読書教育――フランスの活気ある現場から
辻由美(著)
/みすず書房
作品情報
本書で紹介される「読書教育」より。■パリ読書センターが小学校からの要請を受けて練り上げる「読書アクション」プログラム。学年を超えてグループでテーマ読書をする。先生とセンター職員で指導。■日本でも話題になってきた「高校生ゴンクール賞」。フランスの芥川賞に当たるゴンクール賞候補作から、高校生が独自に受賞作をえらぶ。多量の新刊本とイベント費用は、フナック書店チェーンが提供。■老いをテーマにした「クロノス賞」。国立老年学財団が創設した1996年当時は230人だった審査員が10年後には4万人を越えた。幼稚園児から高齢者までのあらゆる世代が参加して6つのセクションで選考。■町の書店が協力して立ち上げた「アンコリュプティブル賞」。パートナーとなる24の出版社が提案する児童書・少年少女ものから、先生・司書・司書教諭・読書アニメーター・書店の児童書担当者などが選考した本から全国の子どもたちが選んで決める。■司書教諭が参加希望して毎年おこなわれる「プレス週間」。多数の新聞が図書室に持ち込まれ、キオスク状態になる。それを教材に国語・歴史・地理・市民教育の先生たちが、それをテーマに授業を繰り広げる。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 読書教育――フランスの活気ある現場から
- 著者
- 辻由美
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- みすず書房
- 書籍発売日
- 2008.04.18
- Reader Store発売日
- 2015.04.27
- ファイルサイズ
- 9.1MB
- ページ数
- 216ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (7件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
フランスには子どもが選ぶ本の賞
レビューの続きを読む
・高校生ゴンクール賞
・クロノス文学賞
・アンコリュプティブル賞
がある。
〇まず「高校生ゴンクール賞」はゴンクール賞
(日本における芥川賞)の高校生版。
教育省とフナック書店によって成り立っている。
全国から参加希望校を募り、現在は54校(各1クラス)
が参加する。ゴンクール賞候補作の12~15作品を
参加クラスの生徒が2か月にわたり対象の本を読んで
通常の授業を振り替えてディベートなどを行う。
この期間中に「著者との出会い」という著者との
集会も催される。最後に「クラスの三作」とクラス代表
1名を選ぶ。この代表が審査会場で高校生ゴンクール賞を決定する。
この賞に選ばれるとその本はかなり売り上げを
伸ばすそうだ。
毎年参加校が変わり、様々な高校(上流から底辺まで)
が参加するので強豪校というものは存在せず、
癒着も発生しにくい。
「著者との集い」では生徒からの質問も受け付けられる。
「性描写が多いようですが、すべては性で説明できると思いますか」(P36)
こんな質問、日本だったら絶対NGだろうなぁ。
〇「クロノス賞」は「老い」をテーマにした
作品に対する文学賞。選考者は全世代、
幼稚園児から高齢者まで。
老いという否定的なイメージを払しょくする
ために創設された賞。
カッシャン市立図書館の会報に掲載された
13歳の子の詩がすばらしい。
「成長する、それは老いること、老いる、
それは成長すること
始まったものは必ず終わる
だれでもいつかは去っていく
しあわせでも、ふしあわせでも
(中略)
限りなく続くものは何もない
すべてに終わりがやってくる」
〇アンコリュプティブル賞は子どもが審査員。
幼稚園の部~中学四年生高校一年生の部まで
7つに分けられている。
フランスには学力の低い「教育優先地区」があり
その地区ではアンコリュプティブル賞は重要な
教育的性格をおびる。
というのも、文字が読めない「アナルファベティズム」
文章が読めない「イレットリスム」ということばが
あり、イレットリスムは社会問題である。
子どもたちへの読書へのいざないの方法は
「アニマシオン」と呼ばれている。
著者との出会いは極めて有効なアニマシオンである。
作品をめぐるアニマシオンは
・モノを作る
・作文のアトリエ
・ゲーム
・演じる
パートナーシップによるアニマシオン
・書店訪問
・図書館訪問
・他の学校とのコンタクト
フランスでは読書に意識を向けるための
社会の多大な努力があるのだと感じました。
日本で授業を読書のために何か月も振り替える
のは無理だろうなぁと思いました((+_+))投稿日:2021.01.18
若者の読書離れという問題はどこの国でもあるようだ。フランスではこの問題に対してどのようなことをしているのかが書かれていた。
序章でのパリ読書センターと学校がタッグを組んで行うワーク(小学校を縦割りにし…て、それぞれテーマに沿った本を読んだり議論したり、外に出掛けてみたり等)も面白かったが、高校生ゴンクール賞は特に興味深かった。
日本でいう芥川賞の審査員が高校生になったものという感じで、授賞式にはメディアも多く押しかけるかなり規模の大きいイベントである。
作家にとっては生活のかかっている事でもあり責任あるイベントなので高校生たちも読書や議論に能動的になっていく。
後半にはクロノス賞とアンコリュプティブル賞も出てきて、こちらも審査員が小学生からお年寄りと多岐にわたるが作家でもなく何の利害関係のない人達なのが特徴である。
読書を無理強いされて楽しく読める人は中々いないと思うが、自分自身が審査する側になることで自然と積極的になれるのだなと思うし、本を読むことの楽しさを知れる良い機会だと思う。
家庭レベルでは難しくても大手書店や学校、NPO法人等が力を合わせて行うことで実現できるし、これだけ盛り上がるのは国全体として読書教育に熱心なのだなと感じた。
こういう取り組みを日本でもやれたらいいだろうなと思う。続きを読む投稿日:2021.03.16
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。