イタリアの都市から学ぶ日本の小都市の可能性 [都市環境デザインセミナー]
井口勝文(著)
,江川直樹(著)
,若本麗湖(著)
,難波健(著)
/学芸出版社
作品情報
2010年12月の都市環境デザインセミナーでは、中部イタリアの小都市メルカテッロに住まいを求め、家族とともに地元に溶け込んだ生活を体験しておられる井口氏に、イタリアの小都市の風景、食べ物、くらしとコミュニティ、文化と宗教、仕事と休みといった日常の生活メッセージをどのように受け止めたのか、日本が学ぶべき点はなにかを報告いただきました。また2009年の海外セミナーでイタリアを訪れ、井口氏の思いにふれたメンバーから日本とイタリアの違いと学ぶことの可能性について報告をいただき、これらをもとに異なる文化と歴史を踏まえた日本の小都市の発展に向けて議論しました。本書はその記録です。
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この作品のレビュー
平均 3.0 (1件のレビュー)
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街づくりの中心にすばらしい風景を守るというコンセプト
イタリアの田舎町で築500年の廃屋を再生するなかから見えて来た日本との違いを元に日本の小都市の方向性を提案している。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=5151…
街づくりの中心にすばらしい風景を守るというのがコンセプトの様で、人口1500人のどこにでも有る田舎町メルカテッロを題材にしている。リンク先のPDFに街の様子や廃屋の再生の様子がのっているが確かに美しい風景だ。一方での不便さはあるのだろうが。
イタリアは人口6千万ほどで面積は日本の3/4、人口100万人以上の都市はローマとミラノのみで人口20万人を超える都市は計13。人口10万人を超える都市は大都市扱いになる。日本では人口10万~50万規模の都市に住む人口が多いが、イタリアでは1万~10万規模の小都市に住む人口が多い。同じように山がちと言いながらも比較的なだらかな丘陵地帯が拡がるイタリアと、いくつかの平野部に人口が集中する日本という条件の違いは有るにせよ、それだけの差ではない。
イタリアの街は中心に広場があり、日常的にバールに人が集まり、イヴェントが行われる。伝統的な街並を守るために旧市街に全ての開発をストップしたのが1967年、その結果中心部人口が減り郊外の無秩序な開発が進んだ。1969年頃から地方への権限委譲が進み、立法権は州(日本の県くらいのサイズ)に行政権はコムーネ(村とか町のサイズ)に移っていった。同時に歴史的中心市街地と郊外をセットで開発を考えるようになり旧市街が再生されだしたらしい。
2000年に地方自治統一法が制定され、2001年に憲法が改正された際憲法114条は次のように変わった。
「共和国は、州、県、およびコムーネに区分される」→「共和国は、コムーネ、県、大都市、州および国から成り立つ」
ピラミッド構造の国からネットワーク構造の国へと大きく変わったということらしい。
イタリアも日本同様農業人口が大きく減りメルカテッロでは耕作放棄地が3/4になってしまっている。方向としては地域ブランド化した集約農業を目指すとあり日本とそう変わらない。製造業はいわゆる地場産業が多い建具の修理や食品加工、自動車整備など。窓や扉は大量生産の既製品ではなく注文生産なので大工や建設業は大きな地場産業になっている。イタリアでは半径20Kmの経済システムが出来上がっていてそれとは別にグローバル経済のある二重構造になっている。
そうは言っても日本の場合はイタリアと同じにはならんよなあと言うのが感想。効率性と風景の両立がどこまでできるか、出来ない場合にどっちをとるか、その時に住民の意思をどうやって反映させるか。基本線は地方分権を進めましょうなんでしょうね。
続きを読む投稿日:2014.01.01
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