
カブキブ! 5
榎田ユウリ
角川文庫
一幕で問題解決
「毛抜」キター! つい先日、私もたまたま「毛抜」ってお話はぶっ飛んでいるけど一幕で問題がすべて解決するのがいいよね、と思っていたところでした。という訳で、正確にはまだ「毛抜」はきていません。「白浪五人男」を引きずっております。合宿のメインとして町内会夏祭りで1年生を中心とした「白浪五人男」を披露する、これですべて問題解決。……と思いきや、更にもうひと波乱あったりして、それを解決するのが予想外の人物だったりします。 このお話は、語り手がいろいろ変わるのも面白いですね。ちょいちょいイラッとくるほど皆から愛される主人公、クロは今回も一生懸命です。 ところで、夏休みのお話なので、「八月の歌舞伎座は三部制」が何度か出てきますが、今年はなんと十二月も三部制なのです(笑)
2投稿日: 2016.11.27パノラマ島美談
西尾維新,キナコ
講談社タイガ
孤島の館で新しい謎解き
初回のキャラのインパクトと話のスケールが大きすぎたので、続く巻の印象がやや薄く、またキャラにも慣れてしまった感じがありました。しかし、これらの立ちすぎるキャラクターのうちで最初は根暗で陰湿だったはずの瞳島ちゃんが崩壊……もとい成長していく様子が微笑ましい。今回は誰よりも大活躍……かつ、誰よりもおかしなテンションでした。 美少年探偵団の冬期合宿です、孤島です、(一応)館です。解くべき謎は殺人事件ではありませんが、難問であり斬新で面白かったです。メンバー内で珍しい組み合わせもありましたし、新たな人物の名前なども出てきて、今後が楽しみです。 また、表題作の他に短編が2本入っていて、他シリーズのあの人も登場しますよ。
2投稿日: 2016.10.22カブキブ! 4
榎田ユウリ
角川文庫
よっ、待ってました!
待望の指導員。ここにきてまさかのスポ根!? 走り込みで終わってしまったらどうしようかと思いましたが・・・よかった、あった、新人公演。そう、待望の新入生です。が、これまた一筋縄ではいかない模様。どうなるの、どうするの、と今回も一気に読んでしまいました。今回はこれまでよりもクロが辛い思いをしますが、それだけに後半は涙ぐみそうになりました。ホントに一途でいい子ですよ、小さいけど。 「カブキブ!」と共に私も歌舞伎を勉強してまいりました。「寺子屋」から始まって、今では歌舞伎座に通うほどになりました・・・。新しい仲間も加わって、これからのカブキ部(あ、もう「部」ですね!)にどんなアクシデントが起こるのか・・・じゃなくて、どんな演目に挑戦するのかも楽しみです。
3投稿日: 2015.10.01六花の勇者 4
山形石雄
ダッシュエックス文庫DIGITAL
努力・友情・勝利
これまでは、7人目が気にならないこともない・・・という感じで漫然と読んでいました。しかし、ここにきてアドレットの旧友ライナの登場によってガゼン本気出して読み始めました。どう考えても不可能と思えるライナの目的が果たされるのかどうか、果たされるとしたらどういう方法でか、また目的そのものの内容も気になりますし、そして何よりアドレットと再会するのかどうか・・・。 敵味方を問わず、それぞれの過去なども明らかになってきました。特に4巻ではロロニアの恋心に打たれました。ちょっと残念な子だと思っていた(済みません)アドレットが何やらかっこよく見えてきました。けれども、恋も旅もすんなりとは進まない様子。フレミーの正体はいかに・・・!?
0投稿日: 2015.09.28神様の御用人4
浅葉なつ
メディアワークス文庫
祝 昇格
シリーズ初の長編ということで、空間・時間ともに壮大な感動巨編になっております。 とは云え、神様たちの妙に人間的な個性なども相変わらず面白く、今回登場する天道根命も期待を裏切りません。電車賃にお賽銭を持って来るところなど、何か可愛らしいです。それだけに、最後は感動的でした。 このシリーズは、読後にとてもほっこりします。何だかんだと云いつつ人の好い良彦は損をするタイプかも知れませんが・・・。神様たちや穂乃香ちゃんに見守られて、今後は正式な御用人として更なる活躍を期待したいです。
1投稿日: 2015.09.06