文学
顔の美について
あらすじ
映画監督として日本映画の基礎を築いた伊丹万作の、“顔”についての名エッセイ。人間の顔は死ぬ前にその完成を見せ、生まれたての赤子はどんなに醜くとも醜いなりの調和を持ち、世の中の美容術は唯一、精神的教養以外にないと説く。翻って自分の顔を眺めたときに、その扁平さに嫌気が差すのだとか。仕方がないから、息子には良いところをと願ったが、悪いところをことごとく模倣していると言う。その息子とは、同じく映画監督となった伊丹十三のこと。端正で無駄のない文章は、伊丹家のスタイリッシュさを想像させる。精神的教養とは何か。教えてくれるのは、こういったエッセイである。

