kambeさんのレビュー
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33
このユーザーのレビュー
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トリニティ・ブラッド Rage Against the Moons フロム・ジ・エンパイア
吉田直, THORES柴本 / 月刊Asuka
本当に素晴らしい(未完が悔やまれる)
2
著者(吉田直氏)の逝去が本当に残念。未完がこれほど残念なシリーズは久しぶりです。未完と解っていても、先が読みたいと思うし、ぜひ、既刊分をたくさんの人に読んでもらいたいです。
大災厄という出来事があっ…た未来世界という設定に基づき、高度な機械文明と中世ヨーロッパを髣髴とさせる実世界のアンバランスさのバランスがとても絶妙です。
吸血鬼はモンスターではなく人類の一種、という設定も面白くて好み。基本は吸血鬼対吸血鬼始末人(ヴァチカン)の話です。吸血鬼とか吸血鬼始末人という設定とか大好きなのですが、そうでない人にもぜひこの世界観は味わってもらいたい。
キャラクター夫々が非常に個性豊かですが、キャラクターの強い個性が物語の邪魔をしないのは文体や文章、イラスト(THORES柴本氏)から醸し出されている空気によるものかもしれません。キャラクターがたっているといっても、昨今溢れかえっている『特筆はキャラクターの個性だけで物語の中身や文章は軽っ軽のスッカスカ、記号は文章じゃないだろー』と言いたくなるような作品とは全く違います。しかも、文体や話はまったく軽くありませんが、ざくざくと読ませてくれる素晴らしい作品です。 続きを読む投稿日:2015.09.10
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封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ1
霜島ケイ, 也 / ルルル文庫
このシリーズが好き
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神島桐子編は某文庫で出た花闇~が鵺子ドリ~の数年前で初出にあたりますが、そちらは未読でも内容的には問題ありません(そういう意味で、この作者さんは書き方がホントに上手だと思う)。
全5巻の1巻目ですが、…最初からぐだぐだしたところもなく、ついページを先へ先へくってしまうテンポで展開していきます。本家同士の対立と書いてありますが、対立自体はそんなにないです。京都の出先というかむしろ島流し的扱いにもなっている東京の家人たちとの関わりや志郎との関わりを通して桐子が少しずつ変わっていくのを、人喰いだ闇だ鵺だという一見(?)物騒な話題の合間に垣間見せてくれていて、楽しいです。ところどころに用意して下さっている笑える場面と言うかツッコミ入れたくなる場面が、また魅力的なシリーズですね。
昭和初期という舞台にとても良く合っていて入りこみやすいと思います。
鵺子ドリの前の花闇がルルル文庫から出版された時に鵺子ドリ~と同じ也さんのイラストになりましたが、この時の表紙がもうすっごく素敵で‥‥。也さんのイラストで洋装(黒いコートですよー)のユミちゃんが見られてすっごい嬉しかった記憶があり、今回も迷わずイラスト完全版を選択。おー、ユミちゃん別嬪さんなのに可愛いなー♪♪聖さんもカッコイイのに可愛いなー♪別嬪さんのユミちゃんに「この顔で海苔巻き食うか」って吹き出しそうな志郎ですが、そのうちこの顔でテントで雑魚寝しちゃうんだぜ‥と教えてあげたい。きっと彼なら吹き出すに違いない。
也さんのイラストで平安時代とか明治時代辺りのユミちゃんと聖も見てみたいのになぁ‥。 続きを読む投稿日:2014.11.09
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ABCD殺人事件
赤川次郎 / 講談社文庫
こんな人が‥
1
いていいのか!こんなことがあっていいのか!課長、ご愁傷様です!
と、井上さんになり代わって思いつつも読むのがやめられない。警部の動向が気になって仕方がない!だから読んでしまう。手元に置いておきたくな…る。
これぞ赤川マジック。‥‥いや、大貫マジック?? 続きを読む投稿日:2014.07.04
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ST 警視庁科学特捜班 青の調査ファイル
今野敏 / 講談社文庫
サラリと読めて奥が深い
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もう何度読んだかなぁ‥。
推理小説的には隠された部分も多いし、個人の特異な能力に頼っている部分もあるのがこのシリーズですが、そういうのを全部抜きにして、面白いです。とにかく読んでみてくださいーってお勧…めできます。
がっつり推理小説だと頭を使うし色々読みこまなければならないから疲れるなぁ、でも、さりとてあまりに薄っぺらい小説(もどき)は読む気にならないしなぁという時にすごくお勧め。時系列を追いかけたりトリックに頭を悩ませながら読む必要はないですし、キャラがそれぞれたっているのであまり苦にならずに世界に入り込めるはずです。
STシリーズが気になってるけど読んだことがない、というかたにはコレか黒いモスクワが取っつきやすいと思います。 続きを読む投稿日:2014.09.02
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白い巨塔(一)
山崎豊子 / 新潮文庫
考えさせられる
1
ドラマにもなってますし、そちらを見てから本を読んでも、本を読んでからドラマを見てもいいと思います。
中学生の頃に自宅の本棚にあったのを手に取った時は途中で挫折しました。人間というものが難しすぎて。
…大人になってからはまるで引き込まれるように次へ次へと読みました。
作者の取材力と執筆力は本当にすごいです。そこから生み出されるこの人間ドラマの深さをぜひ感じて下さい。
ドラマを見た友人が財前先生が悪なんだね、と言っていましたが、私には単純にそうは思えませんでしたし、財前先生を嫌いにはなれません。むしろ里見先生が偽善なんじゃない?と思えたこともあります。それほどに“人間”というものも考えさせられる作品です。 続きを読む投稿日:2014.09.26
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封殺鬼 数え唄うたうもの
霜島ケイ, カズキヨネ / ルルル文庫
いい感じです
1
歴史的観点、民俗学的なこととオカルトとうまく融合していると思います。
実際に歴史的にこんなことがあっただろうなぁと思うような場面もあり、そして、こういうこともありえるだろう(祟りとか伝承とか)と作者の…えがく世界にどっぷり浸かって楽しみました。
封殺鬼撰集を読んでからでしたら、「お?」というところが多少あろうとも全然平気でいけると思います。とはいえ、一番「お?」となるのは今回の主人公の一人でもある三吾についてなのですが、私は全然平気でした。話の内容は通じますし、これ一作で三吾が『今現状』どういう人物でこれ以前の現代編で『多少どういうことがあったか』も推測することが出来ます。
(キャンバス文庫のイラストが私的にはノーサンキューであまりにも好かないものですから現代編は撰集しか読んでいません。某所やレビューであらすじは細かくチェックしておりますので話しは知ってますが。ルルルにきてやっと私のイメージに合う弓生さんになったのが何より嬉しい)
ルルル文庫で出ている過去編はお読みいただくと、鬼二人のヒトトナリとか突っ走り加減とか楽しめますので事前に読むことをお勧めします。
とにかくなぜイラスト完全版で購入したかと言えば、クールビューティー弓生さんwith眼鏡のイラストを大きく見たかったから、その一言に尽きます(過去編だと眼鏡がなーい)。
私のように鬼とか陰陽師とか真言とか興味があったりそういう題材が好きな人&夢枕獏とかはちょっと重いんだけどそういう題材は好きという人にはお勧めできます。 続きを読む投稿日:2014.10.29