【感想】暴走する原発 チェルノブイリから福島へ これから起こる本当のこと

広河隆一 / 小学館
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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ブクログレビュー

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  • チャーリーTAKA

    チャーリーTAKA

    原発の問題は本当に根が深いです。チェルノブイリ事故が今どうなっているのか? 過去にアメリカでもあった原発の深い問題。。これを読むと本当に東京に住めるのか、日本に住めるのか? と不安になります。

    投稿日:2015.11.02

  • ブルーグラス

    ブルーグラス

    半分くらい読み途中段階でのメモ。

    チェルノブイリの話が大半。
    当時の各国の混乱はとても伝わってくるので、チェルノブイリ資料としては良いのでは。

    ただ、今の福島の話じゃないなあ、というのがとてももどかしくて、気になる。
    実際、3.11直後の本らしいので、流石に情報が古いと感じる。
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    投稿日:2014.11.18

  • mmcit

    mmcit

     チェルノブイリ事故の直後から継続的に取材を続け、「チェルノブイリ子ども基金」の代表も務めた筆者が、福島第一原発事故から二ヶ月後の時点でまとめた1冊。第二章〜第六章は、絶版となった広川の著書『チェルノブイリの真実』(講談社)の一部を抜粋、加筆したもの。当時のソ連政府当局――とくに医療グループ――の対応が、2011年の東京の政府の言動や発想と似すぎていて、腹立たしくなる。広河の言う通り、かれらは「チェルノブイリ事故から、「都合の悪いことは隠す」ということしか学ばなかった」のだ。

     チェルノブイリ事故の結果、ロシア・ウクライナ・ベラルーシで起きたことは、まず間違いなく南東北と北関東で起きるだろう。そこに住む人々全体を広く薄く被曝させようとする動きは、いままさに起きていることでもある。にもかかわらず、ここをモデルに〈観光する〉とは、いったいどういう神経をしているのか。
     その場所に住まない人間であるかぎり、人間が他の場所を訪れることは、論理的にはすべて〈旅〉とならざるを得ない。しかし、〈旅〉と〈観光〉は、似ているようで根本的に違う点がある。〈観光〉は、あらかじめ決まったルートを、自分の主体性というフレームを動かさず、既存のイメージを確認し、上書きするだけだが、〈旅〉はそうではない。いまはそこに住んでいない人間であるという自覚のもと、にもかかわらず自らの身体を、そこでの出会いが自らの言動・行動・思考・発想を変化させていく契機となる可能性を開いておくこと。
     消費者として、「ダーク」なイメージを享楽し、そこに〈カネを落として〉いくという発想は、金満社会のコンビニ世界で安逸に暮らしている人間の傲慢さのあらわれ以外ではない。それが「日本のポスト・モダン」(柄谷行人)の成れの果てだとすれば、あまりに寂しい。
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    投稿日:2013.07.24

  • 有坂汀

    有坂汀

    この本は50回以上にわたってチェルノブイリ原発事故被災地の取材を重ねた著者が描く「フクシマ元年」の未来です。読み進めるたびに戦慄を覚えますが、テレビでいっていることがいかにウソがおおいのかわかります。

    まさか自分が中学・高校時代に原子力爆弾の映像や核戦争後の地球、なんてものを見ていたことや、NHKスペシャルでチェルノブイリ原発事故のことを特集していた番組を見ていたことがこういう形で役に立つとは思っていませんでした。多分、この記事を書いている現在でも、原発事故が起こった福島の第一原子力発電所では今も「死を覚悟して」まさに作業員が文字通り「人柱」となって復旧作業に勤しんでいるはずです。そしてこの本は、チェルノブイリ原発および、その周辺の国々を長年にわたって取材してきた筆者がつづる記録は圧倒的なリアリティを持って、私たちにこれから起こるである「未来」を突きつけてきます。

    僕はほぼまったく見ていませんが、テレビで「放射能は安全だ」ですとか。「事態は収束に向かっていいる」という「高名」な学者たちの言っていることがいかに原発産業と経済産業省にキンタマを握られていた上で言っているのかがよくわかります。この本の記述にある「2011年5月1日現在、日本の子どもたちが通う福島県の幼稚園・小・中学校で暫定基準とされた放射線の年間被曝許容量は、ウクライナで強制避難地域とされた土地で年間に被曝する放射線量の4倍」という話や、50回以上チェルノブイリ原発事故被災地の取材を重ねた著者が、現地と協力して93年に避難民健康調査をしたデータも掲載されており、チェルノブイリで起こったことを丹念に調べていくと、
    「直ちに健康に被害はない」
    ということがいかに大ウソであることがよくわかります。

    そして僕が一番戦慄を覚えたことが、ちょっとした拍子で被害を受けた地域で取れた肉の上に、フィルムをおいていたところ、何もしていないのに肉の繊維がフィルムに現像されていた、という話で、今後、この人災がどれだけの被害になるのかは見当もつきませんが、経過を見守っていくことしか、僕にはできません。
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    投稿日:2011.12.11

  • akke

    akke

    DAYS JAPANを読んで、この本を知った。
    DAYS JAPANの現編集長の著、チェルノブイリ取材をしてきた経験から、「チェルノブイリから何を学ぶか」という点で、福島原発について解説する。取材時は写真・取材担当、広瀬隆さんが執筆。チェルノブイリの話が多い、絶版になった本に福島の内容を入れて再出版したもの。
    チェルノブイリでも事実隠蔽、安全基準値を政府があげたり、食品による内部被曝が起こった。結果、癌・白血病が発生。日本はチェルノブイリの教訓を生かして対応しているだろうか。
    他の著「チェルノブイリ消えた458の村」も読んでみたい。
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    投稿日:2011.11.18

  • funatotai

    funatotai

    写真家でありジャーナリストの広河隆一氏が
    核の問題に取り組み始めたのは、
    チェルノブイリ事故の翌年、1987年秋のこと。
    事故から3年後には被災地を訪れ、
    その後、何度も被災地を訪れるようになり、
    年間訪問を続けた後「チェルノブイリ子ども基金」を立ち上げて、
    その後も引き続き、実際の支援活動を継続している。

    この本は、長い間のチェルノブイリとの関わりから知り得たことをまとめた
    『チェルノブイリの真実(1996年・講談社)』を加筆したもの。
    全体の7割近くは、チェルノブイリで起こったことの報告になっている。
    福島の原発事故後に加筆されたのは、量的にはわずかではある。

    しかし、この本で私たちが目にするのは、
    チェルノブイリのことであって、チェルノブイリのことではない。
    あまりに生々しく、福島と重なるのだ。
    恐ろしさに震えてしまうのだ。

    ただ残念なのは、『チェルノブイリの真実』で使われる単位と
    現在よく耳にする単位とが異なっているため、
    とても分かりにくいことだ。
    何で異なった単位が登場したのだろう?
    なぜ国際的に統一した単位体系を確立しないのだろう?
    何か意図があるのか、とさえ思ってしまう。
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    投稿日:2011.10.14

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