繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史
マット・リドレー(著)
,大田直子(訳)
,鍛原多惠子(訳)
,柴田裕之(訳)
/ハヤカワ文庫NF
作品情報
経済崩壊、貧困拡大、環境汚染、人口爆発……。メディアを席捲する知識人は、われわれ人類は今にも破滅に向かうと日々嘆く。だが実のところ、こうした悲観的未来予測は200年前から常にあったのだ――ほとんど外れてきたにもかかわらず。各種データを見れば、事実はまったく逆だ。「今」ほど最高の時代はない。そして人類の生活レベルは地球規模でなお加速度的に向上している。なぜか? 有史のある時点で、交換と分業が生まれ、それによって個々の知識が「累積」を始めたからだ。石器時代からグーグル時代にいたるまでを、ローマ帝国、イタリア商人都市、江戸期日本、産業革命期英国、そして高度情報技術社会などを例に、経済、産業、進化、生物学など広範な視点で縦横無尽に駆けめぐる。東西10万年をつうじて人類史最大の謎「文明を駆動するものは何か?」を解き明かす英米ベストセラー。
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商品情報
- シリーズ
- 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ文庫NF
- 書籍発売日
- 2013.07.15
- Reader Store発売日
- 2013.09.06
- ファイルサイズ
- 1.7MB
- ページ数
- 624ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (23件のレビュー)
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通俗悲観論の解毒剤として
本書の主張をまとめるとこんな感じでしょうか。
「分業による専門化が人類の発展をドライブしてきた。現在の人類は、過去のどの時代とも比べ物にならないくらいの繁栄を手にしている。だから未来への過度の悲観論は…慎もう。」
当たり前と言えば当たり前のことでありワタクシも大筋で同意するのですが、たとえて言えば社会科の教科書を読んでいる気分で、当たり前なだけにいまひとつ面白みに欠けます。ちょっと難癖気味の感想ですが、刺激的な終末論のほうが流行るのが分かる気がしました。
また、古今東西にわたってさまざまな例を引いて見事な博引傍証ぶりではありますが、事実を元に考証すると言うよりか主張をサポートするために事実を並べている印象を少し受けました。重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、日本に関する記述で「あなた一体ナニを調べて書いたの?」と言いたくなる箇所もあって、全体的な信頼性に疑問符がついてしまいます。大部分まっとうなことが書いてあるに違いないとは思いますけれどね。続きを読む投稿日:2013.10.14
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合理的な楽観主義者が語る世界は何の心配もいらなさそうだが本当だろうか?
確かに昔は良かったという幻想とは裏腹に明らかに今の方が良いというデーターはあふれている。世界中で平均寿命は伸び、新生児死亡率は概ね低下しており、2005年は50年前と比べると地球上の平均的な人間で所得…は3倍になり、摂取カロリーは3割増以上で寿命も30%以上延びた。人口の爆発的な増加にも関わらず世界中の人々が手に入れられる商品やサービスは増大した。間違いなく物質的な豊かさはましてきている。
では物質的な豊かさで人は幸福になったのかというと2008年に人は豊かになるにつれ幸せになるという分析が示されている。まあこれには否定的な意見の人も多いだろうが個体数が増え、寿命が延びているのだから繁栄しているというのは間違いではない。交易がその鍵になったというのが著者の考えで、自給自足の生活よりもそれぞれが専門性を高め物々交換を始めたことで収穫量が増大する。交易は信頼を醸成し信頼が取引コストを下げる。当然上手くいかないこともあるが交易量の増加は一方通行といって良いだろう。
世界大戦のイメージにも関わらず戦争(国家間やら隣の村やら)で死亡する人数は近代になり減っているしそういう意味では世界は平和になっている。日本だって殺人事件の件数は減り続けているのだ。少し古いデーターだが2003年の日本人の屋外での死亡原因第一位が交通事故なのに対し、家庭内での事故(転落、転倒、浴槽での溺死、誤嚥による窒息などなど)の方が多い。
マルサスの人口論、ローマクラブの成長の限界にこれでもかこれでもかと反証をぶつけ続ける。最後の山は気候温暖化だがそれにたいしても問題なしとゆるがない。恐らく人口は100億か多くても150億で飽和すると見られており、問題はそれを抱え続けるだけの資源が続くかなのだが、過去にも同様の警告はいくつもあり、その度新たなイノベーションで食料も燃料も増やし続けてきた。必要に応じて新たな発明が起こるのでこれからも大丈夫というのが著者の主張だ。ビル・ゲイツでもそこまでは言わないだろうという楽観論だが、いろんな懸念があることはわかっていて、それでもあえて楽観論者でいようではないかということだ。
過去より今の方が良いという主張には賛成ながら、今まで大丈夫だったからこれまでも大丈夫と言い切られてもちょっと真に受けるのはどうかと思う。まだ大丈夫だというのと今のままで良いというのとは違うし著者の楽観論も必要に応じて変化すると言うのが前提にある。まあ暗い話に飽きた人には良い本なのでは。
続きを読む投稿日:2014.06.20
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