ヤマケイ文庫 垂直の記憶
山野井泰史(著)
/山と溪谷社
作品情報
2002年秋、山野井泰史は、ヒマラヤの難峰ギャチュン・カンに単独登頂後、下降中嵐につかまり、妻・妙子とともに決死の脱出を試みて奇跡的に生還した。 この衝撃的な生還を機に、自らのクライミングの半生を振り返り、難ルートから挑んだ高峰への思いを綴る。 すさまじい登攀への思いと「日常」の生活も著わした、氏の再起への物語でもある。 2004年に刊行された書籍の文庫版を電子化しました。
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商品情報
- シリーズ
- ヤマケイ文庫 垂直の記憶
- 著者
- 山野井泰史
- ジャンル
- スポーツ・アウトドア - アウトドア
- 出版社
- 山と溪谷社
- 書籍発売日
- 2010.11.01
- Reader Store発売日
- 2012.03.23
- ファイルサイズ
- 6.4MB
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この作品のレビュー
平均 4.4 (37件のレビュー)
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日本最強のクライマー
比べるのもおかしいかもしれないですが、竹内洋岳さんの本を読んでると「親しみやすいにーちゃんだなぁ」と思うけど、
この人はちょっと違う。アスリートとというか、職人というか、ちょっと別の世界の人。
やっぱ…り「先鋭的」クライミングをやる人は違ういますね。
たぶん山野井さんは、本人が伏線張っているとおり山で死んでしまうと思う。
それが良いことか良くないことかは分からないけど。続きを読む投稿日:2014.07.06
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山野井泰史(1965年~)氏は、世界各地の大岩壁や未踏の山々に新たなルートを切り開き、南米パタゴニアのフィッツ・ロイ冬期単独初登攀(1990年)、世界第6位の高峰チョ・オユー南西壁新ルート単独無酸素初…登攀(1994年)、世界第2位のK2南南東リブからの単独無酸素初登攀(2000年)等の実績を持つ世界のトップクライマーのひとり。2021年には、クライミング界のアカデミー賞とも称され、アルパイン・クライミング界で著しい業績を残し、次世代のクライマーたちに多大なる影響を与えた者に対して贈られる「ピオレドール・生涯功労賞」を、アジア人として初めて受賞した(過去の受賞者はラインホルト・メスナーなど僅か12人)。クライミングのスタイルは、単独(または少人数)、無酸素、未踏・難ルートを重視するものである。妻は同じく登山家の山野井(旧姓長尾)妙子。
私は、自らは山に登らない普通の会社員だが、登山や、いわゆる冒険を描いたノンフィクションは好きで、山野井氏に関しても、本書にも書かれている、世界第15位のギャチュン・カン北壁の登頂・生還(2002年、妙子と臨んだギャチュン・カン北壁の登攀において、登頂に成功したが(妙子は体調不良で断念)、下山中に嵐と雪崩に巻き込まれ、瀕死の状態で生還した。その際に負った重度の凍傷で、両手の薬指と小指、右足の全ての指ほか計10本を切断)を、沢木耕太郎が描き、講談社ノンフィクション賞を受賞した『凍』や、2作目の自著『アルピニズムと死』(2014年)を読んでいる。
本書は、ギャチュン・カン登攀後のリハビリ期間中に執筆された自著1作目で、それまで12年間に18度挑戦したヒマラヤの高峰登攀の中から、1991年のブロード・ピーク、1992年のメラ・ピーク西壁(敗退)とアマ・ダブラム西壁、1994年のチョ・オユー南西壁、1995年のレディーズ・フィンガー南壁、1996年のマカル―西壁(敗退)、1998年のマナスル北西壁(敗退)、2000年のK2南南東リブ、2002年のギャチュン・カン北壁のクライミングについて綴ったものである。
『アルピニズムと死』でも、山野井氏の過去のクライミングのことは多数描かれているのだが、同書では、通底するテーマが、若い頃に「あいつが一番死ぬ確率が高い」と言われながら、何故それまで死なずに山を登り続けてこられたのかに置かれているのに対し、その10年前に書かれている本書は、ある意味、本人の備忘と言えるくらいに、その時々の思いがピュアに綴られているような気がする。
なぜ、実力派クライマーと言われる人々の中で、山野井氏は生き残り、他の何人かは亡くなったのか。。。本書の中でも、氏は、自分は常に、冷静かつ慎重に自分の体調や状況を分析し、判断している、と書いているが、おそらく、その問い自体にあまり意味は無いのだろう。彼らが挑戦するようなレベルのクライミングにおいて、確かな実力と優れた分析・判断力を持つことは、生き残るための必要条件ではあっても、十分条件であるはずはない。
前著のレビューにも買いたが、一度限りの人生をどのように生きるかは、(他者に迷惑を掛けない限り)それぞれの自由であり、よって、山を選んだ人たちが、仮に山で死んだとしても、それが幸せであったか不幸であったかは当人以外にはわからないし、わかる必要もないだろう。
必ずしも起伏の大きくはない日常を送る私(たち)にとっては、そうした人たちの人生に触れて、生に対する刺激を分けてもらう、そういうことなのかも知れない。
(2024年5月了)続きを読む投稿日:2024.05.22
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