ゆきやこうへいさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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エッジ 上
鈴木光司 / 角川ホラー文庫
さすがのダイナミズム。
4
かつて、リング・らせん・ループで読者を心底驚かせた作者による、大スケールのSFホラー/ミステリ。緊迫感のあるミステリ進行に、SF的に面白いモチーフをたくさん散りばめた、お腹いっぱいの一作。この人の持ち…味は、「ビデオテープで呪われるみたいな身近な恐怖から最終的に巨大コンピューターネットワークの仮想世界につながる」みたいな、いい意味での飛躍だと思う。この作品はまさしく、これ以上大きくはできないだろうという程の大ジャンプを遂げる。必ずやあなたの期待を裏切るでしょう。ただしSFが嫌いな方には、最後がチンプンカンプンになる可能性はあります(知識という意味ではなく、想像できるかどうか、という意味で)。 続きを読む
投稿日:2013.09.26
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煙か土か食い物
舞城王太郎 / 講談社文庫
極北。まさに麻薬的バイオレンス。
1
本当に衝撃の一冊だった。読後、数日にわたって放心してしまった。この本を読んで以降、舞城作品を多数読んだが、やはりこれがルーツにして最高の「マイジョウ」だと思う。ハイスピードなラップでバイオレンスミステ…リが展開されるというマイジョウの持ち味が、もっともキレ良くはまっている。謎解きの痛快さ(ただし通常の経路は踏まない)も、バイオレンスも、エロティック表現も、ド級。作品自体がハードロックだ。バイオレンスが大丈夫でミステリが好きな方には、絶対に(ためしに)読んでもらいたい。ただし、その後「マイジョウ沼」にハマる恐れあり。そしてそれはきっと報われない(笑) 続きを読む
投稿日:2013.09.26
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新世界より(上)
貴志祐介 / 講談社文庫
ジュブナイルだけど大人向き。
0
超能力といういかにも少年向けのモチーフで、いかにもSF冒険ファンタジーの構成ですが、そこはホラーの旗手。グロテスクな描写と世界観、戦いのカタルシスで、刺激に飢えた大人たちも満足できると思います。毒気と…謎かけがスパイスになって、読み始めたら止まらないでしょう。最終巻は若干プロット的には間延びしますが、ページをめくる手が止まるほどではありません。バイオレンス苦手な方は、ご遠慮を。 続きを読む
投稿日:2013.09.26
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熊の場所
舞城王太郎 / 講談社文庫
振り返ると、不思議ないい話。
0
正直、読んでいて「面白いなあ」と思うような本ではない。だけど、なぜかよく思い出す。寓話と言ったほうがよく、折にふれて役に立つ観念を教えてくれる。
投稿日:2013.09.26