麦の海に沈む果実
恩田陸
講談社文庫
理瀬シリーズ第1弾!
理瀬シリーズは本作に始まり、「三月は深き紅の淵を」「黒と茶の幻想(上下巻)」「黄昏の百合の骨」・・・と続きます。 もう何度も読み返しましたが、何度読んでも面白い。 本作は、理瀬が学園に在学中の話。 誰もが羨む美少女の理瀬は、実は在学前の記憶をなくしている。 ここは「三月の国」。 そんな、たくさんの秘密を内包する学園で起きる殺人事件。死んだはずの少女の存在。 理瀬はどんな少女だったのか。 なぜ記憶をなくしてしまったのか・・・。 独特の世界観と、登場人物たちの魅力に、読むごとに引き込まれます。 こんなにドキドキする作品はそうはないと思います。
1投稿日: 2015.07.25夢違
恩田陸
角川文庫
夢が可視化される
映像として「夢」を可視化する技術が確立してから20年余り。自分の夢や他人の夢をも「夢札」を通して「見る」ことができる。 浩章は、かつての恋人で予知夢を見る能力が認められていた「古藤結衣子」の死をキッカケに「夢判断」という仕事についた。 「夢は外からやってくる」、人類全体が共有する巨大な無意識から…。そんな巨大な無意識が意志をもったとしたら? 無意識をめぐる事件と、神隠し、死んだはずの古藤結衣子の影。 夢札の存在が定着した世界で育った子供たちに、今いったい何がおきているのか。 その一連の事件の後の、あたたかくて、ほっこり幸せなラストが、とてもよかった。 フロイトの功績に触れているあたりで、かなり心理学的な物語なので、目に見えて壮大な展開や、明快な答えを求める方にはお勧めできないけれど、遠回りしながら世間のさまざまな事象や可能性に触れている、恩田さんらしい作品。
1投稿日: 2015.07.25ドミノ
恩田陸
角川文庫
読むときは東京駅近郊で
7月の保険会社、しかも締切日とあれば、実生活でさえさまざまなドラマが起こるというのに、こんなことが現実に起こったら心臓がいくつあっても足りない。笑 それほど疾走感と躍動感に溢れ、ドラマティックで、とてもヘンテコな物語。 何の繋がりもない個性豊かな登場人物たちが、いくつもの思惑と偶然が絡み合い、大きなうねりとなっていく。 あえてクラシックの曲に例えると『ボレロ』みたいな作品です。 一見、無事解決したかに感じられるラストは、新たな事件の予感を感じさせられる。
1投稿日: 2015.07.25伝え方が9割
佐々木圭一
ダイヤモンド社
わかりやすいです。
誰にでも理解しやすいガイドラインになっています。 佐々木さんご本人が、上手く伝えることが苦手だったということで かなり研究されたのだと思います。 とても丁寧に、わかりやすく、解説されています。 ところどころ、ちっちゃくて可愛らしいキャラクターが描いてあり 目にも楽しく読み進められます♪♪ ただ、もう少しボリュームがあってもよかったかな・・ 少し物足りないように感じました。 そのあたりも含めて、評価は控えめにさせていただきました。
6投稿日: 2014.03.29