
イズァローン伝説 (12) アマル(希望)の果て
竹宮惠子
まる得希少本
壮大なものがたり
学生の頃、大好きで何度も何度も読み返しました。 大人になって紙の本は手放してしまったけれど、ずっと記憶に残っていました。 改めて全巻大人買いして一気に読みましたが、やはり名作です。 分かりやすいヒーローも悪役もなく、どの登場人物も明と暗を持ち、心は揺れ動くものだという意味でとても現実的なので、舞台が現実離れしていても入り込んで行けるのだろうと思います。 全てにおいて、よく練られて知的な作品なのに、唯一「失言」があります。昔読んでいたときも気になっていましたが、改めて読んでもやはり気になります。「殺されたのがきみでなくて・・・よかった」というセリフ。私の一番好きなキャラにそんなこと言わせないでほしい。それだけが残念です。
0投稿日: 2022.12.29
ポーの一族(1)
萩尾望都
ベツコミ
今読んでも新鮮な魅力
30年近く前、長期入院していた際にお見舞いとして3冊にまとめられた愛蔵版をいただいたのが本作との出会い。その時すでに発表から20年近くたっていましたが、そんなことを感じさせないほど惹きこまれていきました。 病気がちなこともあり、さながら「グレンスミスの日記」のように繰り返し繰り返し読み返し、それは今も続いています。 紙の本も古くなり、電子版が欲しくて今回購入しましたが、この単行本は収録順が発表順と全く異なっているので驚きました。 この世界へのさりげない誘い(いざない)である「すきとおった銀の髪」が1巻の巻末になっており、いきなり「ポーの一族」で始まるのはちょっと違う気がします。 もし初めて本作を読もうとされる方がいらしたら、ぜひ以下の発表順で読んでいただきたいです。 <発表順>()内は単行本での収録順 すきとおった銀の髪 (1巻-4) ポーの村 (1巻-2) グレンスミスの日記 (1巻-3) ポーの一族 (1巻-1) ペニー・レイン (4巻-2) 小鳥の巣 (3巻) メリーベルと銀のばら (2巻) エヴァンズの遺書 (4巻-1) リデル・森の中 (4巻-3) ランプトンは語る (4巻-4) ピカデリー7時(以下、5巻収録順と同じ) はるかな国の花や小鳥 ホームズの帽子 一週間 エディス
0投稿日: 2022.09.17
ポーの一族 ~春の夢~
萩尾望都
月刊flowers
ストーリーは満足ですが
以前から「ポーの一族」のファンで、幾度となく読み返しています。ストーリー展開は、若干盛り込みすぎな感じもしますが、ポーらしい感じで読みごたえもあり、まあ満足です。ただ、クロエのくだりは、ポーの村のイメージを覆すものなので、ファンとしては正直この部分は無い方がよかったです。ストーリーとしてもそうですが、クロエとゴールドは「ポーの一族=美しい」という大前提(「ポーの村」で「極上の美 永遠の命」と著者も表現している)を覆す存在で、がっかりです。 また、エドガーとアラン(特にアラン)の顔がすっかり変わってしまったのも残念です。後半、たまに以前のような細い線の儚げなアランの片鱗が見える場面もありますが、目のキツさと線の太さはキャラクターを変えてしまっているようです。 以前のままの絵で今回のストーリー(クロエのくだりを除く)を見てみたいです。
1投稿日: 2018.01.24
イグアナの娘
萩尾望都
プチフラワー
シュールな短編だけど深い
自分と母親にだけイグアナの姿に見える娘。 短編なので、生まれてからの苦悩の半生(にも満たないかな)をさらっとシュールに描いているけれど、直接描かれていない行間のようなものを読んでいくと、とても深くて重いお話しだと思う。 同著者の「半神」ほどではないが、心に残る作品だと思う。
0投稿日: 2017.11.04
小説 君の名は。
新海誠
角川文庫
映画は見ていません。
マスコミで見聞きする限り、世間が何かにとり憑かれたように映画をベタ褒めするので、あまのじゃくな私は「どうせ『転校生』の焼き直しでしょ」と思って見ませんでした。とはいえ、あれだけブームになっていたのでやはり気にはなっていたところ、本作を見つけたので読んでみました。 感想。やっぱり『転校生』じゃん。それプラス『時をかける少女』。他の皆さんも書いてますが。 つまり、この2つの小説は何度も映像化されている通り、時代も世代も越えて、面白いってことですね。 ただ私の世代には既視感が強すぎです。
0投稿日: 2017.10.28
乱心タウン
山田宗樹
幻冬舎文庫
あとあじが…
うーん… 冒頭は面白くなりそうだったのですが…。 超高級住宅地での老女の孤独死と路上の落書き。 …え?これが「事件」!? もちろん、それだけのことがそれだけでなくなるところがこの作品の面白さなのですが、どれもこれも結末が……な感じで、正直、あとあじがあまりよくないというかスッキリしないというか。 同作家さんの「百年法」や「代体」で感じたような、読み終えたときの、ある種の爽快感のようなものがなく、かといってコミカルな「オチ」があるかというとそうでもないです(少なくとも私はこの方向では笑えない)。 設定は面白いし、もっと掘り下げたいキャラクターもいたのに…、ちょっと消化不良です。
0投稿日: 2017.07.28
直線の死角
山田宗樹
角川文庫
2時間ドラマみたい
誰もが疑わない「事故」に隠された真実は…、 というミステリー部分に関して言えば、2時間サスペンスドラマフリークの私にはかなり序盤にわかってしまうものでした。人間ドラマについても、同作家さんの別作品と類似している気がします。 ちょっと残念。
0投稿日: 2017.07.28
黒い春
山田宗樹
幻冬舎文庫
面白かったけど
それぞれに生きてきたそれぞれの研究員や医師やその家族などが、黒手病の克服に向けて繋がっていく・・・という、大きな流れは「百年法」や「代体」に似た感じではあるものの、飽きるどころか、読み始めると先が気になって止まらなくなります。歴史なぞ全く興味のない私でも遣隋使に興味を持ってしまいそうになるほどひきこまれるものがあります。 ただ、ラストが・・・ 「えええっ!?これで終わりぃ?」と思わず声に出してしまいました。
0投稿日: 2017.07.09
貴族探偵対女探偵
麻耶雄嵩
集英社文庫
面白くなってきた!
前作で物足りなさを感じていましたが、女探偵が登場して面白くなってきました。依子というキャラもよいです。(テレビドラマとはだいぶ違いますが、私は原作の方が好きです。) それでもやはりまだこの「面白い設定」を活かし切れていないような気がしていたのですが、最後の「なほあまりある」でようやく続編を早く読みたい!と思うほど面白くなってきました。 次作、お待ちしています。
0投稿日: 2017.06.25
貴族探偵
麻耶雄嵩
集英社文庫
本当に貴族っぽいところがいい
テレビドラマが入り口です。 ドラマでは脚本もテンポも良いのですが、どうしても「貴族」のコスプレ感とミスキャスト感がぬぐえず、原作を読んでみたくなりました。 原作ではやはり貴族が貴族らしい装いや振舞いなので、「貴族」かどうかはともかく「高貴な人物」であること自体に疑問が湧かないぶん、それ以外の設定が活きている気がします。 ただトリックや推理がそれほど奥深いものでもないのに、テレビドラマのようなテンポ感もないため、「途中で止められないような面白さ」は私には感じられませんでした。ちょっと残念。
0投稿日: 2017.06.25
