
ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~
三上延
メディアワークス文庫
番外編のようで番外編ではない??
前巻(7巻)のあとがきに、大輔視点という物語上の成約で語れなかった話、前日譚や後日談を番外編にするということが書いてあったかと思います。 それが本書になります。 また、時代も当時から時間軸が進んで現代の2018年の秋のビブリア古書堂が描かれています。 大輔と栞子がその後どうなったのか…は表紙を見るとわかるとは思いますが。 番外編へといえど、今までのお話が好きだった方にはこちらも問題なく好きになるお話だと思いますので、購入を躊躇されている方もぜひ読んでください。 ちなみに、この電子書籍の最初のページは表紙のアップ、最後の方のページには開いたカバーの全部が掲載されています。
2投稿日: 2018.09.24
瑕疵借り
松岡圭祐
講談社文庫
瑕疵物件を通して泣ける物語
今回は久々の現代もの 瑕疵物件と聞くと孤独や悲しさが想起されますよね まぁ、そこはその通りなんですけど… それはなぜ瑕疵物件となってしまったかの物語 その物語を読んだときにはほろっと泣ける事実が待っています 賃貸物件に関しては基本的には前の住人が住んでいたはず つまりは住んでいた人の人生の一部がが詰まっているんですね 自分が住んでいる物件は瑕疵物件ではないけれど、 前の住人はどんな人だったのかなとつい思いを馳せる物語です なお、短編なのですごい読みやすいです おすすめです
0投稿日: 2018.05.16
血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?
森博嗣
講談社タイガ
百年シリーズとのつながり
すでに百年シリーズとのつながりは示唆されていたけれど、本作はその点が色濃く表れています 読んでいて感慨深いものが… そして、またまたあの方の登場が… Wシリーズはあと2巻を残すのみ 最後まで驚く展開となるでしょう
0投稿日: 2018.03.11
キャロリング
有川浩
幻冬舎文庫
また泣いた…
分かってた。分かっていたけど…また有川浩に泣かされた… 30超えた男なのに… 有川浩さんの作品はかなり読んでいるけど、毎度泣かされたり、感情が揺さぶられます。 今作も同様でした。 誰もが辛いことや不幸なことを経験する。 誰かと比べたくなる。 だけれども… 「比べったって仕方ねえだろ、そんなもん」 作中の言葉に気付かされました。 最後には心が暖かくなることは間違いないのでおすすめです。 ちなみにこの本を読むとハルジオンとヒメジョオンの簡単な見分け方が覚えられます。
2投稿日: 2017.12.15
掟上今日子の裏表紙(単行本版)
西尾維新,VOFAN
講談社
本書もかなり面白い!!
『今日子さんには今日しかない』でお馴染みの忘却探偵シリーズの9巻目 まず目を引くのは表紙じゃないでしょうか。 もしや、囚人服!? なお、紙の書籍ではカバーの裏も表紙になっていて、別のイラストが書かれています。 まさに裏表紙… 電子書籍の場合は2ページ目に裏表紙のイラストが載っていますので安心してください。 本作は1冊でまるっと1話の長編です。 しかしながら、相変わらずサラッと読めます。 なお、隠館厄介は大活躍します。 表裏一体が織りなす物語。 表があれば裏があるということをこれでもかと思い知らされる本書を是非読んでみてください。 ちなみに私は本書の最後の一文で次巻がものすごく楽しみになりました
0投稿日: 2017.05.25
黄砂の籠城(下)
松岡圭祐
講談社文庫
上巻を読んだならば…
上巻を読んだならば是非読んでいただきたい!! 4,000人を20万人の義和団から守ったこの日本人達のことを自分は知らなかった。 この「義和団事件」の後、日本人は世界から賞賛され、日本が列強国として認められることになったとは。 世界で活躍した日本人は多くいるが、日本人として初めて世界に賞賛されたのが柴五郎だったのではないか。 この本を読んでそう思いました。 いつもはミステリーを書いている作者がなぜこの歴史小説を書いたのか。 それは世界に見せつけた日本人の誇りとなるこの日本人達の活躍をどうしても書きたかったからかもしれない。
5投稿日: 2017.04.16
黄砂の籠城(上)
松岡圭祐
講談社文庫
作者初の歴史小説にして傑作
今まで「万能鑑定士Qシリーズ」や「探偵の探偵」、「水鏡推理」等を書いてきた作者が 急に歴史小説を出したため、かなりびっくりしました。 内容は「義和団事件」を題材にしたもの。 自分は知らなかったのですが、明治維新から30年後に当時の清で起きた事件が題材となっており、 義和団によって孤立した列強11カ国の公使達がいかにして籠城したか、また、11カ国をまとめあげたある日本人のことが書かれています。 歴史小説と言えども、読みやすい。 ただ、命を掛けた人々の話であるので暗い面もあります。 また、ミステリー的な側面も。 「日本人こそ最高の勇気と不屈の闘志、類稀なる知性と行動力をしめした、素晴らしき英雄たちである。」と 当時のイギリス公使に言わしめた日本人の活躍を知りたい方はぜひ一読を。
5投稿日: 2017.04.16
追憶の夜想曲
中山七里
講談社文庫
予想を遥かに超えて…
大した報酬にならない弁護を今回何故御子柴は受けるのか。 それは最後の最後までわからない。 見せ場はやはり法廷シーン。 次々に明らかになっていく謎はまさに圧巻。 正直完全にやられました…と言うしかない。 次巻はどうなっちゃうんだろ…読みたくてたまらなくさせる作品が本作にはあります。 内容にはあんまり触れられないけど前作の「贖罪の奏鳴曲」から是非読んで欲しい作品です。
7投稿日: 2017.04.16
贖罪の奏鳴曲
中山七里
講談社文庫
法曹界のダークヒーロー
主人公は法曹界で悪名の高い弁護士の御子柴礼司。 彼に苦渋を飲まされた検事や依頼人は数多く… 被告人の弁護をする上で明らかになっていく事件の全容と主人公御子柴の過去。 なぜ、「贖罪の奏鳴曲」というタイトルかは読んでいけばわかる仕組みになっています。 それにしても法廷でのシーンは鮮やかであり、結末に至るどんでん返しも圧巻。 次作の「追憶の夜想曲」も即購入・即読了してしまいました。 中山七里さんの作品を読むのは本作で初めてでしたが、 本シリーズのみならず他シリーズも含めて読んでみたいという気にさせる、そんな作品でした。
3投稿日: 2017.04.16
キネマ探偵カレイドミステリー
斜線堂有紀
メディアワークス文庫
三上延のおすすめの小説ということで
「ビブリア古書堂~」シリーズの三上延のおすすめということで読んでみました。 内容は作中の日常に起きる事件を解決する際、安楽椅子探偵…もとい奇しくも引きこもり探偵として 映画の知識を披露しながら解決をしていく物語となっています。 主人公の奈緒崎は引きこもっていて大学に来ない嗄井戸高久を大学に来させるため、 彼の家に行くことから物語が始まりますが… 文体はちょっと独特で、嫌いな人がいるかもしれませんが、自分は結構好きな方で 冗長ととれる口語もありますが大学生の会話としてはありかなと思いました。 作者のデビュー作ということもあり、荒削りで強引な展開もありますが 今後の主人公たちの活躍も読んでみたいと思いました。
5投稿日: 2017.04.16
