循環思考
横山禎徳(著)
/東洋経済新報社
作品情報
カナヅチがあれば、どんな問題でもすべて「叩いて」解決したくなる。同様に、ロジカルシンキングを身につけていれば、どんな問題もロジックツリーで分析してみたくなる。
しかし、要素還元的思考法であるロジカルシンキングは、事柄や問題をその構成要素に分解する考え方であり、思考や現象を整理するツールとしては優れているが、新たな発想を生み出すものではない。ややこしそうなこと、扱いきれないことを切り捨てた上で、道具に問題を合わせているものであり、創造的な問題解決は望めないのである。
それに対して本書で提唱している循環思考では、単純に現状の因果関係を観察・分析するにとどまらず、望ましい因果関係を創り出すことが要諦となる。まず、ロジカルシンキングでは考慮されていない時間軸の経過を意識して、既存の因果関係をとらえる。これは現状の問題・課題を発生させている悪循環である場合が多い。そして、その悪循環を断ち切り、良循環をつくり出す。
ただし、この良循環とは悪循環の裏返し(例えば「我が社の商品が競合に比べて劣る」→「では、競合に比べてよい商品をつくる」)ではなく、望ましい因果関係を創造することである。現実世界にある複雑な課題・問題に対する時間軸と循環を踏まえて、新しい因果関係を生み出すための思考アプローチにもとづいた解決手法を解説する。
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サマリー
循環思考とは、著者が提唱する社会システムデザインのための思考方法。社会システムとは、「生活者・消費者への価値を創造し、提供する仕組み」と定義している。一般的な表現をすれば、社会的課題を解決…するために課題の構造を線形ではなく循環型で整理し、さらに解決方法も循環型で構築するという思考フレームワークである。
ロジックツリーやプロフィットツリーなどのリニア思考では、社会課題のような複雑な解決することは難しい。社会課題は、様々な要因が相互に影響しあい、さらに要因同士には因果関係があり、時間軸による変化があるからだ。
循環思考による社会システムデザインでは、課題を引き起こしている悪循環を発見し、新たな良循環を作ることでこの問題解決を目指す。社会システムデザインのステップは、次のとおりである。
1.「悪循環の発見」
課題を引き起こしている「悪循環」を明らかにする。
大きな課題の中でもその中核課題を特定するためには、悪循環を見つけることが
適切な課題かどうかは、悪循環を描けるかどうかでわかる。
2.「良循環を創造」
課題を解決する良循環を描く。
良循環は悪循環とは無関係。「問題の裏返し」は答えではない。
課題が複数ある場合は、答えを求めやすいものからアプローチする。
3.「良循環」を「駆動」するサブシステムの抽出
良循環のより具体的な大枠の行動を示すもの。
サブシステムは三つが適切。
4.サブシステムごとの行動ステップ記述
サブシステム、サブサブシステムと掘り下げることでより具体的で詳細な行動が記述できる。
5.必要に応じてツリー状に分解する
社会システムデザインには、正しい答えや理想的な答えはない。自分の思考の枠組みを理解し、繰り返し考え、経験を積むことで身体知として身に着けることができる。
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感想
思考フレームワークとしてわかりやすくて有用。「問題の裏返し」は答えではない、悪循環が描けるかどうかが適切な課題設定であるかがわかる、といった指摘は今後問題発見解決を試みる際の意識していきたい。
ただし、「循環」だと要素の大小や階層関係、因果関係の強さなどが扱いにくいという弱点がある。肝心な情報収集や悪循環発見や良循環の組み立て方が経験則でしかなかったのが残念。続きを読む投稿日:2013.07.01
今までコンサル流の論理思考を学んできた身にとって、循環思考は新鮮でもあり、今まで何かモヤモヤしていた原因を言語化する気付きだった
投稿日:2024.02.13
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