原発安全革命
古川和男(著)
/文春文庫
作品情報
原発の安全性には疑問符がつきまとう。とはいえ、すぐに原発をやめるわけにはいかない。現代社会にエネルギーは不可欠で、今の技術レベルの太陽光や風力発電では、とても原発に代替できないからだ。が、このジレンマは解決できると著者は言う。燃料形態を液体に代え、ウランを燃料とすることをやめ、炉を小型化することで、原発は格段に安全になるのだ、と。この方式は今、世界のエネルギー関係者に「福音の原発」として注目されている。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 原発安全革命
- 著者
- 古川和男
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2011.05.20
- Reader Store発売日
- 2014.08.08
- ファイルサイズ
- 8.4MB
- ページ数
- 247ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.4 (7件のレビュー)
-
放射線の基礎知識は持っているつもりだったけど、この本は結構難しかった。著者は古川和男さんという方。京大理学部卒で、東北大の金属材料研究所でも働いていたことがあるらしい。ネットで調べると、2011年の1…2月14日に死去されたらしい(84歳)。本書は3.11のあとに加筆修正されたものだから、おそらくは東日本大震災がきっかけで起こった原発事故に対し、義憤真に駆られて本書を修正し、そしてすぐに亡くなられたということだろう。ご冥福をお祈りする。
原子力活用については、不幸な事実だが原子爆弾としての利用されたのが出発点だ。広島と長崎に原爆が落とされた1945年。太平洋戦争が終結し、世界は冷戦に入る。その中で原子力は空母や潜水艦の推進力としてさかんに活用された。特に原子力潜水艦は、一度出港すると何か月も海に潜ったまま活動ができる。実際に、原子力燃料が原潜に搭載されると、海に潜んだ隠密行動を行う潜水艦の推進力としては最適だということだ。
さて、著者の古川さんは3.11の東日本大震災、それに伴う福島第一原発の事故を受けて、政府と東電の対応を大いに非難している。福島第一原発は事故を起こして当然のような原発であり、事故は起こるべくして起こったのだという。でも、安全な原発などあるのだろうか。YES。それが液体原子力燃料を使用するトリウム原発だという。トリウム原発は次の3点が画期的らしい。
1.固体核燃料ではなく液体核燃料を用いる
2.核燃料としてウランではなくトリウムを用いる
3.原発自体を小型化する。
トリウムを用いると、強力な放射性物質であるプルトニウムが生成しないという。放射性廃棄物の処理方法も確立していないウラン235を原料とする現在の方法は明らかに不備であって、トリウムが最適だというのだ。なるほど、その点は納得できるような気がする
液体燃料を用いるとなぜいいのかが、ボクにはいまひとつピンとこなかったが、液体燃料だと冷却方式に熱交換器を使用できるため、安全性が高まるということだろうか。
トリウム原発なんて聞いたことないし、どのくらいメリットがありそうなのかボクには判断できないが、原発は色々な利権が絡んでそうだし、もしかしたらこれからのエネルギー事情を書き換えるくらいの技術なのかもしれない。世の中には、コツコツと研究されている方がいるんだなと、改めておもった。続きを読む投稿日:2014.03.29
このレビューはネタバレを含みます
2011年(旧版2001年)刊。著者は元東海大学開発技術研究所教授(NPOトリウム熔融塩国際フォーラム理事長)。
レビューの続きを読む
まず初めに、本書が掲げる核分裂エネルギー利用の発電システムは既存の原子力発電とは…大きく仕組みが異なる点、詳細に論じられる発電システム(化学プラントそのものと著者は言うが)の安全性の説明の是非を正す能力は私にはない。実際、発電プラントの説明は理解不可能な部分も多かった。
その中で、トリウム熔融塩を利用する点、液体核燃料である点、常圧に近い環境で運用される点、既存プルトニウムの減少を可能にする点。そして小規模発電を可能にする点は印象的である。
ただし、経済的合理性。すなわち、現実に稼働することなしに経済性を正しく図ることは困難である。本書のこの点の指摘は豊富とは言えない(もっともプルトニウム減少が可能ならば、多少の非経済性は目を瞑る必要があるかもしれないが)。
もとより究極は再生可能エネルギーへの転化を著者も希望しているようである。が、それが50年~100年先に主流になると見立てているのが特徴なのだろう。
是非、核物理学と発電システムに詳しい人に解説してもらいたいけれど…。
既存の電力会社の影響下にない局、Eテレ「サイエンス・ゼロ」辺りで取り上げないかなぁ。続きを読む投稿日:2018.04.20
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。