使ってもらえる広告 「見てもらえない時代」の効くコミュニケーション
須田和博(著)
/アスキー新書
作品情報
広告がもう「見てもらえない」としたら? もっと生活の奥深く入りこみ、消費者と「つながる」には? 本書では、サービスとしての広告を開発し、身近なところから実感を持って生活者=ユーザーと「キズナ」をつくり上げる「使ってもらえる広告」を提案する。グラフィック、テレビCM、ウェブ……すべてを経験してきた人気クリエイティブディレクターが語る「広告の最前線」。
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この作品のレビュー
平均 3.7 (47件のレビュー)
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シンプルでわかりやすく、「なるほど」という一冊。ユーザーの能動的なかかわりを生む仕掛けが重要になってきていることと、WEBの特性がそんな時代にマッチしていることとが、自分の中でつながった。そしてどんな…時代でもユーザーに向き合うことなんだと改めて思った。
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【読書メモ】
●「使ってもらえる広告」とは、ようするに人々が商品を買ってくれやすくなるような、便利なサービスや仕組みのことだ。それを広告会社で開発して提供するのである。・・・ポイントは、自分をぐんと低くして、相手の都合をじっと思いやることにある。そして、そっと身近な位置に寄り添って、喜んでもらえるように行動していくのだ。
●広告がいま生活に溶け込みきれていないのは、接触したいターゲット、すなわちユーザーのお役に立てていないからではないだろうか?だったら広告は、もっとユーザーの役に立つサービスになることを考えればいい。たとえば、電車の乗り換え案内のように。
●「未来のテレビはYouTubeとTwitterが合体したようなものになるだろう」・・・未来のテレビ像には大きく三つのチャンネルがある
・公式チャンネル(いままでと同じ)
・フレンドチャンネル(自分の友達がみている番組)
・リコメンドチャンネル(視聴履歴から推測されたオススメ番組)
●いまや人々はどこかの"族"に属するというよりも、自分の中に"属"する複数の嗜好(属性)をフラットな状態で同居させながら、日々を過ごしているのだ。こうした個人が所有する多様な"属性"のことを、ウェブ世界の言葉にヒントを得て「タグ」と呼んでいる。・・・ようするにウェブユーザー(いまの人々)は、検索によって自分が興味を持てそうなタグにアクセスしながら、それらと「ユルく広くつながっていたい」のではる。
●「ミクシィ年賀状」がその典型だが、バラバラになった人々が、バラバラな嗜好を持ったまま参加できる=ユルくつながれる仕組みをつくること。ウェブのコミュニケーションでは、それが肝要だ。
●広告論を語るとき、私はいつも「メディアは変わる、人間は変わらない」というひと言から話し始める。大衆から分衆へ、そして個々のユーザーへと生活者像は変わりつつあるが、人間そのものの本質が変わったわけじゃないのだ。
●いまの広告=(ウェブ+PR)×テレビ
●gooでの検索数を伸ばしてほしいという依頼に対して、「gooで検索してくださーい」という表現での訴求をしていない。それよりも、gooで検索すると楽しめるようなサービスを開発し、そのことが話題になって、多くの人がgooで検索したくなれば、広告課題を解決できるのではないか。そう考えたのである。
●多くのCMは企画の段階で、ユーザーに商品のことを「どう伝えるか」を考える前に、条件反射的に「どう表現するか」を考えてしまっているのではないか。別の言い方をすれば、本来「手段」であるはずのクリエイティブが、「目的」になってしまっているような気がするのである。
●ユーザーの反応に真摯に向き合わないどころか、ユーザーの反応も気にしないクリエイターなんて、そもそも広告クリエイター失格だと思う。これは、時代が変わろうと、人々がどうなろうとも、永遠不変の正論だ。
●モノが売れない時代なんだから、"モノを動かす仕組み(サービス)"そのものを広告的な発想で開発すればいいんじゃない?
●CGMにアプローチする時に一番マズイのは「CGMを使ってやろう」といったエラそうな考え方だ。あくまでも、「CGMの仲間にいれてもらう」という謙虚さが絶対に必要だ。なぜならCGMのユーザーたちは「プロの参入」も「資本の投下」も、基本的には歓迎しないからだ。
●ユーザーに愛される五つの極意
1.つっこまれクリエイティブ
→ユーザーが"つっこみ"を入れられる余地を残す
2.ルールクリエイティブ
→「簡単なひとつのルール」によってユーザーの創造力を刺激する
3.コンテンツ消費からコンテクスト消費へ
4.仮説検証から仮説探索へ
→市場に投げてみて、ユーザーの反応を見ながら正解を探しつづける
5.全員シロートの時代
●スポーツ新聞の一面に記事が載るような広告を考えろ!
●広告制作の五大ハードル「新しいか?」「見たことないか?」「わかるか?」「企業や商品のシズルがあるか?」「荷(商品)が動くか?」
●広告クリエイターは、商品の一ユーザーとしての視点を忘れてはならない・・・「ユーザーを見ろ、クリエイティブを見るな」
●富野監督が、ウェブ界のトップクリエイター中村勇吾さんと対談したとき、中村さんから「ストーリーの機能とは何か?」と訊ねられて、次のように答えていたのが印象的だった。
「あらゆるコミュニティの核には、必ずストーリーがあります。ストーリーの働きとは、人を集めてコミュニティを形成することです。そしてストーリーはすべて、その時代の要請に応えて現われるのです」。
それを聞いて私は思った。「使ってもらえる広告」がユーザーコミュニティで実施されるものだと考えたとき、そこになんらかの形で"ストーリー"を付加することができれば、より多くの人が集まり、その場所に愛着を持ってもらえる。続きを読む投稿日:2010.10.13
このレビューはネタバレを含みます
1.使ってもらえる広告
レビューの続きを読む
■学んだこと
▼今の広告の世界
・生活者への向き合い方が不十分なせいで、コミュニケーションが成立しにくくなっているところが少なからずある。
▼広告はまだやれる、しかし変わ…る
・いわゆるマス広告が、これまで大量生産、大量消費の経済で果たして来た役割を、終えようとしている。
▼ユーザーとの付き合い方
・通常ならば、キャンペーンはこちらの決めた時期に終わるのが当たり前だし、
それで不都合もなければ、何の不評も出ないはずなのだが、
ユーザーとじかに接しながらコミュニケーションを親密に積み重ねていると、そういうわけにもいかなくなる。
▼ユーザーと企業の間に立つということ
メッセージの送り手は、とにかく何をすればユーザーに一番喜んでもらえるのかを、いままで以上に丁寧に考えていく必要がある
⇒いまの時代に求められているのは「プロモーションになりうるサービス開発」であり、「サービスとしての広告」。
▼オバマキャンペーンに最高の賞を捧げることで、カンヌ国際広告祭が世界に向けた発信しようとしたメッセージ
・オバマ候補が大統領になれたのも、「広告コミュニケーションの力」である。
・アメリカ合衆国大統領選挙という、世界最大の宣伝キャンペーンでさえも、
有効な「媒体」とその「使い方」が、従来から大きく変わった。
▼どう伝えるか、ということ
・素晴らしいCMはごく少数に過ぎない。多くのCMは企画の段階でユーザーに商品のことを「どう伝えるか」を考える前に、
条件反射的に「どう表現するか」を考えてしまっている。
⇒気付かない間に「手段」であるはずのクリエイティブが、「目的」になってしまっている。
▼いい広告とは
接する人の数にかかわらず、ユーザーが動かない広告は、ダメな広告だある。
・前傾30度
ネットユーザーの姿勢は前傾30度であり、能動的でせっかち。
ちょっとでもつまらない感じるとたちまち離脱してしまう。
▼ウェブがやってしまったこと
「広告宣伝費の半分は無駄である。ただし、どの半分かがわからない」
という揶揄される言葉があるが、その分からなかった半分を分かるようにした。
▼ウェブにおいて求められる価値
・どんなによくできたコンテンツであっても、ウェブの世界では「鑑賞して終わり」じゃ意味が無い。
何がしかの体験なり、サービスを提供できて、初めて進化を発揮する。それがウェブにおいて求められる価値である。
・ユーザーは電車の乗り換え案内のような面倒なものがあるからこそからウェブを利用する。
だからこそ、ウェブの中にまた面倒なサイコンテンツがあったら利用しない。
▼使ってもらえるということ
・「使ってもらえる」は、広告にかぎらずデジタル化の進んだ現代社会のさまざまなシーンで「使える」と思う。
今の時代のコミュニケーション作法を考える上での最重要キーワードである。
▼CGMの仲間に入れてもらう
・CGMにアプローチするときに一番マズイのは「CGMを使ってやろう」といった考え方を持たない。
あくまでも、「CGMの仲間に入れてもらう」という謙虚さが必要。
▼ユーザーに愛される五つの極意
・つっこまれクリエイティブ
・ルールクリエイティブ
・コンテンツ消費からコンテクスト消費へ
・仮説検証から仮説探索へ
・全員シロートの時代
▼人間が変わらない限り、広告の基本原理は変わらない。
・いくらテクノロジーが進化し、その手法やスタイルが変わろうとも、
広告に求められる物は、本質の部分では、これまでとまったく変わらない。
人間の欲しい物全ては、昔から存在しており、メディアだけは確実に進化していく。
▼広告制作の5大ハードル
①新しいか?
②見たこと無いか?
③わかるか?
④企業や商品のシズルがあるか?
⑤荷(商品)が動くか?
▼ユーザーが一番エラい
・広告の場合、そのコミュニケーションが商品の価値をきちんと伝えているか、
グッとシズるか、そして商品が欲しくなるかどうか、みんなの役に立っているかどうか。そういったことが重要である。
■実践していける事
①広告でなくとも、便利なWEBサービスを利用して、それをどのようにコミュニケーションに落とし込めるか考えてみる。
②自身もCGMをもっと活用してどういったものがインターネットユーザーに受けるのか、考え抜く。
③知恵袋を活用して、仮説検索を行ってみる続きを読む投稿日:2019.08.29
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