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ゆういちさんのレビュー
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  • 収容所(ラーゲリ)から来た遺書

    収容所(ラーゲリ)から来た遺書

    辺見じゅん

    文春文庫

    人は死んでも生きている

    戦後シベリアで抑留され過酷な状況にありつつも、その中に生きがいや幸せを見出し、周囲の人たちの希望となった山本幡男とその遺書を記憶して伝えた男たちの話。泣けてなけて仕方なかった。人は死んでも生きている。亡くなっても人の心に存在し続けるように生きたい。

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    投稿日: 2022.04.09
  • 「戦争と平和」の世界史(TAC出版)

    「戦争と平和」の世界史(TAC出版)

    茂木誠

    TAC出版

    戦後の日本の平和構造が終わろうとしている

    歴史に学ばない日本人大衆の一人であった私は啓蒙させられました。感覚的な平和主義から脱皮しなければなりません。

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    投稿日: 2019.11.17
  • あなたの脳のはなし 神経科学者が解き明かす意識の謎

    あなたの脳のはなし 神経科学者が解き明かす意識の謎

    デイヴィッド・イーグルマン,大田直子

    早川書房

    脳が分かれば楽しく生きられる

    脳はロジカルな計算処理をしていない(ことが多い)。 2×3=6という答えを出すのに計算していない、音階的に覚えている、あるいは、そういうものとして直感的に答えを出している。 これと同じように、五感から得られた情報をもとに、無意識的に直感的に状況を把握し行動を決めているのが、脳ということのようである。 あまり悩まず、分からないことを深く考えるのをやめて、「習うより慣れよ」の精神で生きて行けば良いのである。脳が分かれば楽しく生きられる。

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    投稿日: 2018.04.14
  • お金2.0 新しい経済のルールと生き方

    お金2.0 新しい経済のルールと生き方

    佐藤航陽

    NewsPicks Book

    「お金」への囚われから抜け出せる

    お金や資本主義への嫌悪感があって、面白そうとは思いながらも、なかなか手が出なかった本です。 お金(資本主義)だけが大きな力を持つ時代は終わろうとしていること、資本主義の欠陥を是正した新しい仕組みが既に生まれつつあることが、はっきりと理解できて気持ちがスッキリしました。 以下は本文の引用ですが、若い人たちへの希望を示しています。 内面的な価値が経済を動かすようになると、そこでの成功ルールはこれまでとは全く違うものになり得ます。金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになります。つまり、これまでと真逆のことが起こります。

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    投稿日: 2018.03.03
  • 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか

    人間の性はなぜ奇妙に進化したのか

    ジャレド・ダイアモンド

    草思社

    なぜ女性は閉経するのか? ハーレム型からなぜ今の形に?

    男性の乳からミルクが出ないことは、当たり前のように思うが、機能的には出ても不思議はない、それでも出ないのはなぜだろう、、、男女や生命に係わる疑問に気づかされ、なるほどと納得することができる。知的好奇心がたっぷり満たされた。 女性が閉経するのは、死ぬまで生み続けては生んだ子どもが大人になる(自立する)前に死ぬ危険が高い、高齢出産は母親にとっても危険で死んでしまうこともある、先に生んだ育児中の子どもがいるとその命も脅かされる、閉経後の孫育児での女性の活躍、このような理由がある。

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    投稿日: 2017.11.15
  • 慟哭

    慟哭

    貫井徳郎

    東京創元社

    謎が解けたと思ったら、、、

    ネタバレにならない範囲でのレビューです。 二つの無関係な話が交錯し、その謎がだんだん解けていき、話に引き込まれます。 結末は、私には予想できませんでした。

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    投稿日: 2017.11.03
  • 関ヶ原(上)(新潮文庫)

    関ヶ原(上)(新潮文庫)

    司馬遼太郎

    新潮文庫

    正義とは

    映画を見て、関ヶ原のことを自分が分かっていないことを知り、この原作を読んだのですが、上中下3巻一気に読める面白さでした。 亡くなった秀吉との約束(遺言)を守ろうとする正義(石田三成)は負けた。 正義が強大な悪(家康)に敗れたとも言えるが、単純ではない。 北政所(ねね)が家康を助けたのには、それだけの理由があったのだろう。司馬は触れていないが、秀頼の正当性がなかったからだと思う。 秀吉の天下自体が、主君の不幸で転がり込んだもの、利益誘導で俄かに増やした恩顧大名に支えられたもので、脆かった。 朝鮮出兵は、疲弊だけをもたらし、大名も庶民もうんざりしていた。家康なら平和や安寧が期待できた(実際にそうなった)。 石田三成は、支える人の気持ちを汲むことができず、無用の敵を作った。大将としての格も経験もなく、戦術としての失策が多かった。 これだけの悪条件がありながら、西軍にも勝機は十分あった、歴史は不思議で面白い。

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    投稿日: 2017.10.22
  • 野火

    野火

    大岡昇平

    新潮社

    平和な今からは想像もできない極限

    作者の実際の戦争経験を基にしているとのことなので、極限において私たちは殺人でも人食いでも、何でもしてしまう。 平和な現代に生きる自分には、想像を超えた世界であるし、その状態を形容することもできない。 読みやすい文章ではないが、戦争とは何であるか、私たちは知っておかなければならない。

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    投稿日: 2017.09.18
  • 子供の「脳」は肌にある

    子供の「脳」は肌にある

    山口創

    光文社新書

    知育偏重の誤り

    (本文より) …体の成長に伴って、いろいろなものを感じられる豊かな心が育まれる。するとさらに、何にでも好奇心をもって取り組みたくなり、やる気旺盛の行動が涌き出てくる。好奇心や行動力が旺盛になると、いやがうえにも「何でだろう?」「どうしたらいいだろう?」と自分で考える習慣がつく。すると自然に頭も発達する。 逆に身体感覚を無視して頭から発達させようと課題を与えるとどうなるか。限られたその課題に関しては成績は上がったようにみえるかもしれない。が、長い人生という視点でみた場合、そのような一時的な成績の向上にはほとんど意味がないだろう。その先の正解のない長い人生を、深い洞察力をもって見とおし、感性豊かな心をもって豊富な人間関係を築こうと思えば、基礎をしっかりと形作らなければいけないのだ。それには何よりもまず、体を作ることなのである。…

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    投稿日: 2017.09.02
  • 「東京電力」研究 排除の系譜

    「東京電力」研究 排除の系譜

    斎藤貴男

    角川文庫

    沖縄や福島に犠牲を強いて都会に暮らす自分が嫌になる

    読みやすい本ではないが、東京電力の無責任体質がどのように形成されていったか、丁寧に克明にまとめられた本。 (核廃棄物の最終処分場について)一日も早く候補地を確保したい政府の都合と、「どうせ帰れない故郷なら」という一部の住人の思いが図らずも一致しつつある。…実行されれば、積極的に謳われることはないにしても、政府や東京電力にとっては「渡りに船」であり、「禍いを転じて福と為す」、「怪我の功名」といった形容で表現され得る結果になる。原発事故にはメリットもあった、ということにされてしまう。… このようなひどいけど真実を捉えた話が書かれている。

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    投稿日: 2017.09.02