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sasaさんのレビュー
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  • 植物図鑑

    植物図鑑

    有川浩

    角川書店単行本

    恋愛小説好きな方はぜひ

    私の周りの友人たちがこぞってオススメだと言うので読んでみました。 で、まんまと気に入りました(笑) ひょんなことから始まる共同生活がいつしか恋愛に発展していく過程にキュンとします。 そして二人の「狩り」の様子やそれを料理する話がとても楽しそうでおいしそうで! イツキが草食系かと思いきや意外と肉食系なのも個人的にはポイント高いです(笑) あらすじを読んだときはただのヒモかと思ったけど、いろんな意味でよくできた男だよイツキ。 作中に「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。」という言葉が出てきますが、 私はこの作品で初めて名前を知った植物がたくさんあったので、その名前を見聞きするたび「植物図鑑」とさやか&イツキを思い出しちゃいますね。

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    投稿日: 2013.10.05
  • 100回泣くこと

    100回泣くこと

    中村航

    小学館

    「泣ける小説」ではない

    よし、泣こう。 そう思ってこの本を手に取った人には期待外れかも。 淡々とした文章とページ数の少なさもあってか、読後感もあっさりしたものです。 その淡々とした感じが、前半の幸せな日常の描写のあたりでは好感がもてるんですけどね。 個人的にはもの足りない。 ただ、多くを書き込みすぎていない分、読者に委ねる部分が多いので、もう一度読むとだいぶ印象が変わるかもしれません。

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    投稿日: 2013.10.05
  • 夏の子供

    榎田尤利, 茶屋町勝呂

    夏の子供

    榎田尤利,茶屋町勝呂

    SHY NOVELS

    多くの人に読んでほしい作品

    「夏の塩」の下巻にあたる作品です。必ず「夏の塩」から読んでください。 人は生まれて、そして必ず死を迎える。 「身近な人の死」に何度も直面し死んだように生きてきた主人公が、ゆっくりとそれらを受け入れて人間らしくなっていく姿。 人が人と関わるということ。「生きていく」ということ。それらの意義を、きれいごとではなく誠実に描いた作品だと思います。 BL作品のエンターテイメント性であるとか、そういった描写を求めている方には期待外れかもしれませんが、読んで損はないです。 むしろこの作品がBL作品としてカテゴライズされているために、読む方が限定されるであろうことが残念でなりません。 苦手に思っている方も、電子書籍だと購入のハードルもだいぶ下がるかと思いますので、騙されたと思ってぜひ読んでほしい!

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    投稿日: 2013.09.28
  • 夏の塩

    榎田尤利, 茶屋町勝呂

    夏の塩

    榎田尤利,茶屋町勝呂

    SHY NOVELS

    BLというジャンルにくくるのがもったいない作品

    この作品の主軸はおそらく「恋愛」ではありません。テーマは結構重いです。 でも、必要以上に悲壮感を出すような盛り上げ方や涙を誘う演出のようなものはなく、生とはなにか。死とはなにか。生きることの苦しさと、喜び。そういったものに素直にそして誠実に向き合った作品だと思います。 ぶっとんだ設定もないし、個性的な登場人物たちの一人一人にどこかリアルな背景があって、現実に「いそう」な感じがするのもまた魅力のひとつかと。 この作品はBLというよりも一つの文学作品と思って読んでほしいです。 私自身、知人に勧められるままにBL作品と知らずに読み始めましたが、ReaderStoreでも「アダルト>ボーイズラブ」に分類されていると知ってちょっと驚きました。 一般作として、ぜひいろいろな方に手に取ってほしい。 上巻であるこの「夏の塩」は、あまり主人公に感情移入しすぎると後半どんどん辛く痛くなっていきますが、その先に見えてくるものがあります。下巻は「夏の子供」。2冊あわせて結構なボリュームですが、ぜひまとめて読んでください。

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    投稿日: 2013.09.28
  • 有頂天家族

    有頂天家族

    森見登美彦

    幻冬舎文庫

    毛玉と京都がすきになる本

    アニメ化によりこの作品を知りました。 ストーリーの面白さはもちろんですが、森見さんの言葉選びというか文体がとても綺麗で読みやすく、あっという間に読み終わりました。 主人公が狸だったり、天狗が出てきたり、ファンタジー要素はてんこもりなのですが、なぜか違和感を感じない。 もしかしたら、京都にはほんとにこんな出来事が溢れてるのでは?と思ってしまうようなお話でした。 ああ!京都に行きたい!!

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    投稿日: 2013.09.28