
虹の岬の喫茶店
森沢明夫
幻冬舎文庫
手軽に温かく
短編(といっても微妙につながっている)なので物語展開が速く、とても読みやすかった。どの話も読後に心が温かくなれるものばかりで心地よい。各話のタイトルにある音楽の名前は、それぞれ各話で悦子さんがかけるBGMとなっていて、物語によくあっていると思う。第3話のザ・プレイヤーはPlayerじゃなくてPrayerなので注意!
2投稿日: 2014.09.14
銀翼のイカロス
池井戸潤
ダイヤモンド社
期待を裏切らない痛快さ
今回も期待通りに面白く、一気に読み終えた。読後は前作までと同様に痛快で爽やかな気分になった。 本作は民主党への政権交代と、民主党が手がけた日航の再建がモデルになっていると思う。航空会社への支援方法について、半沢直樹が行内の人間や大物政治家と対立する過程において、何回も苦境に立たされても、その都度にやりかえす半沢直樹の行動は実に痛快だ。もちろん有名な決め台詞もしっかりと登場する。これまでの半沢直樹シリーズ同様に、多くの人が楽しめる作品と思う。
2投稿日: 2014.08.02
いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)
竜田一人
モーニング
東電福島原発の作業の大変さがよく分かる
事故後の東電福島原発の作業現場においては、一時マスコミが報じていたような"悲惨さ"は全くなく、むしろ著者はそれを否定している。本作では実際に作業を行った作者の目によって、現場の模様が具体的にかつ淡々と描かれている。コミックでの表現は文章よりも説得力があって分かりやすく、現場で今何が行われているのか、その一部を垣間見ることができて参考になった。
4投稿日: 2014.04.27
ルーズヴェルト・ゲーム
池井戸潤
講談社文庫
社会人野球を見に行きたくなった
"プロ以下アマチュア以上"の野球好きとそれを支える社員達の熱い思いや、野球の試合の描写のリアリティに感動。業績不振による廃部は現実に多くの企業で行われているので、その中で苦悩する関係者の苦労がよく伝わってきた。企業買収の話はそれなりに楽しめるが、おまけ的存在。私は社会人野球のありかたや課題が主題と思った。野球が好きな人は必見、そうでない人も十二分に楽しめる作品と思う。
102投稿日: 2014.03.15
