暴走する原発 チェルノブイリから福島へ これから起こる本当のこと
広河隆一(著)
/小学館
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チェルノブイリから福島へ 戦慄の明日
チェルノブイリ原発事故以降、ウクライナとベラルーシ、周辺諸国でどのように汚染が広がり、人々が食べ物から被曝していったか、5年後、10年後のデータで明らかにしていきます。
2011年5月1日現在、日本の子どもたちが通う福島県の幼稚園・小・中学校で暫定基準とされた放射線の年間被曝許容量は、ウクライナで強制避難地域とされた土地で年間に被曝する放射線量の4倍です。このままでは、チェルノブイリの被曝の悪夢が、日本で再現されてしまいます。
50回以上チェルノブイリ原発事故被災地の取材を重ねた著者が、現地と協力して93年に避難民健康調査をしたデータも掲載。事故直後の政府からの「健康に影響はない」発言、避難地域をなるべく小さくしようと動いたこと、食べ物の放射線基準値の引き上げ…旧ソ連と2011年の日本は同じ事が起きているのが読み進むにつれて戦慄をもって迫ってきます。
これから福島がどのように復興していく道があるのかを考えるための必読書です。
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この作品のレビュー
平均 3.8 (10件のレビュー)
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チェルノブイリ事故の直後から継続的に取材を続け、「チェルノブイリ子ども基金」の代表も務めた筆者が、福島第一原発事故から二ヶ月後の時点でまとめた1冊。第二章〜第六章は、絶版となった広川の著書『チェルノ…ブイリの真実』(講談社)の一部を抜粋、加筆したもの。当時のソ連政府当局――とくに医療グループ――の対応が、2011年の東京の政府の言動や発想と似すぎていて、腹立たしくなる。広河の言う通り、かれらは「チェルノブイリ事故から、「都合の悪いことは隠す」ということしか学ばなかった」のだ。
チェルノブイリ事故の結果、ロシア・ウクライナ・ベラルーシで起きたことは、まず間違いなく南東北と北関東で起きるだろう。そこに住む人々全体を広く薄く被曝させようとする動きは、いままさに起きていることでもある。にもかかわらず、ここをモデルに〈観光する〉とは、いったいどういう神経をしているのか。
その場所に住まない人間であるかぎり、人間が他の場所を訪れることは、論理的にはすべて〈旅〉とならざるを得ない。しかし、〈旅〉と〈観光〉は、似ているようで根本的に違う点がある。〈観光〉は、あらかじめ決まったルートを、自分の主体性というフレームを動かさず、既存のイメージを確認し、上書きするだけだが、〈旅〉はそうではない。いまはそこに住んでいない人間であるという自覚のもと、にもかかわらず自らの身体を、そこでの出会いが自らの言動・行動・思考・発想を変化させていく契機となる可能性を開いておくこと。
消費者として、「ダーク」なイメージを享楽し、そこに〈カネを落として〉いくという発想は、金満社会のコンビニ世界で安逸に暮らしている人間の傲慢さのあらわれ以外ではない。それが「日本のポスト・モダン」(柄谷行人)の成れの果てだとすれば、あまりに寂しい。続きを読む投稿日:2013.07.24
原発の問題は本当に根が深いです。チェルノブイリ事故が今どうなっているのか? 過去にアメリカでもあった原発の深い問題。。これを読むと本当に東京に住めるのか、日本に住めるのか? と不安になります。
投稿日:2015.11.02
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