日本の財政 再建の道筋と予算制度
田中秀明(著)
/中公新書
作品情報
成長戦略だけでは“破綻”は回避できない。GDPの2倍、1000兆円を超えた日本の借金。成長戦略による国家破綻回避論は絶えないが、1990年代の財政悪化から20年余、好況時にも財政赤字は拡大した。経済成長による税収拡大はわずかに過ぎない。幾度となく財政再建が試みながらも、なぜ日本は失敗し続けるのか。本書は、特に予算制度に着目し、財政再建に成功・失敗した先進10ヵ国の事例を繙き、その根源的問題を指摘、日本の財政再建の道筋を提示する。
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商品情報
- シリーズ
- 日本の財政 再建の道筋と予算制度
- 著者
- 田中秀明
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2013.08.25
- Reader Store発売日
- 2014.06.27
- ファイルサイズ
- 2.2MB
- ページ数
- 280ページ
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この作品のレビュー
平均 4.5 (12件のレビュー)
-
日本の財政につきどんなに楽観的な見通しを抱く人でも、本書の冒頭4頁の日本の公債依存度のグラフの不恰好さを見たら暗澹たる気持ちになるに違いない。まるで心室細動でも起こしたかのような禍々しい形状だ。しかし…、どうやら現在の政治・行政の中枢を占める方たちにとってはそうは見えないようだ。先日も、診療報酬の本体部分の消費税分上乗せが報道された。歳入に連動して歳出を増やすのでは何のために消費税を引き上げるのか分からない。
著者は、まずバブル崩壊以降民主党政権崩壊までの日本の財政改革の試みと蹉跌を概観し、他先進国の制度改革と比較しながら、なぜ日本では財政改革が進まないのかを探る。そして、最大の問題は財政健全化のためのルールへのコミットメントが弱いことであるとし、公務員制度改革により、官僚の過度な政治への関与を押しとどめ、首相・内閣の中期計画に基づいたリーダーシップの強化を提言する。
実際に財務省に籍を置き、管内閣で参事官を務め、予算検討委員会に参画し挫折を味わった著者の公務員に対する視線は厳しいが、限られたリソースを官僚本来の企画立案業務に振り分けるべきとする主張は正しいのではないかと思えた。かなり堅苦しい内容だが、予算制度の概略の再確認もでき、かなり有用。続きを読む投稿日:2013.12.23
日本の財政問題といえば、増税の問題に単純化される傾向があるが、本書は、増税は必要としつつも、予算制度や公務員制度に焦点を当て論じている。
予算制度の問題として、マクロ面からは、
?赤字ルール/景気変動…に対応して安定的に財政運営を行うためのメカニズムが欠如している。
?支出ルール/シーリングが一般会計当初予算を対象とするため当初予算偏重、一般会計偏重、単年度偏重の問題を生じさせている。
?中期財政フレーム/単なる見通しであり支出を拘束せず、ベースラインがない。
?透明性/透明性が低く、会計上の操作を抑止できない。
?意思決定システム/首相・財務大臣が政府の内外に存在する拒否権プレーヤーを制御できない。
ミクロ面では、予算を効率的・効果的に使うことを促す仕組みやインセンティブが乏しい
ことをあげている。
一方、財政再建に成功した国の特徴として、
?財政ルールを踏まえ、内閣主導のトップダウンで支出の総額、そして省庁別の支出の上限額などを複数年にわたり決定し、事実上固定する。
?こうした省庁ごとに設定された支出上限の枠のなかでの資源配分は省庁に裁量を与える。
?予算編成での査定では、細かい事前規制を行うのではなく、ペイアズユーゴー原則などのルールを導入し、予算制約のなかで資源の再配分に重点を置く。
?会計検査院や省庁自ら行う政策評価などを活用して、調達などの予算の執行面、プログラムの実施面で改善を行い、予算の効率化を図る。
?人口高齢化に対応して、より長期的視野を予算編成に取り入れる。
といった共通点をあげている。
この20年の財政悪化の政治プロセスの振り返りも参考になった。続きを読む投稿日:2018.10.08
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