摘する。著者曰く、日本の場合、20〜25%程度の農村人口が必要だといい、大切なのは、各国が持つ歴史と文化を守り、次の世代の人たちのためにも、協力的な解決であるという。興味深いことに、著者は中国を訪ねて、総書記を勤めた趙紫陽から、著者の主張に共感した。本書は石橋湛山とケインズについても触れるが、石橋湛山はヒューマニズムを重視しており、人間が人間らしく生きるための経済を考えたと賞賛する。以上から、宇沢弘文がどれほど自然と人間との共生を重視したのかがわかる。続きを読む投稿日:2023.11.04
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。