文学
女の顔 ――私の好きな――
あらすじ
日本で最も有名な洋画家のひとり、黒田清輝の女の好みについて。「一口に云ふと、薄ぼんやりした顔が好きです」とは、いかなることか。表情を削ぎ落とし、顔そのものについて語り続ける短いエッセイには、画家ならではのこだわりが凝縮されている。好きな顔について、これだけ語れる男でなけれれば、画なんて描けない。明治時代にヌードで裸体画議論を巻き起こし、後に切手や教科書にさえ採用された芸術家。黒田清輝が語る“顔”の美しさとは、日本人がかつて持っていた本来的な美しさなのかもしれない。「京都には、態と表情を殺してゐるやうな女がよくあるが、あれは中々いゝと思ふ」のだそうだ。

