イワンの馬鹿 SKAZKA O IVANE－DURAKE

19世紀ロシア文学の巨匠が描く寓話は、教訓に満ちている。欲深いふたりの兄と愚鈍な弟イワン。家族をバラバラにしてしまおうと悪魔が忍び寄って、それぞれの欲を刺激するが、ばかのイワンだけが悪魔の誘いに屈せずに、逆に悪魔を捕まえてしまう。イワンは悪魔からもらった病気を治す木の根っこで王女の病気を治してやると、王様に迎えられることに。彼の王国は、手を動かして働くことこそが美徳とされていた。かつてのロシアの市政の方針をそのまま打ち出したような物語。労働の美徳は、キリスト教的でもある。イワンはあまりに“ばか”なために、迫害されていること、戦っていることにさえ気づかないのだ。