amataさんのレビュー
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響~小説家になる方法~(12)
柳本光晴 / ビッグスペリオール
次どうなるの!?
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映画化公開も終わり、話の方も響は学校生活を取り戻し、花井さんは功績が認められ新しい仕事を任されたりと一件落着って感じなんですが、ストーリーの中でもベストセラー『お伽の庭』の◯◯化を巡って、まだまだ私欲…剥き出しな輩が響にちょっかいを出してきて…。
今までだったら直ぐ反撃していた響ですが、新しい小説の為なのか、何とも効率的って言えば効率的な処理対応が逆に不気味でフラストレーションを貯めてくれます!
次巻でたっぷりスッキリ放出したい人はここで貯めておきましょう! 続きを読む投稿日:2019.07.08
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クソ物件オブザイヤー
全宅ツイ / ワニの本
あなたの心にクソ物件!
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あまりのパワーワードに惹かれて、一目惚れで買ってしまいました!
よくTVCMで耳にする「日本カーオブザイヤー」は誰かが乗っていようが、街中走っていようがピンと来ないけど、こちらは誰もが関わる可能性大…のトンデモ物件の裏側やあの事件のその後など、不動産・金融のプロの人たちがトホホ目線で選出。
毎年ネタが尽きないから恐ろしいモノです。(^_^;)
しかもこの本が刊行するにあたって「全宅ツイ」名義の書籍が6冊同時に刊行されているんですよ。
その中でも素人でも分かりやすい、先ず最初に楽しめる入門書だと思います。
ますます住環境が荒れて行く中で関わってはいけない金言満載!
「全宅ツイ」の活動に魅了されること間違いないです‼ 続きを読む投稿日:2019.10.20
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業界で噂の劇薬裏技集 不動産大技林
全宅ツイ / ワニの本
カユい部分に届きます!
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初めてのひとり暮らしから憧れのマイホーム、はたまた町中にふと貼られたチラシまで、買うにせよ借りるにせよトキメキの側には何割か謎の部分が見え隠れしていて、ついそんなモンかなぁと従ってしまうのが不動産会社…を利用してしまう現状。
その謎の部分を巧みに操って儲けを出すのが不動産業のお仕事。
財テク嫌いな私でも冒頭の文章に感動して読み進めてしまいました。
大金も動かすけど、悪徳な金融機関に関わってしまったり、投資目的しか考えてない家主を動かしたりと、大金持ちを夢見る彼らの奮闘ぶりにニヤリとしてしまいます。
あいまいに物件を成約させられるよりも、これを読んで不動産屋と渡り合える人生を過ごした方がスッキリすると思います。 続きを読む投稿日:2019.10.20
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寺島町奇譚(全)
滝田ゆう / クリーク・アンド・リバー社
写真じゃ残せなかった墨田の歴史
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墨田区の歴史を語る上で有名なのが永井荷風の墨東綺譚ですが、それから数年後、
その世界に憧れて全国から享楽を求める訪問者とそこで暮らす人々の生活の様子が
その時代に生きた人にしか描けない緻密な描写で…写真以上の大切な記録になってます。
特にたった九年で営業終了し、写真にも残ってない京成白鬚線が東武線を跨ぐ丘になっていた様子は鉄道マニアには堪らない資料です!
ストーリーは荷風のような大人目線ではなく、当時の作者を反映した少年キヨシが主人公。
今で言うところの紹介所的な役割をしていたスタンドバーを営む一家の唯一の小学生で、
内向的な部分もありつつも少年ならではのズルさが鬱蒼とした大人の日常を和らげています。
しかし、読み進めて行くうちに戦争の影が濃くなり、ラストの数ページでどれだけ東京大空襲が酷かったのか描かれています。
日本もこういう歴史があった事を忘れてはいけない。
戦争史や風俗史は学校では習う事の無い大人になるための社会史なので、
変に思考が暴走するよりはこういう事を知って適度な教養を保った方が良いかも。 続きを読む投稿日:2019.11.17
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国境のエミーリャ(1)
池田邦彦, 津久田重吾 / ゲッサン
隠れたパラレルワールドへ!
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東京の東側でしか暮らした事のない私にはずっと“赤”に関してのモヤモヤがあった。
深く傾倒し政治活動とかするつもりは無いが、隣家で集会があったり政党のポスターが多目なのを見ると、やはりそういう地区なの…かと身構えてしまったり。
特に戦前は厳しい赤狩りがあったのを知ると、人々は何を恐れていたのか考えてしまう。
結局そうなったところでのメリットは分からないけど、
もし、戦後の混乱の流れと思想が同調しまっていたら、こんな世界になっていただろうと思えるほど、
東京の東と西の差を今までに無い視点でえぐっていて面白い。
聖橋や上野駅、さらに変電所など戦前に作られたインフラを見ると、そんな時代の色気を纏っていてドキリとするが、
それらをソビエト色に染めて、今まで感じていた赤の匂いはこんなパラレルワールドから来ているかと感じさせるほど、
昭和レトロの正体を突き詰めるとこうなるのだろうと納得。
そんなインフラが改変された中で起こるトリックの匂いを求めて町を散策したくなります! 続きを読む投稿日:2020.02.14
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カーテン・コール(1)
三原陽子 / BE・LOVE
二十歳の頃が懐かしい!
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90年代、過激なレディースコミックが列挙していた中、安心して読めるコミック雑誌『BE LOVE』を位置付けた代表作の一つです。
母親と同じ女優になる事に憧れはあっても、演劇を学ぶ機会の無かった女の子が…謎の紳士に振り回されるがまま、天性の才能を引っ張り出されていく様はチャンスを逃してはいけないバイタリティーに溢れ、元気をもらえます。
長期連載で途中購読を止めていたので、謎の紳士が一体何者なのか未だ分からないのが気になってしょうがない‼ 続きを読む投稿日:2015.08.30