文学
モスクワ印象記
あらすじ
プロレタリア文学作家として知られる宮本百合子が書いた、1928年ごろのモスクワ滞在についてのエッセイ。満員のサナトリウム、足りないバター、そしてロシアの深さ。過去を知らない外国人と自らを規定して、変革に揺れる当時の様子を克明に記している。政治的な主張を大きな声で叫ぶより、綴られるディテールに説得力を持つ。宮本百合子は、このソ連外遊から帰国した後、プロレタリア文学に傾倒していく。戦時下では、検挙されて投獄されるなど、波乱の人生の根底には、このエッセイで記されたとおりの、愛すべき人間たちへの鋭い観察がある。

