「時刻表」はこうしてつくられる
時刻表編集部OB(編著)
/交通新聞社新書
作品情報
JRの「みどりの窓口」に置かれている時刻表としてお馴染みの『JR時刻表』。およそ450万の文字が詰まったこの時刻表は、どのようにして編集されているのか。『全国観光時間表』創刊から半世紀、手作業の積み重ねである活版印刷の時代が長く続き、技術開発が発達するにつれて、その制作工程は変わっていった。通巻600号を迎え、国鉄~JRの変遷とともに歩んできたその歴史を振り返りつつ、編集部員ならではの仕事の裏側や秘話などを綴る。これを読めば、数字に埋め尽くされた時刻表も、楽しさが増すこと間違いなし!?時刻表編集部OB「正確な時刻表を作り上げる」。その精神は、工程がコンピュータ化された現在も脈々と受け継がれ、平成25年3月には、交通新聞社の前身である弘済出版社時代から数えて600号の『JR時刻表4月号』発刊に至った。時刻表編集のOBが、半世紀にわたりその礎を築いてきたプロ集団の血と汗の足跡を伝える。
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商品情報
- シリーズ
- 「時刻表」はこうしてつくられる
- 著者
- 時刻表編集部OB
- 出版社
- 交通新聞社
- 掲載誌・レーベル
- 交通新聞社新書
- 書籍発売日
- 2013.06.15
- Reader Store発売日
- 2016.09.23
- ファイルサイズ
- 8.7MB
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この作品のレビュー
平均 3.6 (6件のレビュー)
-
<目次>
序章 鉄道の夜明けと時刻表の誕生
第1章 活版時代の時刻表制作
第2章 活版から電算写植へ
第3章 『大時刻表』から『JR時刻表』へ
第4章 『JR時刻表』で比較する50年今昔
…
<内容>
弘済出版社(現交通新聞社)は、JTBと共に時刻表を発行していた。最近時刻表を買わないので知らなかったが、JTBは、国鉄がJRになったときに時刻表から手を引いていたんだ。現在は『JR時刻表』一本なんだね。鉄道がどんどん無くなっていく中、今後の時刻表はどうなるんだろう。発売は約10年前で、もう変わっているんだろうね。続きを読む投稿日:2022.12.27
昭和30年代から始まった、毎月出ているあの分厚い「時刻表」がどう作られたのかを振り返る本。原稿作りから編集、校正作業の実際が、編集部OBによって語られた本。てっきりおれは「ダイヤがどう組まれるのか」…という話かと思ったが、そうじゃなくて文字通り「時刻表」という雑誌がどう作られるのか、という話。
いわゆる「スジ屋さん」の仕事の話に興味があって選んだけど(タイトルだけで選んで図書館で予約してしまったので)、まったくお門違いだった。でも割とすぐ読めそうなので、せっかくなので読んでみる。活版印刷、と言われてももはや何のことなのかよく分からんおれにとっては(なんか非常識?若者アピールしてるつもりじゃないんだけど)、昔のものすごい苦労話、という風にしか読めなかったのと、働き方改革の波に飲まれているおれにとっては「合宿」とか「出張校正」とか、もうとんでもない時代のギャップを感じて、何とも言えない気持ちになった。「一晩中タバコは吸われ続け、紫煙は濃い霧のように漂っている。その煙は一度も絶えることがなく、いつのまにか朝となる。朝になったのは掃除のパートさんがやって来るから分かるのである。朝方、一区切りつくと洗面所で脂ぎった顔を洗う。徹夜マージャンより疲れるなと、新人の編集部員そう感じたりしただろう。」(pp.32-3)とか、凄まじい描写がいくつかあり、この時代に生きてたらこんな働き方が善とされるんだろうなあとか、思った。体に悪そう。
正直、あまり全体的に興味は持てなかったが、唯一、「冷静に校正を進めるためのテク」と続く「ベテランと『新米』の違い」、「重要ポイントは、こんな場所に(校正編)」のpp.78-83の部分は、仕事にもある一般的な事務作業やチェック作業に役立つ、あるいはヒューマンエラー防止の観点で参考になる、面白い部分だった。「精神衛生が大切」(p.78)は当然だろうけど、そういう心掛けや工夫をしながら仕事をすることの大切さが分かった。「『四面楚歌』に直面したときは、簡単なものから解決して、自分を取り巻く相手の数を減らす。」(p.79)というのは、これを読んで、おれが今実践している。(やや四面楚歌感がある今日この頃…。今このブクログを書けるのが嬉しい。でも半ばブクログ書くのも仕事みたいになっているのだけど)あとは、ベテランと新米の違い、のところは、おれも先輩、後輩がいて訓練をするような仕事に就いたことがあるので、すごくよく分かる。そこから得たおれの教訓は「経験と知識は両輪」、って当たり前かもしれないけど、本当にそう思っている。「ベテランは間違いが出やすい場所を知っているのである。つまり、過去に失敗した『すねの傷』をたくさん蓄えているのだ。過去の例を頭の中に整理しておき、『この状況下では、重要ポイントはここ』という場所で、過去例を即座に頭の中から引っ張り出してくる。ベテランが重要ポイントに目を置くと、新米さんはやはり予想通りのミスを犯しているものだ。」(p.80)というのは、納得。早くおれも「ベテラン」と呼ばれる域に達したい。あと、おれのもう1つの教訓と重なって嬉しかった(?)のは「『最後』は間違いが出やすい」(p.81)の部分。「人は無意識に『緩』と『急』をつけている。(略)最後は意外と緊張感が緩む。」(p.81)という分析があって、なるほどと思った。
ということで、全体的にはおれにはよく分からないノスタルジーみたいなものが流れているこの本には正直興味は持てず、「時刻表制作関連用語」集、が巻末についていても、こんなの知ってどうするんだろう、と他の本以上に思ってしまった。「難読駅名」(p.84)は面白いかも。留辺蘂、御幣島、飫肥、薊野…。変換できるのか打ってみた。(20/09/20)続きを読む投稿日:2020.09.26
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