
fulさんのレビュー
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図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1)
有川浩
角川文庫
一気に読みたくなる上質のエンターテイメント
実在する「図書館の自由に関する宣言」がそのまま目次になっている。 設定や仕掛けの見事さに脱帽。 物語は、スピーディでコミカルで、一応ラブが中軸で、一気に読みたくなる上質のエンターテイメント。ライトノベルっぽいけれども、知る権利や言論の自由について、自由という権利と責任という義務について、正義と正義を振りかざす暴力について、テーマは充分に大人向けで、楽しいだけで終わらない。
2投稿日: 2013.11.15ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~
三上延
メディアワークス文庫
本好きにお勧め
古本屋さんと古本を題材にした連作短編集, 内容はいわゆる『日常の謎』系,それぞれの本を踏襲するちょっとした謎や事件を, カバー絵の女性主人が安楽椅子探偵,語り部の青年が助手となり解決をしていきます. また,人の手を渡る古本ということで,本を巡る思いやそれまでの時間に重きが置かれ, 血生臭い話はないものの,一話にはじまりどちらかと言えば重めに寄った印象を受けます. そしてこれらとは別に,四つの話を貫くように描かれる全体を通じた謎と人間模様は, やや平易な部分もありますが,各話をうまく回収しながらキレイにまとめられています. 本や古書店好きをくすぐる内容になっていて続刊の方への期待も膨らむところ. なお,登場する本は作中で内容などが語られますので,知らなくても全く問題はありません.
10投稿日: 2013.11.15