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最終戦争論
石原莞爾 / 中公文庫BIBLIO
稀代の天才
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満州事変の首謀者であり、時の指導者である東条英機を面と向かって批判したことで左遷された、旧日本陸軍の異端児。
本著では世界での戦争を多角的な面から分析し、帰納的に最終戦争を予言している。
また、この最…終戦争は単に軍人としてではなく敬虔な仏教徒であったことがうかがえる結論であるともいえる。
その理論では世界戦争が今後短時間に決着が着く戦争になり、その後最終兵器が開発され、その圧倒的な破壊力によって超大国による一極支配が到来し、恒久的な世界平和が到来するという彼の理論は、すばらしい洞察力であると思う。
ただ、絶大な威力を誇る最終兵器がもたらした冷戦や国家の枠組みを外れたテロリズム、サイバー空間での戦闘さすがに予見できなかったようである。
体系的な戦争史を知るのにも適しているし、ページ数も多くなく読みやすく思われるかもしれないが、一部戦術について知識がないと厳しいところはある。 続きを読む投稿日:2013.09.25