soramameさんのレビュー
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800
川島誠 / 角川文庫
800m走はトラックを二周する!
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ヤクザな高校生と孤高を決め込む高校生。
W主人公がそれぞれの一人称で綴る構成が面白い。
一人称が切り替わるたび、全く別世界だったのが次第に交錯していく様は
800m競争でセパレートコースからオープンコ…ースに移行する様でもいて憎い演出。
ただ、15~16歳の少年たちが日常的に飲酒したり不純異性交遊するあたり
保守的な私はなかなか感情移入できない部分でした。 続きを読む投稿日:2014.05.13
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セカンドウィンド 2
川西蘭 / 小学館文庫
自転車に明け暮れる高校部活物語
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セカンドウインド1が未読の方は、まず前作を読んでから。
なにかとチグハグで続編ありきな終わり方だった前作の続編。
中学生だった主人公が高校生になってからのストーリー。
無我夢中の裏返しでまわりが見え…なくなる主人公。
今作では極度のスランプに陥ってしまいます。
前作で散らかってた設定を回収しつつ、登場人物も増量。
特に女性陣は、また続編を匂わせるに十分なミステリアスさです。
ストーリーも無難に着地。
あいかわらず自転車レースの駆け引きを楽しむような小説ではありませんが、
青臭くて汗臭い少年たちの葛藤を楽しむにはちょうどよいです。 続きを読む投稿日:2014.03.30
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セカンドウィンド 1
川西蘭 / 小学館文庫
ヒルクライムと頑固じじい
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山村の少年がロードバイクと出会い、仲間と出会い、次の一歩を踏み出そうとする物語。
前半は、山村から街へ。
郵便配達の中古自転車からロードバイクへ。
一人サイクリングからサイクルチームへ。
と、大人や…強烈なライバルたちに揉まれ煽られ、逃げ出します。
後半は、再び山村に戻り、
友と呼べるライバルに出会い、自分を見つめなおし、
どうしても踏み出せなかった一歩を踏み出します。
自転車を題材にしながらも、進みたい道へ踏み出す勇気がもてない少年の葛藤がメインのお話。
レースシーンは、ただがむしゃらなだけで、ロードレース独特の駆け引きなどはなく物足りない。
また、主人公がぶっきらぼうで偉そうで、いまいち少年っぽくない。
続編に持ち越している部分も多々あり。
一気に続編のセカンドウインド2まで読んでしまうことをおすすめします。 続きを読む投稿日:2014.03.30
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陽気なギャングが地球を回す
伊坂幸太郎 / 祥伝社文庫
スパーンと軽快!勢いで読破!
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嘘を見抜ける男。
スリの天才。
正確無比な体内時計を持つ女。
演説好きの男。
それぞれ癖のある特殊能力を持った登場人物が、なぜかギャング団。
荒唐無稽な設定なのに、すんなり読めてしまう。
二転三転す…るストーリーの痛快さ。
あちこちに散らばったストーリーが、カチャカチャと合わさる爽快さ。
勢いで読みすすんでしまいました。
ただただ、楽しいです。 続きを読む投稿日:2014.03.30
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キラーメガネのユーモア短編集 笑撃波 猿の尻笑い編
キラーメガネ / マイカ文庫
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ライヴ
山田悠介 / 角川文庫
素人のトライアスロン
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ストーリー展開としては、競技者同士の心理的・肉体的駆け引きや凄惨なトラップを期待するのですが、どうもその辺が薄いというか緩いというか。
まず、トラップは前半にいくつか登場するが、後半は「そんな設定あ…ったっけ?」状態。淡々と自転車漕いで海泳いで。
競技者同士の駆け引きも、悪役が少ないし、ワンパターン。ほぼ一人が暴力的に行動してるだけ。
甘言や裏切りを弄する競技者や、実は主催者側の人間でしたみたいなパターンがあってもよかったのに。とにかく大人がいない。
レース主催者の実体や思惑も終盤まで謎として引っ張るのですが、しょぼい。え?それだけなの?と言わずにはいられない。
この作品全体の描写の薄さと、そのわりに視点があちこち移る散漫さに起因しているかもしれません。
一気に読めるテンポのよい作品なのですが、いまいちスッキリはしません。 続きを読む投稿日:2014.08.17