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Kotosaliveさんのレビュー
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  • 全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。

    全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。

    雨糸雀,kodamazon

    単行本

    いい塩梅のヤンデレ

    あらすじが内容をこれ以上になく表現しているので、興味が出たらそのまま購読すれば間違いないと思います。 ヤンデレと言っても広義に色々あるでしょうが、軽々に凶器や狂気を持ち出すようなものではなく、ある種理性的で、それでいて本作の言葉を借りるなら「感情が激重」。もちろんその感情はパーティーを救った主人公ただ一人に向かっているのですが、独占するためにヒロイン同士でいがみ合うこともなくパーティのとしての協調は病む前後で変わることなく保たれています。……寧ろ強固になってるかも。 感情を病むきっかけとなったのが冒頭に描かれる出来事で、ヒロインも、また重傷を負った主人公も含めて誰もが手に余る変化に晒されたばかりという中での困惑や決意などがたっぷり描かれています。。

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    投稿日: 2024.09.28
  • 太っちょ貴族は迷宮でワルツを踊る 1

    太っちょ貴族は迷宮でワルツを踊る 1

    風見鶏,緋原ヨウ

    オーバーラップノベルス

    むしろ家を出た後の方が活き活きとしている

    怠惰な生活の末、とうとう貴族の父に見限られて屋敷を追い出された主人公が身一つの冒険者となって生きるためにダンジョンに潜り始めるお話。 物質的に満たされていたもののやるべきことがない貴族の家という環境から出ることになった結果、初めて実直でいて貴公子然とした主人公の顔が見え始めるというのは皮肉なもので。 その日を生きる荒くれた冒険者たちの中では、むしろズレているであろう素直な価値観で尚も突き進む主人公ミトロフの冒険は素材にゆっくりと味が染みていくような活力を感じます。 作者さんの作風というのか、続き物でありながら一冊ごとに綺麗にまとまった読後感の良さがあります。

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    投稿日: 2024.09.01
  • 異世界に転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。 1

    異世界に転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。 1

    蔦屋空,じゃがバター(ツギクルブックス),岩崎美奈子

    アース・スターコミックス

    能力をどう扱うかは当人次第

    異世界ものでいう「能力無双の派手な展開」があるわけではなく、寧ろそういう事を望まれて転移した実姉に巻き込まれる形で異世界に渡った主人公は、これ以上姉に人生を滅茶苦茶にされないように異世界で隠棲する道を選びます。 それはそれとして、無双できるような能力は大量にもらってしまったので、料理に狩りにDIYにと生活を豊かにするのに活用しながら、「気の置けない隣人たち」に手を貸したりして暮らしていく。時折、くすりと笑えるハプニングも挟みながら。 雰囲気まったりですね。絵柄もカワイイ! 原作のことは存じませんでしたが、コミカライズ作者さんの前作もそういう方向性でしたので相性が良かったのかと。

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    投稿日: 2024.09.01
  • 映画大好きカーナちゃん NYALLYWOOD STUDIOS SERIES

    映画大好きカーナちゃん NYALLYWOOD STUDIOS SERIES

    杉谷庄吾【人間プラモ】

    KADOKAWA

    理性的な○○。

    映画大好きポンポさんシリーズでこれまで描かれてきた役者や映画関係者というのは元々何か光るものを持っていてそれを見出されたナチュラルボーンや、映画無しには生きていけないという狂人が主でした。 今回の主役カーナは彼らに比べると狂気もなく、夢見がちでもなく、現実的で理性的。自身の能力を正確に悟っているような節さえあり、「いまいちパッとしない」というキャラでした。それがとある脚本家志望と出会い、映画制作を一から通して関わっていくことで徐々に、時に激しく変質していく展開は何度も読み返したくなります。ポンポさんシリーズで特に好きな一冊です。

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    投稿日: 2023.08.06
  • 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(17) 加奈子if

    俺の妹がこんなに可愛いわけがない(17) 加奈子if

    伏見つかさ,かんざきひろ

    電撃文庫

    ifルートのラスボス

    俺妹シリーズのヒロインの中でも加奈子は本人のズケズケとものを言う性格も相まって京介とは一番気の置けない関係を築けていたんじゃないかと思います。そんな「へっ、お前のこと割と嫌いじゃないぜ!」同士によります加奈子ifルートです。 この話のベースとなっているのは俺妹Pというゲームで、その中で加奈子ルートの位置づけはあやせルートで選択肢を間違えたときのドン詰まりルートという扱いだったんですが、一旦ルートに入ると選択肢もなく一直線で加奈子ルートを最後まで読み切ることになります。 繰り返しますが、加奈子ルートに入ったが最後、ルート変更など起こる余地が無いぐらいに強力なヒロインであると、これを読んで知ることになるでしょう。

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    投稿日: 2023.08.06
  • AR/MS!!(エーアール・マルチプルサヴァイヴ) 1

    AR/MS!!(エーアール・マルチプルサヴァイヴ) 1

    祐佑

    MeDu COMICS

    役になりきって楽しんだもん勝ち!

    好きなコスプレをしてサバゲーをする。なんなら近未来のAR技術で魔法や技を再現できる「AR/MS(アームズ)」!  役になりきった「ロール」をすれば威力は倍率ドン! 更に倍! 魔法少女に憧れる内気な女の子が高校入学を機にアームズの部活で(やや過剰に)自分を開花していくお話。 毎話毎話、展開が練られていて密度があり、何が起こるか分からない。楽しんで読むことが出来ます。どんどん一人歩きする主人公の二つ名にも注目です!

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    投稿日: 2023.08.06
  • となりのフィギュア原型師 1巻

    となりのフィギュア原型師 1巻

    丸井まお

    まんがタイムオリジナル

    工房の愉快な仲間たちの日常

    登場人物の誰も彼もに一癖や二癖というか「癖」があり、常識人枠が不定の職人コメディです。 フィギュアに関心が無くてもサブカルにちょいと興味があればあら不思議という感じにフィギュア製作のあれこれを知りながら楽しく読めてしまいます。

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    投稿日: 2023.08.06
  • 乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル@COMIC 第1巻

    乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル@COMIC 第1巻

    わかさこばと,春の日びより,ひたきゆう

    コロナ・コミックス

    こんな殺伐とした世界で乙女ゲーが始まるはずだったのか

    自身のいる世界が「乙女ゲーム」の世界であり、自分がそのヒロインであると自覚した主人公がその既定路線を否定して独力で道を切り開き始める……と書くと割とありきたりな話に聞こえますが、冒頭から殺っ伐としています。サバイバルと言っても野外生活を主体としたニュアンスではなく、「常に命の危険と隣り合わせな日常を生き抜く」の意であります。 主人公少女の性格も、最初の事件とゲーム知識等の取得を契機に「とにかく生きること」以外の無駄を省いて効率を重視した現実主義的なものへとシフトしていて、やると決めたら一切ためらいがない冷徹さは、乙女ゲーの世界には絶対もう後戻りできなさそうです。だがそれがいい

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    投稿日: 2023.08.06
  • 航宙軍士官、冒険者になる1

    航宙軍士官、冒険者になる1

    たくま朋正,伊藤暖彦,himesuz

    電撃コミックスNEXT

    進みすぎた科学で魔法を解析・再現・改良して殴る

    ザックリ言えば、TVゲーム「スターオーシャン」のような世界観で、文明が高度に発達した銀河規模の惑星国家に属する軍人主人公が、乗っていた航宙艦のトラブルで未開惑星に不時着して生きていくことになる話。 コミカライズから入って原作小説の刊行分も読み終えました。コミカライズは背景含めて画力がすごい。文字情報だけだった設定に更に説得力を加えているように思います。 主人公はただ漫然と文明レベルの低い惑星で余生を送ろうとするのではなく、ウン百年単位で先になる未来の危機に向けた遠大なタスクと、それに向けた短期的なタスクを同時に抱えています。そしてそのために自文明の技術を惜しみなく投入して成り上がっていきます。

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    投稿日: 2023.08.06
  • 放課後は、異世界喫茶でコーヒーを

    放課後は、異世界喫茶でコーヒーを

    蔦屋空,風見鶏,u介

    角川コミックス・エース

    しかし異世界でコーヒーの受けは悪いようだ

    異世界に飛ばされてしまった主人公が喫茶店を営む話。 と言ってもその世界には喫茶店という文化も無ければ、コーヒーの人気がなく(ごく一部の人は除いて)、店は割と閑古鳥が鳴きがち。そんなお店に居着いたり、居着くことになる常連の人たちとのお話がメイン。 地球の喫茶メニューでうーまーいーぞー!無双するようなお話ではなく、基本穏やかにゆっくりと進行します。喫茶店の雰囲気です。 絵柄に惹かれて、このコミカライズから作品に入りましたが、これは原作1巻終わりまでを描いていて、キリがいい。というかもっと続いてほしかった。この巻が出ただけでもとても嬉しかった(刊行予定不明な期間が長かった)。 これを読んでから原作に入っていくのも良いですね。原作は一巻完結型で読みやすく、完結まで描かれています。

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    投稿日: 2023.08.06