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蘇芳堂さんのレビュー
いいね!された数17
  • 天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕

    天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕

    菅野雪虫

    講談社文庫

    良い本に巡り合いました。

    私には、息子しかいないけれど。 もう息子たちは成人してしまったけれど。 娘がいたら、絶対に読んでもらいたい一冊。 彩雲国物語然り、十二国記然り。 女の子が、自分の力で運命を切り開いていくお話は、本当にわくわくします。 これは、そんなお話。

    0
    投稿日: 2018.05.31
  • 月魚

    月魚

    三浦しをん

    角川文庫

    もしも…

    読みながら、相反する(?)気持ちがずっと付きまとっていました。 話の大筋は、非常に面白く、ぐいぐいと引き込まれていきます。 色々な親子の形について、考えさせられる物語になっていると。 ですが、二人の主人公の関係が……。 美しいと思えば美しく。 現実離れしていると言えばそうであり。 なんだか、こう…割り切れない澱のようなものが読んでいる間、始終付きまとっていました。 だから、星4つ!です。

    0
    投稿日: 2017.07.24
  • 守り人シリーズ電子版 3.夢の守り人

    守り人シリーズ電子版 3.夢の守り人

    上橋菜穂子,二木真希子

    偕成社

    どうかな

    今回は、トロガイの過去が明らかになります。 ふむふむ。そりゃそうだ。 トロガイにも若かりし頃はあったわけで。。。 んー。でも、どうかな…。 ちょっとわかりづらいお話?システムだったように思う。 私の理解する力が足りないのかな? どう表現したらよいのかわからないんだけれど。。。 物語自体には非常に力があって、それは、魅力的で際立っている登場人物たちが、いやおうなしに引っ張っていく力にあふれているから。 どんどん読めちゃう。 でも、世界観が、いまいちはっきりしてこない。 多少ネタバレになっちゃうんだけれど、「番」の役目は?「守」の役目は????「歌」は?でもって、「seed」は? つたない想像力をフル活用しながら、物語の持つスピードについていかねばならない現状。 ………やっぱり、単に、理解力不足か???? それでも、十分すぎるほど面白い。 だから、次に進みます。

    1
    投稿日: 2016.11.23
  • 守り人シリーズ電子版 2.闇の守り人

    守り人シリーズ電子版 2.闇の守り人

    上橋菜穂子,二木真希子

    偕成社

    おくればせながら

    「おもしろい!」と言われれば言われるほど、その本から遠ざかってしまう、私の悪い癖。 ようやく、守り人シリーズを読み始めましたが、やはり面白いのです。 「精霊」は、やはりどこかファンタジーなそんな面白さでしたが、「闇」は、ファンタジーでありながら、「世間」や「人」を強く感じる物語。 「精霊」で見せた人々とのつながりをあえて封印して、最初から最後までバルサがこの物語で知り合った人々とともに、自分の人生を切り開いていく姿に感動です。 大人の読み物。 そう言い切れる一冊。

    2
    投稿日: 2016.11.20
  • バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔

    バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔

    藤木稟

    角川ホラー文庫

    作者、すごい

    読み終わってしまった…。というのが、正直な感想です。今回もとても面白かった。そして、平賀のたくましさに、脱帽。 私はキリスト教信者ではないので、今回のお話では、いろいろなことが「想像」しづらくて、読むのに少し時間がかかってしまいました。 おそろしく民俗学なのに、恐ろしく科学的で、そして一点の曇りもなく神を信じているロベルトと平賀…。こんな人たちを生き生きと文字の中で活躍させる作者に脱帽です。

    0
    投稿日: 2016.10.03
  • バチカン奇跡調査官 原罪無き使徒達

    バチカン奇跡調査官 原罪無き使徒達

    藤木稟

    角川ホラー文庫

    記念すべき???

    ようやく、とうとう、日本にやってきました。平賀とロベルト。 読了して最初に思ったのが、「よかった。あの人が出てこなくて。」でした。 作品的には、あの人が暗躍していた方がスケールの大きいものになるんでしょうけれど、舞台は日本だからね…。 隠れキリシタンってこういうものだったのかしら。キリスト教でありながらそうではなくなってしまった日本のそれが、悲しくも切ない。 平賀のロベルトに対する思い(もちろん、友人としてですよ!)にもふれられる一冊。

    1
    投稿日: 2015.04.27
  • すかたん

    すかたん

    朝井まかて

    講談社文庫

    ほろりとして妙

    青もの??? なんじゃそりゃ?などと思いながら読み始めたこの作品。 そんなことも知らなかったなんて、まったくぅ、すかたんなんだから。 夫に先立たれた知里が、大阪の商人のお家さん付きの女中となり、なれない土地でなれないしきたりに右往左往する様にほろりとしたりクスッとしてしまう。 しらずしらすのうちに青物狂いで粗野な若旦那に惹かれていく知里。 読了のすがすがしさがとってもよかった!

    2
    投稿日: 2015.03.30
  • 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様

    鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様

    朱川湊人

    集英社文庫

    これもまた

    朱川さんの少女が主人公の、ちょっと不思議な作品、とっても大好きです。 この作品は、少女が主人王ではないのだけれど、これもまた秀逸。 レトロ感たっぷりの不思議なお話が好きな人にはたまらない作品です。 暑い日は苦手で、食に執着がない雪華はもしや。。。 続編が待ち遠しい。

    2
    投稿日: 2015.03.30
  • 白いへび眠る島

    白いへび眠る島

    三浦しをん

    角川文庫

    すらすらいかない?

    なんとなく読み始めがすらすらといかない。。。大好きなしをんさんの作品なんだけどって感じでした。 でも、数ページ過ぎるうちに、どんどん世界観に引き込まれていきました。 登場人物、それぞれがそれぞれに抱く島への思いが切なくて美しい。 最後に載っているごくごく短い短編が、とってもいい。

    0
    投稿日: 2015.03.30
  • 塩の街

    塩の街

    有川浩

    角川文庫

    甘くないのに際限なく甘い

    (決して認めたくはないけれど)小説の中に、ハッピーエンドを探してしまう自分にとって、この物語は先が見えず、不安ばかりが募る、そんな読み始めでした。 怖いもの見たさで、目が離せない。。。 その年にしては物わかりのよすぎるヒロインと、退廃的で圧倒的なヒーローと。モチーフ的には語り尽くされた登場人物だというのに、もしかしたら、現実に起こりうるかもしれないと思わせるぎりぎりラインの非現実なストーリーが、平凡からほど遠い作品に仕上げています。 これが、デビュー作!? 恐るべし、有川浩。 スピンオフな短編も秀逸。 ちょっぴり悔しいのは、この本を私に勧めてくれたのが、高校生になった甥っ子だったという点。 三部作、きっちり読ませていただきますよ。 恐るべし、

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    投稿日: 2014.08.10