雪猫さんのレビュー
参考にされた数
66
このユーザーのレビュー
-
安達としまむら
入間人間, のん / 電撃文庫
ゆっくりと進んでいく二人の関係
9
電波女や嘘つきみーちゃんで有名な入門人間氏の百合もの。
百合とはいうもののゆるゆり以上、マリみて未満くらいのゆるーい感じのお話。
ガチガチのものより恋愛未満くらいのが好きという方にはお勧めです。
安…達としまむらは花のJKでありながら二人とも周りと積極的に交流を持とうとしない子たち。
安達は一人でいる方が楽だと感じるようなタイプで、しまむらは良くも悪くも周りを気にしない、いてもいなくてもどっちでもというタイプ。
そんな二人がたまたま体育館の二階で鉢合わせし意気投合、というわけでもなく、なんとなーく一緒にいたらなんとなーく居心地が良かったのでそのままダラダラと過ごしていく。
そんな日々を過ごすうちに安達の方の心境にわずかな変化があって・・・
この作品のいいところは急激にくっついたり逆に変化の無い関係がずっと続いたりでなく、少しずつ関係が進んでいくところ。
安達の心境が少しずつ変わっていって、しまむらの方もそんな安達に対する印象が少しずつ変わっていって・・・
そういった変化をゆっくり少しずつ丁寧に描いているところが気に入ってます。 続きを読む投稿日:2015.07.14
-
【合本版 第一部】本好きの下剋上(全3巻)
香月美夜, 椎名優 / TOブックス
本が好き過ぎる女の子をめぐる物語。傑作です。
7
あらすじについては説明文にある通りなのですが、とにかく主人公のマインがとても魅力的です。
女の子としてどうこうではなく、人として好きになれる凄くいいやつ。
本好き、というよりもはや本狂いと言った方がい…いくらい(笑)で、本を読みたいがための行動力が引き起こすあれこれが本当に楽しい。
世界観、舞台背景、人物設定がしっかりしていて物語の世界に引き込まれます。
登場人物も皆キャラが立っていてそれぞれ魅力があり、キャラ同士の掛け合いが素晴らしくてついつい読みふけってしまう。
私は特にマインとベンノ、マインと神官長の掛け合いが凄く好きです。
マインがひたすら本にしか興味が無いため恋愛ごとに発展しないのもいい方向に作用していると思いますね。
Web発の小説なのですが、嬉しいことにWebの方では先日無事完結を迎えました。
つまり余程のことがなければ打ち切や放置停滞になったりせず完結まで続くということで、安心して購入できるのもよい点ではないでしょうか。
Web発小説の中では1、2位を争う傑作だと思います。
ぜひ一度読んでみてください。 続きを読む投稿日:2017.03.17
-
二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 1 ~裏切り王女~
木塚ネロ, 真空 / MFブックス
凄惨な復讐劇
5
復讐劇ということはタイトルから分かっていましたが思っていたよりハードです。
裏切りというのも、説明文からは最後の瞬間しか伝わってきませんが実際には魔王を倒した後から始まり一年を掛けて様々な信頼していた…人に裏切られ続けた果てに殺されます。
その分恨みが濃く煮詰まっており復讐には容赦がありません。
なかなか凄惨な復讐を笑いながら実行するので人によっては嫌な気分になるかもしれません。
まあそういう人はタイトルの時点で興味を示さないとは思いますが(笑)
気にならない人には復讐のカタルシスのようなものを感じられ興味深く読み進められると思います。
復讐対象がホントにゲスいのでなおさら。
この作品は尖っているのが魅力なので、変に丸くなってしまうと魅力が大きく薄れてしまうかと思えます。
ぜひこのまま尖ったままで突っ走って欲しい作品です。
十分に面白いのですが高価な価格に見合うほどではないため★4に。
600円くらいの通常ラノベ価格であれば★5あげてもいいとは思えるくらいの出来ではあります。 続きを読む投稿日:2017.01.24
-
Re:ゼロから始める異世界生活 Re:zeropedia
長月達平, 大塚真一郎 / MF文庫J
こちらでは一応正常に読めてます(★は暫定)
5
私の方で試してみたところ、正常に読めました。
Androidと、一応ブラウザ閲覧でも試してみましたが特に問題なく。
環境の違いか、もしくはこの4日間の間に修正されたのかな?
構成としては全部で272…ページ程度。
内訳は、キャラ設定資料が14ページ、人物紹介が74ページ、物語紹介が72ページ。(目次より)
あと特典扱いのショートストーリーが112ページくらいのようです。(リフロー型なので多少増減するかも)
一番の目的だったSSが思ってたより長めなのは個人的に嬉しい。
まだ読んではいないのでとりあえず★は暫定で3にしときます。 続きを読む投稿日:2016.12.02
-
[合本版]神曲奏界ポリフォニカ ブラックシリーズ 全14巻
大迫純一, BUNBUN / GA文庫
二人の関係性がとても魅力的
5
ポリフォニカは世界観が良くて全シリーズ好きなのですが、本道の赤と並んで一番好きなのがこの黒。
精霊が存在するというファンタジックな世界で警察官というある種現実味あふれる職業に身をおく二人のコンビが主人…公です。
物語の形態としてはミステリー・推理モノに近いのですが、精霊が絡んでくるのでトリックや推理方法なども一味違ったものになっています。
その分本格的な推理小説愛好家の人には受け入れ難い部分はあるかもしれません。
あくまでラノベなのでそういったファンタジックな部分も気にならない、むしろ面白そうと思える人にお勧めです。
主人公コンビ二人の関係性がとても魅力的です。
いわゆる恋愛的なラブラブではない、本当にお互いを大切に想い合っている絆のようなものを強く感じられて心にグッときます。
また中盤で登場する女の子もいいキャラをしており二人との楽しい絡みを見せてくれます。
実は作者の大迫氏ですが、このシリーズの最終巻を刊行した数カ月後に病気でご逝去されています。
初巻から毎巻楽しみに追っていた身としては、病床の身にありながら最後まで書ききってくださったことに深い畏敬の念と感謝の気持ちを感じます。
ぜひ一度手にとって見てほしいです。 続きを読む投稿日:2015.05.12
-
ゼロから始める魔法の書
虎走かける, しずまよしのり / 電撃文庫
美女と野獣なファンタジー
4
主人公が獣人です。
それもネコ耳とかそんなレベルでなくまるっきり二足歩行する獣です、見た目は。
この1巻の表紙には出ていませんが2巻の表紙で座られてるのが主人公ですね。
仲間やヒロインが獣人というのは…多々ありますが主人公がとは珍しい。
物語は魔法/魔術を題材にしたファンタジーで、軽くミステリー的な要素が入ってます。
序盤に事件が発生して、旅を進めるうちに少しずつ事実が明らかになっていって、最後に犯人というか黒幕的な人物と対決、と。
あまり戦闘には重点がおかれておらず、どちらかと言えば人との繋がりや説得など頭を使う方で解決を目指します。
ただ3巻まで読みましたが総じて黒幕が甘いというか、終盤でペラペラ喋り出しちゃうのでクライマックスの盛り上がりがイマイチなところがあります。
とはいえ文章は丁寧に書かれているので読みやすく、容易に情景に思い浮かべながら読み進められます。
私は十分に面白いと感じました。
表紙に出ているヒロインのゼロは保護欲的な意味で可愛いです。
文中では絶世の美女とされていますがイラストも相まってあまりそういった感じはしません笑
主人公への懐き方も恋愛というより大きな保護者に甘える感じで微笑ましいです。
美女と野獣な組み合わせが好きな人にはおすすめです。 続きを読む投稿日:2017.03.08