考えるヒント3
小林秀雄(著)
/文春文庫
作品情報
柳田国男の著者に、柳田学徒の見落としている意味を的確に読みとり、現代知識人の見落としを鋭くついた書き下ろし新稿「信じることと知ること」を加えた待望の「考えるヒント」シリーズ第三弾! 講演というはなし言葉にくだいた形式による著者の批評のエッセンスを集成。ほか「美を求める心」「ゴッホの病気」「ドストエフスキイ七十五年祭に於ける講演」「喋ることと書くこと」「悲劇について」「歴史と文学」など、十三のテーマを収録した。
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商品情報
- シリーズ
- 考えるヒント
- 著者
- 小林秀雄
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 1985.01.01
- Reader Store発売日
- 2011.11.25
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 272ページ
- シリーズ情報
- 既刊4巻
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この作品のレビュー
平均 4.7 (9件のレビュー)
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信じることと知ること
現代人、とりわけ理性的な人は、科学的なもののみを思考の対象としていますが、では、世の中で経験される合理的・科学的でないものをどう考えるべきかが問題提起されています。
現代人は、合理的精神で説明がつか…ないものをナンセンスだと言って、思考から捨て去っています。合理的であることは、近代社会の中で効率的に生活していくうえでは重要なことですが、果たして捨て去ったところにあるものをどうすればいいのでしょうか。確かに、科学で説明できないことが、我々の周りでは経験されているのではないでしょうか。
小林秀雄が強い影響を受けた哲学者ベルグソンのことが引用されています。ある講演会にてベルグソンが聴講していたときに、超自然現象に関する話題で質疑が行われました。ある婦人は、夫が戦死した時刻に、夫の死ぬ様子を夢に見たと言ったのに対して、ある医者がその婦人の事例に直接触れず、世の中には他に幻を見たけどそれが誤りだった事例がたくさんあると答えました。それを聞いた別の若い女性が「先生のおっしゃることは論理的には正しいかもしれませんが、何か先生は間違っていると思います。」といったそうです。ベルグソンもその若い女性が言っていることが正しいと思ったのです。
その医者は、婦人の話を直接扱わないで、別の問題にすり替えてしまったわけです。しかしその婦人は自分が実際に経験したことを話したわけです。科学者は経験を尊重しますが、それは我々が普通に経験しているものとは違う科学的な経験に置き換わっているわけです。科学は、我々が生活の上で行っている広大な経験を合理的な経験に置き換え、計量化できるものだけを扱っています。科学はその計量化された経験だけに集中したが故に、大きな成功を収めているのですが、反面、切り捨てられている経験がそこにはあるはずです。
ベルグソンや小林秀雄は、普通の意味で理性的に話していますが、しかし、それは科学的な理性ではないのです。科学の狭い方法では扱えないものがたくさんあるのではないのでしょうか。
合理性の外側で広大に経験される世界に話は広がります。柳田国男の「遠野物語」の話に触れて、山の生活は我々平野人には忘れ去られた深遠なる経験の世界が残っているのだというのです。
合理的であることという現代人にとって極当たり前な考え方に縛られて、あまりにも合理的に現代社会を生きることだけに注意を凝らして、この世の中を見たり聞いたり感じたりしていなかったのではないのだろうか、そういう反省が心のうちに自然と湧き出てきます。
続きを読む投稿日:2014.10.05
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死はそれを感じ、経験することで初めて言葉にできる。
美しいモノを前にした時、言葉は目の邪魔になる。
言葉は人間の理解と行動のための道具にしかすぎない。
感動は消えてしまう。
美しさを感じるために…知る。
耳を澄ますとは、音楽の明示する音を絶対的な正確さで捉えること。
私の人生から割出した結論。
自分を受け入れる、過去現在を。
自分なりの文体を持つ。
働くことが平和なのである。
続きを読む投稿日:2021.03.23
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