連合赤軍「あさま山荘」事件
佐々淳行(著)
/文春文庫
作品情報
動員された警察官のべ十二万人、集まった報道陣は六百人、負傷者二十七人、そして死者三人。テレビ中継の視聴率は、史上最高を記録。厳寒の軽井沢の山荘で、いったい何が起きているのか? 人質、牟田泰子さんの生存は? 警察官の発砲は許されるか? 十日間にわたって繰り広げられた、戦後警察史上最悪の事件の一部始終を、水もおにぎりも瞬く間に凍るという現場で指揮をとった著者が、メモを基に克明に再現した臨場感あふれるノンフィクション。話題の映画化の原作。
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商品情報
- シリーズ
- 連合赤軍「あさま山荘」事件
- 著者
- 佐々淳行
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 1999.06.10
- Reader Store発売日
- 2011.11.04
- ファイルサイズ
- 1.5MB
- ページ数
- 349ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (59件のレビュー)
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警察官にだって人権はある。
「今日は本当に久しぶりに『休暇』を頂きましてこれから『軽井沢』へ行ってまいります」
と皮肉な口調で先輩に言う著者は、警備局付警務局監察官、という地位にあった。
「ご存じないんですか?連合赤軍が軽井沢…に潜伏してて、いま機動隊と銃撃戦やってんですよ。私は長官の指示で派遣幕僚としてこれから軽井沢、行くんです」
「そうか、知らなかった、それはご苦労さん、気をつけてな」
と先輩。縦割り行政の弊害か、この善良そうな先輩は世間を震撼させたその事件を知らなかったらしい。
学園紛争の真っ最中だった1960年代。著者たち警察官たちは東奔西走、全国各地でバリケード封鎖された大学への”城攻め”を毎日のように行い、多くの負傷者と検挙者を出していた。
警察官だけでなく、その家族も爆弾テロなどにより殺された。まさに、”警察戦国時代”であったという。
この頃の話については、一般の学生として見ていた人の話を聞くことはよくあるが、
警察側の話を聞くのは初めてだ。
連合赤軍をめぐる話は永田洋子らによる壮絶なリンチ殺人の方に関心が行きがちだが、
本書はこの事件を通して日本の治安行政の優先順位が低く、いかに警察官の命が安く扱われているかを伝えようとしている。
例えば、爆発物処理の危険手当は一件140円。畜産試験場で馬の種付け手当が210円という時代に、だ。
連合赤軍と戦いながら、一般の右翼からも左翼からも非難される警察とは一体何なんだろう?
そして、警察内部にも問題がある。
山荘包囲中に指揮系統が乱れ、警官2名が銃撃されるという事件があった。
親切なのかお節介なのか、現場をかき乱すような指示も警視庁から来る。
「決死隊から長男ははずせ」
日露戦争の時代とは違うんです。次男、三男なんて貴重品で今時ほとんどが長男。
決死隊員はすべて志願者です。それ以上何をお望みなんですか。
・・・そりゃ、著者の言うとおりだろう。
時々「日露戦争の頃じゃあるまいに・・・」な場面が出てくる。
が、著者自身もまた「武士」である。こういうのが警察官の標準なのかはよくわからないが、
とにかく、山荘突入というところになると、まさに戦場である。
死ぬなよ、皆。
著者の悲痛な願いは届かなかった。
畜生っ、こんなに一方的に撃たれて犠牲者が出ているのに拳銃を撃ち返しちゃいかんという法があるか。
警察官にだって人権はある。
史上空前の89.7%の高視聴率を記録した「連合赤軍あさま山荘事件」。
お茶の間で見ていたという人も、後から本で知ったという人にも
この「警察から見たあさま山荘事件」は新鮮なものだろう。続きを読む投稿日:2014.10.08
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最前線の指揮者が語っているだけあって臨場感と生々しさに溢れている。あの後藤田さん指名のプロジェクトチーム体制だったのですね。
東大籠城よりも更に武装度合いと過激さを増した者たちを相手にした現場警察官の…方に頭が下がる。安い給料で文字通り命を張っていたのだな。
静香な人は昔から静かじゃなかったようだな。続きを読む投稿日:2023.02.18
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