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さだきよしさんのレビュー
いいね!された数109
  • 惡の華(10)

    惡の華(10)

    押見修造

    別冊少年マガジン

    息苦しい

    過去と向き合う決意した春日は再び故郷へと帰り、ある人物と再会をする。 その人物も昔のトラウマを抱えて苦しいでおり、「この町に閉じこめられたままだ」という言葉を見て、故郷に久しぶりに帰ってきたシーンを思いだしました。 老舗企業の看板やシャッターの折りた店が見える商店街は変わらない町並みを連想してしまい、まるで孤立化しているようで、親戚との再会も相成り鬱屈した気分になりました。 その人物から貰った「佐伯の居場所」を懐に入れ、故郷からまた離れ、常盤の元に帰るのですが、彼女は本当にこの作品の癒やしですね(笑)クラスメートのやり取りは和みました。 しかし、春日のほの暗さは晴れるわけでもなく、重くほろ苦い話しがつづき、巻末の方にいったっては次のページをめくるのに緊張しました。 とても気になる所で終わってしまったので、次巻の発表がまちどうしいです。

    1
    投稿日: 2014.01.08
  • デート・ア・ライブ6 美九リリィ

    デート・ア・ライブ6 美九リリィ

    橘公司,つなこ

    富士見ファンタジア文庫

    士道がかっこ良くなってきた

    この巻の、ヒロインはまた魅力的なキャラクターで清楚でおとなしい娘ですが・・・価値観が普通と違い表紙の印象と いままでの流れからくる先入観のせいで気色悪さがありました。 今回もデレさせて封印(キス)するのが目的ですが、その異様な価値観に反感と憤りから来る士道が吐き出すセリフは まさに主人公そのもので最高にスカッとしました。 またそんな士道、もとい「士織」の艶姿もヒロイン級のかわいさ(?)で、短編あたりで話をつくって欲しいですね(笑)

    0
    投稿日: 2013.12.22
  • やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

    やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

    渡航,ぽんかん8

    ガガガ文庫

    思わず考察したくなる

    この作品は、友達がいない「ぼっち」の比企谷八幡、才色兼備で少し傍若無人な雪ノ下雪乃、「コミュ力」が高く周りに明るい八方美人の由比ヶ浜結衣達が送る残念青春ラブコメで間違いないと思います。 この巻は前者で言った残念系ラノベの毛色が強いですが、地文の逸脱さや共感してしまいそうな「ぼっちネタ」や「教室内カースト」等、読者の心をくすぐったり、殴ったりする話はハマると面白く、そこに多くのファンがついたのだと思われます。 だけどこの作品の魅力はそこだけではありません! 巻を積んでいくごとにわかる彼等やそれをとりまく人物の微妙な関係、そこから歩み寄りゆっくりだけど距離が近づくのを丁寧に描く過程、また一人称だからこそわからない隠れた好意や想いを考察するのはこの作品の醍醐味だと思います。 文章がまわりくどい感じもあるとおもいますが、彼等の行く末とぽんかん⑧の進化を見てもらいたいです。

    4
    投稿日: 2013.12.17
  • 3月のライオン 1巻

    3月のライオン 1巻

    羽海野チカ

    ヤングアニマル

    暖かくも冷たくもある情緒あふれる将棋漫画

    まず最初に言わせていただくと将棋に詳しくなくても大丈夫です。若くしてプロ将棋棋士になった少年と3姉妹を主軸に物語が展開するホームドラマな面と、将棋棋士という実力主義世界での棋士達の葛藤が見所になっています。空っぽな主人公が家族や友人や仲間と触れ合い、少しずつ変わっていく過程や家族愛のような恋愛模様は話しを追うのに飽きがなくスラスラよめてしまいます。また、棋士達のシーンはコメディな部分もありますが、ハードな場面が多く、年齢・階級・矜持などそれぞれの立場やプライドを争う勝負や、将棋の世界を「嵐のなか先の見えない航路を溺れながら進む」という主人公の比喩はとても心を打たれました。しかし、このふたつの側面と画風が豊かな情緒を生みだし、この独特な雰囲気が「3月のライオン」の魅力だと思います。

    18
    投稿日: 2013.12.12
  • やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8

    やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8

    渡航,ぽんかん8

    ガガガ文庫

    三度くる、ターニングポイント

    7巻の後を引いて、全体的に重たい感じがする8巻です。目次から怪しい感じがし、前回の「嘘告白」が尾を引いて、奉仕部の間に壁ができてしまったのが見ていてとてもつらく、6巻の最後から絆を深めていくものばかりと思っていた人にはショックだと思います。真意を言えず悩む雪ノ下、物事の選択に悩む八幡、奉仕部の壁に悩む由比ヶ浜、またこれに関連してか周りの人の心情に変化していており、特に葉山の行動は賛否が分かれると思います。しかし、この人間関係のすれ違いや思わぬ再開をとうして八幡に微妙な変化があり、物語のターニングポイントにもなっています。また、材木座、川崎、戸塚達のシーンは前の空気と比べて明るく、彼等もこの作品になくてわ欠かせない奴等だと救われ気持ちになりました。どう転ぶかわからない展開が目まぐるしく続いて、早く9巻と雪ノ下のデレ(本命)がみたくてたまりません(>_<)

    6
    投稿日: 2013.11.28
  • ディメンション W1巻

    ディメンション W1巻

    岩原裕二

    ヤングガンガン

    岩原先生さすがです

    DTBのマンガで、先生の作品にハマり今回の作品を読みましたが、面白い! 先生のアメコミのような描き方と、アクリルのような色の塗り方はとてもスタイリッシュで、好きな人にはたまらない絵柄です。 ストーリーは、「コイル」という異次元からエネルギーを取り出す装置に潜む陰謀と謎に主人公が闘争する近未来SFですが、この作品のツボは「おっさん×ロボ娘」コンビだと私は思います。岩原先生の作品だと「おっさん×少女」や「少女×動物」であまりないコンビが多いですが、この作品の主役のコンビもとても良く、素っ気ないが根は良い主人公とロボットの癖に純真で人間らしい心を持った少女という組み合わせが織りなすストーリーがこの作品の肝だと私はおもいます。

    3
    投稿日: 2013.09.30
  • “文学少女”と死にたがりの道化【ピエロ】

    “文学少女”と死にたがりの道化【ピエロ】

    野村美月,竹岡美穂

    ファミ通文庫

    名作

    この作品の上手い所は、物語を下敷きにしてはなしを展開していくところです。 ストーリーは、その物語を意識させるように展開していくのですが、その物語を素のままに使うのではなく、その裏にはこのような場景があったのではないのか? 救いがあったのではないのか? だから作者、この物語を書いたのではないか?のようなストーリーで進んでいき、その話の開き方が逸材で、先が読みにくく続きが読みたくなる面白さがあります。 また、遠子先輩(ヒロイン)の文学作品の感想が特殊で、「紙をごはん」にする性質のせいでストーリーの「キュンとする、切ない」等の感覚表現を「甘い、苦い、辛い」等の味覚表現で、表す所が逆にわかりやすく手に取って見たくなってしまいます。 そしてなにより、竹岡さんのキャラデサと野村さんのキャラクターの描き方がとてもマッチしており、可愛いく神秘的な少女を描くと、1,2を争えるレベルです!!

    4
    投稿日: 2013.09.30
  • 10分あれば書店に行きなさい

    10分あれば書店に行きなさい

    齋藤孝

    メディアファクトリー新書

    本屋に通うの楽しくなりました

    私はコミックやラノベ以外の本をあまり買わなかったのですが、この本を通じて新書や実用書などのあり方が変わり 本屋でさまざまなジャンルを物色するようになりました。 新書や小説または絵本など読む利点や、本屋は教室であり、癒しであるという話はとても共感できて、読後すぐに ためしたくなる、そんな本です。

    2
    投稿日: 2013.09.25
  • エバーグリーン(1)

    エバーグリーン(1)

    カスカベアキラ,竹宮ゆゆこ

    電撃大王GENESIS

    話もよし!絵もよし!

    「とらドラ」原作者の竹宮ゆゆこ先生が好きでたまたま、目について読んでみると、さすが面白い! しかし、私が押したいのは作画の良さで、ヒロインがかわいい!! 特に表紙のメガネの子がキャラクターと相成って最高ですね。

    2
    投稿日: 2013.09.24